1号機使用済燃料プールからの燃料取り出し
1号機原子炉建屋のオペレーティングフロアの使用済燃料プールには新燃料を含む392体の燃料が保管されています。これらの燃料をより安定して冷却、保管可能な共用プールに搬出する計画になっています。2027年度~2028年度の使用済燃料取り出し開始に向け作業が進められております。
使用済燃料取り出し作業は6つのステップに分かれており、現在は4ステップ目に実施する重量物のガレキ(原子炉建屋オペレーティングフロア上に重なるように落下している天井クレーンや燃料交換機等)撤去時の放射性物質飛散防止のため、大型カバー設置工事(3ステップ目)を実施しています。
福島県では工事の計画や進捗状況・安全対策等について、廃炉安全監視協議会等の各会議や現地調査等を通じて確認しています。工事の詳細につきましては、1号機使用済燃料プールからの燃料取り出し(東京電力HP)を御確認ください。
【参考】
原子力用語集
廃炉作業全体の計画については、福島第一原子力発電所の廃止措置状況を御確認ください。
ステップ1 内部調査・建屋カバーの解体(完了)

第35回(2015年度第5回)廃炉安全監視協議会 立入調査
<廃炉作業の実施状況>
1号機原子炉建屋は、2011年3月12日に水素爆発が発生し原子炉建屋の上部が大きく壊れたことから、建屋からの放射性物質の飛散を抑制するため、2011年10月に原子炉建屋を覆う建屋カバーを設置しました。
1号機原子炉建屋の使用済燃料プールから燃料を取り出しするため、オペレーティングフロアに散乱したガレキを撤去する必要があることから、2014年10月より原子炉建屋を覆う建屋カバー解体を開始しました。
解体作業では、パネル(建屋カバー)の撤去の他、パネル撤去により飛散する可能性がある小ガレキの吸引、防風フェンスの設置等が行われ、2017年12月に原子炉建屋を覆う建屋カバー解体が完了し、ガレキ撤去の準備が整いました。
<県による監視状況>
廃炉安全監視協議会等の各会議や現地調査等の結果はこちら(ステップ1の確認状況)を御確認ください。
ステップ2 ガレキの撤去(オペレーティングフロア)(完了)
第64回(2018年度第3回)廃炉安全監視協議会 立入調査
<廃炉作業の実施状況>
2018年1月よりオペレーティングフロア北側のガレキ撤去を開始しました。ガレキ撤去と平行してオペレーティングフロアの調査や使用済燃料プールへのガレキの落下を防止するための使用済燃料プールの養生、天井クレーン・燃料交換機の支保(対象物が動かないよう支持するための仮設構造物を設置すること)等が進められました。
調査の結果、オペレーティングフロア南側では、屋根の崩落に伴い天井クレーン及び燃料取扱機が損傷しており、ダスト飛散対策の信頼性向上等の観点から、2019年12月に「原子炉建屋を覆う大型カバーを設置しカバー内でガレキ撤去を行う」プランが選択されました。
大型カバーを原子炉建屋に設置するにあたり、建屋カバー残置部等(建屋カバーの梁・柱・基礎や防風フェンス等)が干渉することから、2020年12月より解体を開始し、2021年6月に完了しました。
<県による監視状況>
廃炉安全監視協議会等の各会議や現地調査等の結果はこちら(ステップ2の確認状況)を御確認ください。
ステップ3 大型カバーの設置(作業中)
2022年6月24日 福島県現地確認 2025年7月1日 福島県現地確認 2025年11月7日 福島県現地確認
<廃炉作業の実施状況>
大型カバーは、仮設構台・下部架構・上部架構・ボックスリング・可動屋根・ガレキ撤去用天井クレーンで構成されており、原子炉建屋にアンカーで支持される鉄骨造の構造物です。
燃料の取り出しに向け、ガレキ撤去及び環境構築、ダスト飛散の更なる抑制、雨水流入防止のために原子炉建屋オペフロ全体を覆う等の役割があります。
2021年4月より構外の低線量エリアで大型カバーを構成する部材の地組を実施しており、完成した部材は構内に運搬され、2021年8月より仮設構台、下部架構、上部架構、ボックスリング、可動屋根、ガレキ撤去用天井クレーンの順に設置が進められています。
また、大型カバーとの接触リスク低減と耐震性向上を目的として1号機原子炉建屋上部の外周鉄骨の一部が撤去されました。
【作業の主な流れ】
・2021年4月 部材の地組開始(構外ヤード)
・2021年8月~2024年4月 仮設構台の設置
・2022年4月~2024年9月 アンカー及びベースプレートの設置
・2023年6月~2024年11月 下部架構の設置
・2024年11月~2025年8月 上部架構の設置
・2025年5月~2025年10月 ボックスリングの設置
・2025年11月~ 可動屋根の設置
・2024年10月~2025年9月 外周鉄骨撤去
<県による監視状況>
廃炉安全監視協議会等の各会議や現地調査等の結果はこちら(ステップ3の確認状況)を御確認ください。
ステップ4 ガレキの撤去(天井クレーン等)
オペレーティングフロア南側に堆積しているガレキを北側に移動・仮置きし、分割や集積を行ったのちに大型カバー外へ搬出する計画となっています。
ガレキの撤去は2026年に開始する予定です。
ステップ5 燃料取扱設備の設置
廃棄物削減の観点から、2013年に4号機に設置した燃料取扱機を改造し、 1号機の燃料取扱機として有効活用する計画となっています。
2025年11月から4号機燃料取扱機の分解とメーカ工場への搬出を実施しており、2025年中に全部材をメーカ工場に運搬する予定です。
ステップ6 使用済燃料の取り出し
2027年度~2028年度に開始する計画となっています。
