ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 組織でさがす > 労働委員会事務局 > 【ろうどうコラム】現場と中立の視点を行き来して感じたこと

【ろうどうコラム】現場と中立の視点を行き来して感じたこと

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年4月22日更新

コラム一覧に戻る

R8.4.22  現場と中立の視点を行き来して感じたこと

労働委員会 労働者委員 井上 正克

 労働委員会の委員を拝命して1年4カ月になりますが、福島県では労働委員会に持ち込まれる紛争件数が多くなく、私自身が担当したのはまだ1件だけです。委員としての経験はまだ浅いものの、以前、他県で労働審判員を6年ほど務め、多くの事案に関わってきたことから、両方の現場を経験したからこそ感じたことがあります。

 組合役員として長く活動してきた私にとって、組合員の声に寄り添い、その思いを代弁することは“当たり前”の姿勢でした。しかし、労働委員会や労働審判の場に立つと、その“当たり前”が必ずしも通用しないことに気づかされます。そこでは、主張の正しさよりも、事実として確認できるかどうかが判断の基準になります。職場では「これは組合員の主張が正しく、会社が間違っている」と感じるようなケースでも、委員会や審判で資料を丁寧に見ていくと、思いがけない事情が見えてくることがありました。

 特に労働審判では、短い期間で事実関係を整理し、合意形成を目指す必要があり、労働者側・使用者側の言い分をフラットに受け止める姿勢が求められました。労働委員会でも同じように、中立性を保ちながら事実をどう捉えるかが大切で、これは組合役員としての感覚とは少し違う部分です。自分の中にある“組合役員としての癖”に気づき、それを一度脇に置いて考えることは簡単ではありませんが、その積み重ねが委員としての学びになっていると感じています。

 また、労働者側の主張が通りにくいと感じる場面も、審判や委員会の経験を通じて理解が深まりました。それは決して労働者の声が軽んじられているわけではなく、判断が「立証できる事実」に基づくためです。組合役員として“正しい”と感じることと、法的な場で“認められる”ことは必ずしも一致しません。だからこそ、日頃から記録を残すことや、相談を早めに受け止めることなど、組合が現場でできる支援の大切さを改めて実感しています。

 こうした経験は、組合としての活動にも確実に活きています。委員会や審判で得た“中立の視点”を持つことで、組合の主張をより整理し、説得力を高めることができますし、紛争を未然に防ぐために、労使双方が歩み寄れるポイントも見つけやすくなると思います。これからも、福島で働く人たちの声に丁寧に向き合いながら、より良い労使関係づくりに少しでも貢献していければと思っています。

 

ご意見お聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?
このページは見つけやすかったですか?

※1 いただいたご意見は、より分かりやすく役に立つホームページとするために参考にさせていただきますので、ご協力をお願いします。
※2 ブラウザでCookie(クッキー)が使用できる設定になっていない、または、ブラウザがCookie(クッキー)に対応していない場合はご利用頂けません。