2018年2月定例会 代表質問 吉田英策議員
議員 | 吉田英策 |
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所属会派 (質問日現在) | 日本共産党 |
定例会 | 平成30年2月 |
質問等 | 代表質問 |
質問日 | 2月26日(月曜日) |
13番(吉田英策君)日本共産党の吉田英策です。日本共産党県議団を代表して質問をいたします。
県は、2018年度一般会計予算を震災、原発事故後最少となる1兆4,472億1,200万円としました。除染や復興公営住宅の整備が進んだことで、2017年度当初予算に比べ2,712億円の減、復興・創生関連は6,178億2,500万円で、前年比2,572億円の減となります。県民の健康改善、子育て支援、風評・風化対策の3施策に重く配分したとしています。
私たち共産党県議団は、予算編成に当たって、震災、原発事故から丸7年を迎える本県で全国最下位クラスの医療、福祉が大震災、原発事故によって一層困難になっている状況を踏まえ、日本一子育てしやすい県、全国に誇れる健康長寿の県を実現するために、医療、介護、子育て、教育に重点配分することを申し入れてきました。
しかし、発表された当初予算は、県が掲げている日本一子育てしやすい県、全国に誇れる健康長寿の県を目指す上で新しい施策はほとんどない予算と言わざるを得ません。
その一方で、大企業呼び込み、福島イノベーション・コースト構想のための予算は新産業創造として新エネ普及や医療、ロボット産業の活性化を図るとして401億円、ふくしま産業復興立地補助金の財源として131億3,600万円を計上するなど、呼び込み型の姿勢や石炭輸入のための小名浜東港の整備計画などは変わっておらず、子育て、長寿の県づくりから見てもバランスを欠いた予算と言わざるを得ません。
共産党県議団は、復興を県民の暮らし優先、原発事故収束、第二原発の廃炉を実現し、再び同様の惨劇を繰り返さず、原発ゼロを実現するために福島県がその歴史的使命を果たすために力を尽くすものです。
以下、知事の政治認識や施策について質問をさせていただきます。
まず、憲法9条改定についてです。
安倍首相は、ことしを改憲を実現する年として異様な意気込みを示しています。憲法9条に第3項を設け、自衛隊を書き込むとしています。安倍首相は「何も変わらない」と言いますが、1項、2項より3項が優先される大改悪になります。そうすれば、戦力の不保持という9条2項は空文化し、海外での無制限の武力行使が可能になります。つまり戦争できる国になるということです。
国民の多数は、このような憲法改定を望んでいません。共同通信が1月13日、14日に実施した世論調査では、安倍政権での改憲に反対が54.8%、憲法に自衛隊を書き込むことに反対が52.7%と、憲法改定反対が多数になっています。
現在の日本国憲法は、戦争により多大な被害を与えた反省の上に立って戦争を永久に放棄したのです。憲法9条があるからこそ、戦後日本は戦争に巻き込まれず、戦争によって自衛隊員の命が失われることもなく、相手の命を奪うこともありませんでした。
今改憲の動きが本格的になるにつれ、自衛隊への申し込み辞退が広がり、定員割れが進んでいるといいます。元自衛隊員の方でさえ「孫は絶対に自衛隊にはやらない。」と言っているといいます。震災で人命救助を行った自衛隊員を戦場で戦死させるわけにはいきません。
安倍政権のもとでの憲法改定は許さない、この1点で、思想、信条の違いや政治的立場の違いを越えて憲法9条を子々孫々まで引き継ぐことを多くの県民に呼びかけるものです。
私たち共産党県議団は、今呼びかけられている、憲法改悪を許さない「憲法改憲NO!憲法を生かす統一署名」、通称3千万署名が大きく成功するために力を尽くすものです。
憲法9条改定の国会発議に反対すべきと思いますが、知事の考えをお聞きします。
核兵器禁止条約についてです。
政府は、依然核兵器禁止条約に署名をせず、背を向ける姿勢ですが、核兵器禁止、廃絶は世界の流れです。政府は、アメリカの核の傘のもと、「核抑止力の正当性を損なうことになる」と条約への署名を拒んでいますが、核抑止力論とは、核兵器を使うというおどしによって安全保障を図るという考え方であり、いざというときには核のボタンを押し、広島、長崎のような非人道的惨禍を引き起こしても許されるという考え方です。
地方から核廃絶の声を上げていくことがいよいよ大事になっています。核兵器禁止条約の締結を求めるヒバクシャ国際署名に署名した県内自治体首長は6市町村、全国では賛同した首長は20人の府県知事を含め1,019人になりました。県内市町村議会での意見書採択は5議会となっています。内堀知事にもぜひ署名をしていただきたいと思います。
こうした中で、北朝鮮の核開発という暴挙が東アジアの平和にとって重大な脅威となっています。米朝の挑発のもと、誤算による戦争だけは絶対に回避しなければなりません。そのためには、対話、外交による解決を図ることです。
しかし、政府はミサイル防衛システムとして1基1千億円とも言われる地上配備型のイージス・アショアを秋田県と山口県に配備する計画ですが、原発を抱える日本にとっては危険が増すばかりです。
今月2日、アメリカトランプ政権は中期的な核戦略の指針となる核戦略見直しを発表し、実際に使える爆発力を抑えた小型核兵器の開発を打ち出しました。これに対して日本政府は評価をする考えを示しました。これは被爆国の政府としてはとんでもないことであり、際限のない核軍拡に道を開くことになります。
使える核兵器の開発につながりかねない核戦略見直しに反対するなど核兵器廃絶を国に訴えていくべきと思いますが、知事の考えをお聞きします。
防災対策についてです。
先月23日に水蒸気噴火を起こした草津白根山では、訓練中の自衛隊員一人が噴石の直撃を受けて死亡し、多くの負傷者を出しました。心からお見舞いを申し上げます。
その後も火山性微動が継続しています。1月末には山形県と宮城県の県境に位置する蔵王山に噴火警報が発令されました。日本列島が地震や火山の活動期になっていることを改めて示しました。
県内では、吾妻山、安達太良山、磐梯山は常時監視の火山です。特に磐梯山は1888年に水蒸気噴火に伴う山体崩壊を起こしています。しかし、観測体制は3火山とも無人で、GPSや震度計が設置され、仙台の地域火山監視・警報センターでのデータ観測です。
地震観測を担っていた若松測候所を無人化したのを初め火山観測の人員削減により、噴火という場合の備えやその後の対応には不十分ではないかと、観測体制の脆弱さへの指摘が出されています。合理化で人員削減を進めてきた防災対策の有人観測の再構築など、根本的転換が求められています。
県内の常時観測火山について、有人観測も含めた監視体制の強化を国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
世界的な異常気象による災害や地震、津波から県民の命や財産を守るための取り組みが急務です。防災対策は、災害が発生した後の応急対策や復旧・復興対策だけでなく、災害の発生を抑え、被害の拡大を防止するための予防対策を重視した対策に転換する必要があります。
そのためには、防災を無視した開発をやめ、必要な防災施設の整備と安全点検を徹底するなど防災まちづくりを進めること、観測体制の整備を進め、消防や住民などを中心とした地域、自治体の防災力を強化することです。生活に欠かせないトンネルや橋梁などの耐震化や老朽化対策として長寿命化を計画的に進めることです。
県はトンネルや橋梁の長寿命化対策にどのように取り組んでいくのかお聞きします。
原発事故収束と原発ゼロについてです。
東日本大震災、原発事故から丸七年を迎えます。事故の収束、廃炉作業は、溶け落ちたデブリの取り出しのための調査や使用済み燃料の取り出しなど高線量での苛酷な作業が続きますが、デブリの把握は困難で、取り出しの見通しは立っていません。
避難者は県発表で5万人を超えていますが、家や土地を離れ、避難先での生活を決めた方、自主避難者や災害救助法から外れた県民が避難者数から除かれたことを見れば、実際の避難者数は県発表を大きく上回ります。県内産業への被害もいまだに回復していません。
原発事故が各分野にもたらした被害は余りにも甚大です。この間の賠償を求めた裁判では、津波は予見可能であったにもかかわらず、対策を講じなかった国、東京電力の責任を認めています。
原発事故の9年前に当時の経済産業省原子力安全・保安院が東京電力に対して「福島沖で津波地震が起きたときのシミュレーションをすべきだ。」と求めたのに対して、東電の反対で見送っていたことが明らかになりました。この段階でシミュレーションをしていれば津波対策に早く着手できたと裁判ではっきりいたしました。こうした事実が明らかになるにつれ、住民の命や暮らしよりも原子力の利益を優先する東京電力には原発を動かす資格がないと言わなければなりません。
先月5日には、事故を起こした東京電力の川村会長が福島民報のインタビューに答えて、「この先20年というオーダーで使えそうなのは柏崎刈羽と福島第二原発ということになる。原子力を何らかの格好で残しておく必要があるのではないか。」との認識を示しました。事故を反省するどころか、東京電力の最高責任者として、第二原発廃炉の議会や県民の思いをじゅうりんし、愚弄するものであります。県民の安全よりも原発や東電の利益を優先するものとして、許すことはできません。
東京電力会長の「この先20年で使用できそうな原発は柏崎刈羽と福島第二、原子力を何らかの形で残しておく必要があるのではないか。」という発言に抗議するとともに、発言の撤回を求めるべきと思いますが、知事の考えをお聞きします。
東京電力に福島第二原発の廃炉を決断させるためにも、県民の総意を示す県民集会を開催すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
原発事故が平穏な暮らしをどれほど破壊するか、私たちは身をもって体験しました。再生可能エネルギーを普及させ、原発に頼らない社会を実現することがいよいよ重要になっています。
国民世論は、原発再稼働に厳しい目を向けています。再稼働反対は、どの世論調査を見ても5割から6割です。原発を運転すれば、計算上わずか6年で使用済み核燃料プールがいっぱいになります。使用済み核燃料の処理は、再処理工場の稼働のめどは立たず、完全に行き詰まっています。
さらに、原発処理費用は政府試算でも21.5兆円となり、さらにどれだけふえるかも不明です。原発は究極の高コストであり、後世に極めて大きな負担を残すことになります。
福島県は、県内原発のみならず、県外の原発からの脅威にもさらされています。宮城県の東北電力女川原発から県境までおよそ76キロ、同様に新潟県の東京電力柏崎刈羽原発は53キロ、茨城県の東海第二原発までが39キロです。
いわき市は茨城県高萩市を初め茨城県内の多くの自治体との間で原発事故の避難協定を結んでいます。原発事故の被害は一地域だけにとどまるものではありません。原発ゼロの決断が県民に責任ある政治と言えます。
国はエネルギー基本計画の見直しを進めていますが、あくまで原子力をベースロード電源としています。現在の基本計画では、2030年に全エネルギーに占める原発の比率を20%から22%に設定しています。そのためには、老朽原発の20年の運転延長や原発の新増設までも視野に入れなければ達成できないのです。
小泉純一郎、細川護熙両元首相が顧問を務める原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が運転中の原発の即時停止、原発再稼働は一切認めない、自然エネルギーへの全面転換などを柱にした原発ゼロ・自然エネルギー基本法を発表しました。歓迎すべき動きです。
エネルギー基本計画の見直しに当たっては、原子力や石炭火力をベースロード電源とせず、再生可能エネルギー中心に改めるよう国に求めるべきと思いますが、知事の考えをお聞きします。
ふえ続ける汚染水について、昨年の東京電力の川村会長の「判断している」との発言やことし1月の原子力規制委員会の更田委員長の「希釈して海洋放出しか選択肢はない。ことしじゅうの意思決定が必要」との発言は、県民や地域住民、漁業者を置き去りに外堀を埋めるようなやり方であり、大きな問題です。
トリチウム汚染水の海洋放出は、本県の農林水産業にとって重大な影響があります。漁業者はもちろん、県民、地元住民の意見を十分踏まえることが必要です。トリチウム水については、漁協や地域住民など関係者の合意のないままの海洋放出は許さない立場を貫くべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
富岡労働基準監督署は、昨年12月、白血病を発症した東京電力の男性社員を放射線による被曝と認め、労災と認定しました。原発事故対応に従事した労働者の労災認定は4人目です。
事故後、津波の被害確認や1号機と3号機の原子炉格納容器への注水など緊急作業に当たったといいます。この間、労働者16人が労災認定を請求しましたが、5人は不認定、5人は審査中です。
今後デブリの取り出しに向けた作業や使用済み燃料の取り出しなど高線量の作業が続くことになります。今後40年とも言われる廃炉作業を確実に行うためにも、将来にわたり労働者の安全や健康を最優先にしなければなりません。
原発の廃炉作業に従事してきた全ての労働者に対し、定期的ながん検診などの健康管理を行うよう国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
放射性物質に汚染された土壌等の使用についてです。
環境省が二本松市東和地区に建設予定の放射性物質の可燃性廃棄物の減容化施設である一般廃棄物処理施設について、住民説明が不十分なまま進められています。住民からは業者選定の経過や廃棄物の運搬車両の通過経路などの説明やきめ細かなモニタリングなどの要望が出されています。十分な住民説明を行うべきです。
また、二本松市原セ地区で環境省が行う除去土壌の再生利用の実証事業については、生活用道路の路盤材として除去土壌を使うものです。実証事業といいますが、除去土壌の最終処分になるものです。
南相馬市では、約12億円をかけて実証試験を行いました。住民からは「二本松市原セ地区で行うことになった経過がわからない。」、「実証事業の内容が曖昧であり、安全性の担保にも疑念がある。」などの声が出されています。3月から5月ごろにかけて予定されている事前調査は中止し、事業計画を白紙に戻すべきです。
二本松市原セ地区の除去土壌の再生利用の実証事業を中止するよう国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
田村市大越地区のバイオマス発電所施設計画は、県産材バークを使用する計画であることから、住民に不安が広がっています。そもそもこの計画は、バークは使用せず、木質チップだけの計画であったものが、住民に知らせずバーク使用に変更したことで発電事業への不信が募っています。
まして県産材のバークは原発事故により放射能の汚染が心配されており、住民からは「燃焼して出た灰には高濃度の放射能が蓄積される。」、「平穏な生活が送れない。」、「企業誘致が期待できなくなり若者のまち離れに拍車がかかる。」などの声が出されています。
そして、発電所から1キロ以内に認定こども園、小学校、大越駅があることから、地域住民から反対の声が上がっています。田村市議会では、昨年12月、チップ工場を建設することやバークを燃やすことに反対する陳情を採択しています。
田村市で建設が計画されている木質バイオマス発電所において本県産材の樹皮を使うことを中止すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
国直轄除染についてです。
大熊町で発注された国直轄除染工事について、大手ゼネコン清水建設が受注した除染工事で、清水建設の一次下請の相双リテックが売り上げの半分が利益になっているとの報道で「こんな決算はあり得ない。余りにも異常ではないか。」という声が上がっています。
公共事業で5割を超える利益を上げることは考えられないことです。工事の品質管理が適切に行われているのか、労働者への賃金は適正なものなのかなどが問われます。大手ゼネコン清水建設は共同企業体の幹事社として独占的に受注しています。発注者である環境省の責任が問われます。
この間、除染工事については、労働者への賃金のピンはね、不正請求、手抜きや不正な工事などが問題になっています。除染工事への信頼が損なわれる事態で、安心して住める郷土を再生してほしいという住民の願いを踏みにじるものになります。
発注者である環境省の事業者への厳しい指導監督が求められることは言うまでもありません。大熊町における国発注の除染事業は適切に行われているのかお聞きします。
国の除染事業における事業者への指導監督を強化するよう国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
暮らしと被災者支援についてです。
アベノミクスのもと、貧困格差は広がっています。安倍政権の5年間で大企業の内部留保は400兆円にまでふえ、利益は史上空前となり、富裕層の資産は3倍になりました。その一方で、働く人の実質賃金は年額で15万円減り、貧困格差が拡大しています。
さらに、政府は生活保護費を最大5%削減する方針を決めています。2013年の見直しでは10%の引き下げを行いました。昨年末市民団体が行った調査では、「服や靴が買えない」、「入浴回数を減らすしかない」、「耐久消費財の購入ができない」、「灯油が買えない」などの深刻な実態が寄せられています。
政府は、生活保護を利用していない低所得世帯の生活水準が下がったからそれに合わせて引き下げるとしていますが、低所得者の生活水準が下がったというならアベノミクスの経済政策の失敗であり、低所得者の生活水準こそ引き上げるべきです。
福島地方裁判所が1月、生活保護世帯の女子生徒の奨学金を家計収入とみなし、生活保護費を減額した福島市の判断に対して、生活保護の支給額から奨学金分を差し引いた福島市の処分は違法との判決を示しました。福島市は控訴を断念したため判決は確定しました。
貧困格差が広がる中で、県民の暮らしを守る施策の充実が今ほど求められるときはありません。本県は、貧困格差の広がり、原発事故での生活難という二重苦の中にあります。生活保護費の削減は、住民税、保育料、介護保険料、就学援助、最低賃金など国民生活にも連動します。際限のない貧困の悪循環をもたらします。
生活保護が必要なのに、実際利用している人の割合、捕捉率は2割から3割と言われ、残りの世帯は生活保護水準以下での生活をしていると言われています。生活保護は憲法25条で明記された健康で文化的な最低限度の生活を営む国民の権利です。
憲法第25条に規定する生存権を保障するため、生活保護費の削減を行わないよう国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
楢葉町は今春にも居住者が住民登録者数の半分を超えるとの推計を発表しました。町民の仮設住宅の無償提供が終了することから、帰還者がふえると見込んだものです。
しかし、楢葉町の避難指示解除は2015年9月に実施されているにもかかわらず、帰還者は現在3割にとどまっています。県と町が行った町民意向調査では、1,400人が帰還すると答え、1,600人が町外にとどまると答えています。移転先未定が2割、77世帯は住居確保のめどが立っていません。
ことし3月に終了する楢葉町からの避難者への応急仮設住宅の供与期間を延長すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
平成31年に供与が終了する応急仮設住宅について、避難者の意向を尊重し、供与期間を延長すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
収入超過者への家賃の軽減や低所得者を対象にした東日本大震災特別家賃低減事業の延長は喫緊の課題です。原発事故や津波により入居を余儀なくされた世帯であり、子育て中の世帯、再就職がままならない世帯、また二重ローンなどを抱え、急激な家賃の上昇により暮らしを圧迫する事態が生まれています。一人一人の生活実態に合わせた支援が求められます。
復興公営住宅における収入超過者の家賃を独自に減免すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
復興公営住宅における特別家賃低減事業の期間を延長すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
市町村が特別家賃低減事業の期間を延長できるよう支援すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
高齢者が免許証の返納により運転をやめた場合、過疎地、山間地においては足の確保が必要になります。また、郊外の団地などでも深刻な問題になっています。高齢化が進むもとでは、誰でも元気で社会活動や趣味を生かした活動、買い物で気軽に利用できるバス、タクシー、デマンド型タクシーなどの代替手段が必要です。
県は、デマンド型乗り合いタクシーなど地域の実情に応じた交通体系の確立のため財政措置をすべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
医療、福祉の充実についてです。
政府の来年度予算は、国民の暮らしよりも大企業優先で、軍事予算を大きく突出させるものです。医療、介護など社会保障予算の自然増の削減を行う一方で、大企業向け予算や大型公共事業予算の増額、軍事費は6年連続増額で5兆1,911億円となるなど、社会保障切り捨ての予算になっています。
県は、新年度から福島県医療計画、福島県高齢者福祉計画、福島県介護保険事業支援計画をスタートします。県が進める全国に誇れる健康長寿の県のスローガンが看板倒れにならないよう本腰を入れた取り組みが求められます。
しかし、現状の取り組みは、2015年の平均寿命で本県は男性が41位、女性は43位、健康づくりの指標では38位、全国最下位クラスの本県の医療、福祉は大震災、原発事故によって一層困難な状況になっています。
医師数や看護師数でも、10万人当たりで見ると、医師数では42位、看護師数では36位と、おくれははっきりしています。医師の県外からの確保、福島医大の定数130人の引き続く維持が大きな課題になります。看護師については、県の看護職員需給計画がことし5年間で終了し、新たな計画を策定中ですが、現場では看護師不足が深刻という声が寄せられており、現場の実態を踏まえた計画が求められます。
震災、原発事故で被害を受けた本県こそ、医療の充実が求められ、診療報酬を初め社会保障の充実を国に求めるべきです。社会保障費の大幅削減はやめるよう国に求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
医師不足の解消のため、県立医科大学医学部の定員130人を維持すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
医療現場等の実態を踏まえた看護職員需給計画を策定すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
子供の貧困対策についてです。
6人に1人が貧困と言われる中で、貧困対策は喫緊の課題になっています。貧困が見えにくいと言われるもと、子供や家族の状況をきちんと捉え、適切に対応する体制こそ必要です。
子供が貧困から抜け出すためには、親も含めた世帯全体への支援が欠かせません。親が失業中であったり、住宅家賃の滞納があったり、また生活苦で悩んでいたりする場合があります。子供の居場所づくりとともに親の孤立解消など親子の総合的な支援が必要で、教育の問題だけでなく、福祉、住宅、産業、労働などでの連携した支援が必要になります。
群馬県では、子供の貧困をめぐり、子供の生活実態調査を実施し、経済的な困窮だけでなく、親子のかかわりの問題も子供の学力のおくれや自己肯定感の不足、社会性の乏しさに影響していると分析し、生活に困っている親ほど相談しないなど、親の孤立解消も課題に挙げています。
本県が日本一安心して子供を生み育てやすい県を目指すためにも、子供の貧困対策でこども未来局が予算を持って貧困対策ができるよう抜本的な強化が必要です。子供の貧困対策について、こども未来局が予算を確保し、部局横断による総合的な支援体制を強化すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
県は当初予算で子ども食堂への支援を新規の施設だけ行うとしていますが、既存の施設も含めた支援をすべきです。子ども食堂の取り組みは、食育を通じて子供の居場所づくりに欠かせず、貧困対策にもつながるものです。新設、既設を問わず、子ども食堂の運営に取り組む全ての民間団体に財政援助を行うべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
子どもの生活・学習支援事業は、ひとり親家庭の子供が抱える課題に対応し、貧困の連鎖を防止する観点から、本県ではNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福島に委託して実施しています。同法人では、ひとり親家庭のサポーター養成講座、相談会などを実施し、ひとり親家庭の支援に取り組んでいます。
この事業は3年間のモデル事業としていましたが、実質2年で終了し、市町村事業に移行するとしています。しかし、実施する市町村がなければ実質的に打ち切りになります。子どもの生活・学習支援事業を継続すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
家庭教育についてです。
文部科学省は昨年小中学校の学習指導要領と幼稚園教育要領を改訂しました。愛国心を含む教育目標を掲げ、その達成を強く求めています。また、子供の資質、能力を規定し、その達成のために指導方法、評価のあり方まで細かく示し、教育現場を縛るものと疑問や批判が広がっています。
資質とは、生まれ育った素質ということですが、「文科省はこの資質を変え、政府が望ましい人間に育てようとしている。」と指摘する専門家もいます。教育の目的は、子供一人一人の個性を生かした人格の完成にあります。政府の都合のよい人材の育成であってはなりません。学力偏重、競争、成績主義ではなく、基礎学力を養う教育こそが必要です。
県教育委員会は、家庭学習の充実のためとして家庭学習スタンダードを全世帯に配布しました。これは子供の家庭での余裕を奪い、親が子供に行う教育を一定の型にはめ、画一的で自主性、主体性を損なうものになりかねません。親や家庭の自主性を尊重すべきです。
家庭学習スタンダードは画一的な教育の家庭への押しつけにつながることから、活用すべきでないと思いますが、県教育委員会の考えをお聞きします。
教員の多忙化解消についてです。
県教育委員会は、教員の多忙化解消に向けアクションプランを作成し、多忙化解消に取り組みますが、具体的な中身は見えてきません。多忙化解消のためには、教員定数をふやし、正規教員を増員することや業務量を減らすなど、現場の実態に即した具体的な内容が必要です。また、部活動の休養日を設定することや全学年での30人学級の実現など、ゆとりある教育が必要です。
ところが、県教委は小学4年生から中学2年生まで学力テストを毎年実施するとしました。これでは、多忙化を助長し、ゆとりを奪うことになるのではないでしょうか。
公立小中学校において教員の多忙化を解消するため、正規教員をふやし、全学年で30人学級を実現すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお聞きします。
中学生の部活については、スポーツ庁が示したガイドライン骨子案の「平日と土日に各1日、週2日以上の休養日を設ける。1日の活動時間は2時間程度、休日は3時間程度」を実施し、多忙化解消と子供の健康を守るべきです。
公立中学校の運動部活動における休養日や活動時間について、スポーツ庁が示すガイドラインを踏まえるべきと思いますが、県教育委員会の考えをお聞きします。
特別支援教育の充実についてです。
県教育委員会は、伊達、安達、南会津地方の特別支援学校の整備を発表しました。保護者や関係者からは歓迎と同時に早期の建設の要望が出されています。長距離通学の解消など、3地域の早期実現は喫緊の課題です。
特別支援学校への通学バスを子供が利用する場合、安全対策として子供をひもなどで椅子に固定する場合があります。安全対策というのであれば、通学バスに添乗員や介助員を配置することが必要です。
県立特別支援学校の通学バスの運行に当たっては、添乗員や介助員を配置し、児童生徒の安全を確保すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお聞きします。
県立高等学校改革についてです。
県教育委員会は、昨年県立高等学校の統廃合についての素案を発表し、基本計画を作成するに当たり、教育公聴会、県民意見の公募を実施しています。公聴会では、小規模校の高校生からも「少人数で先生がきめ細かく教えてくれる」、「ボランティア活動などで地域に貢献している」、「マンモス高校とのバランスをとってほしい」など、小規模校ならではのよさが意見として出されていると言います。
寄せられる意見は、地域に根差した高校の存続というものです。こうした声を生かして、高校存続のため、高校での30人学級を実現するなどして小規模校での存続も考えるべきです。
県立高等学校の改革に当たっては、小規模校も存続させるべきと思いますが、県教育委員会の考えをお聞きします。
福島ロボットテストフィールドの運営についてです。
福島イノベーション・コースト構想は、廃炉、放射線に関する研究、ロボットによる産業集積、再生可能エネルギーを初めとしたエネルギーの集積、農林水産業の分野におけるプロジェクトの具体化、リサイクルによる産業集積や人材育成、交流人口の拡大等に取り組むとして、関連予算約700億円を計上しています。これらの施策が大企業呼び込み型、県外企業呼び込み型では、県内企業の育成や地元雇用にはつながりません。
また、こうした事業が採算性も考慮されずに進めば、いずれは県民への負担の押しつけとなりかねません。郡山のふくしま医療機器開発支援センターの運営経費の見込みの甘さは、そのことを如実に示しました。同様の運営形態の施設であるロボットテストフィールドの運営は、国にも運営経費の負担を求め、県民負担にならないようにすべきです。福島ロボットテストフィールドの利用見込みについてお聞きします。
福島ロボットテストフィールドの運営費が県民負担にならないよう国にも負担を求めるべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターについてです。
県は医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターの運営費が県民負担とならないようにすべきですが、県の考えをお聞きします。
再生可能エネルギーについてです。
県は2040年までに県内エネルギー需要量の100%を再生可能エネルギーで賄うとして再生可能エネルギー先駆けの地を掲げ、再生可能エネルギーを推進していますが、それが地域住民の生活に被害を与えるものになっては本末転倒です。
県は風力発電の大量導入を計画していますが、計画どおりに進めば、浜通り地域だけでも500基以上の風車が建設されることになります。いわき市遠野地区から三和地区にかけては、50基以上の風車の建設計画が進められ、山林の乱開発、景観の破壊、土砂災害や飲み水への影響などが心配され、計画の変更、中止の要望が出されています。
再生可能エネルギーは、環境や地域住民の合意と地産地消を進め、地元企業が優先して参入できる仕組みが必要です。今進んでいる多くが大手企業や海外資本もあり、20年以上先の施設の維持管理にどう責任を持つのかが問われています。再生可能エネルギーの推進には、環境への配慮や住民合意などの規制やルールが必要です。
住民合意を踏まえた再生可能エネルギー事業を推進するため、県独自のルールが必要だと思いますが、県の考えをお聞きします。
再生可能エネルギー事業への地元企業の参入について、どのように推進していくのか、県の考えをお聞きします。
県は福島新エネ社会構想で水素の製造、貯蔵、運搬、活用の推進を掲げています。水素は地球上に単体では存在せず、水素の生成に当たっては、化石燃料からつくることや水の電気分解でつくりますが、どちらも効率的ではないと言われています。水素の活用はいまだ限定的であり、貯蔵、運搬も含めてエネルギーのロスが大きく、いまだ実用的ではありません。
県は、燃料電池車の購入、商用水素ステーションの設置などに多額の補助金投入を行います。また、浪江町には水素製造拠点を整備します。その一方で、帰還困難地域を除き、仮設、借り上げ住宅の供与中止などを進めては、県民理解が得られるとは思えません。
水素ステーションや燃料電池自動車への補助制度は見直すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
再生可能エネルギーでつくった電気の送電線への接続についてです。
一昨年、福島県内で風力発電を検討していた再生可能エネルギー事業者が東北電力から「送電線があいていないため変電所と高圧電線の増強費用として20億円を負担しなければ接続できない。」と言われ、事業を断念したことがあります。
主要幹線では、大手電力事業者は他の送電線が停電した場合や火力発電や原子力発電など将来の需要を考慮してあきを確保していると言われています。再生エネルギーの電気は優先的に接続を行うべきです。東北電力の系統接続問題にどのように対応していくのか、県の考えをお聞きします。
農林水産業についてです。
震災と原発事故は、県内の農業、漁業、産業に甚大な被害を及ぼしました。実害、風評被害により、いまだに県内の農産物産出額、林業産出額、漁業生産額は回復していません。原発事故で打撃を受けた本県の農林水産業の発展には、県が本腰を入れた支援の継続が求められます。
特に農業分野では、38%にまで低下した食料自給率を引き上げ、本格的に農業を再生する農政に転換するために小規模・家族農業の支援が不可欠です。国連は来年からの10年間を「家族経営の10年」と指定し、小規模・家族経営の重要な役割を認識、支援することを呼びかけています。大規模化、集約化ではなく、日本の地域性や風土に合った小規模・家族経営こそ農業の再生には不可欠です。
原発事故からの本県農業の再生に向け、小規模な農業経営への支援を行うべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
政府は日EU・EPA、TPP11の調印、批准を強行し、TPP以上の譲歩を重ねようとしています。国は米農家の収入の一部になっていた米直接支払交付金も廃止し、米の安定供給に対する責任も放棄しています。国民の9割は、国産の食料をと願っています。日EU・EPAやTPP11による本県農業への影響を試算し、必要な対策をとるべきです。
県はTPP11及び日EU・EPAによる本県農林水産業への影響額をどのように試算しているのかお聞きします。
米の全量全袋検査が福島県産の安全・安心はもちろん、その他の福島産の農産品の安全や風評払拭に役立ってきたことは誰もが異論のないところです。自家保有米も含め、米の全量全袋検査を継続すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
イノシシの捕獲では、県民からは「被害が減っていない」との声が上がっています。県は直接捕獲の目標を6,800頭に引き上げ、微生物による分解処理や解体、運搬、焼却などの処分方法を進めますが、5年間で約10分の1となる安定生息の5,200頭まで減らすとするイノシシ管理計画が実情に合っているのかの検証が必要ではないでしょうか。イノシシ管理計画を見直すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
雇用、働き方改革についてです。
政府が進める働き方改革とは、高度プロフェッショナル制度と称して、一定の年収のある労働者の残業代をゼロにして労働時間規制もなくします。残業時間規制では、残業の上限、月45時間は原則にすぎず、繁忙期には月100時間という過労死水準の残業を認めるものとなっています。
残業は週15時間、月45時間、年360時間までという大臣告示を法制化すべきです。電通の高橋まつりさんの過労死自殺という痛ましい事件を再び繰り返してはなりません。
今国会で成立を狙う働き方改革関連法案は、裁量労働制について、一般労働者より労働時間が短くなると説明していましたが、データ捏造だったことが明らかになりました。安倍首相は発言を撤回し謝罪しました。法案の前提が崩れたわけで、今国会での成立を断念すべきです。
県は政府が進める残業代ゼロや過労死ラインの長時間労働を容認する働き方改革関連法案への反対の立場を明確にするべきと思いますが、考えをお聞きします。
四月から無期転換ルールが実施され、有期雇用で働く労働者が通算五年を超えると期間の定めのない無期雇用に転換されます。しかし、その実施を前に雇用契約を終了する、また6カ月間の空白期間を設けて通算契約期間に算入しないなどの脱法行為が問題になっています。そうした脱法行為を許さず、希望する有期雇用労働者を無期雇用に転換することが必要です。
県立医科大学及び会津大学において、雇用期間が通算5年となる有期雇用職員数及び平成30年度に無期転換申し込みが見込まれる人数についてお聞きします。
県は無期転換ルールが県内の多くの有期契約労働者に適用されるよう労働者及び企業に周知徹底すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
全国で外国人労働者の労災事故が多発しています。この3年間で死亡事故は22人、労災対象の4日以上の休業は475件と報道されています。労災死亡率が日本の労働者の死亡率を大きく上回っています。実習の名のもと、危険で苛酷な労働を強いられ、労災隠しも指摘され、実際にはさらに多い可能性もあると言われています。
県は外国人技能実習生を含めた県内労働者の労働環境の改善に向けどのように取り組んでいくのかお聞きします。
小名浜港の整備についてです。
小名浜東港は、石炭ガス化複合発電所IGCCで使用する石炭の扱い量の増加を見込んで整備が進められていますが、石炭火発は脱炭素の世界の流れに反し、県民に将来的な負担を押しつけることになりかねず、IGCC推進の立場からの転換とそのための東港の整備は見直すべきです。
石炭ガス化複合発電所は、既存の石炭火発に比べ二酸化炭素排出量が15%程度少ないとはいえ、大量に排出されることには変わりがありません。東港の整備では、石炭取扱量の増加に伴う新たな岸壁の整備、しゅんせつなどで全体事業費953億円にさらに384億円の事業費の積み増しを行います。
石炭取扱量の増加を見込んだ小名浜港東港地区の整備計画は見直すべきと思いますが、県の考えをお聞きします。
小名浜東港整備の一方で、既存埠頭の整備や労働者の安全対策がおくれていると現場の労働者から指摘されている5、6号埠頭の照明器具の設置や大型商業施設の開業に伴う交通量の増加に対応した貨物車両用道路の確保など安全対策を急ぐべきです。
小名浜港における労働者の安全確保のため、5、6号埠頭の照明や貨物車両用道路の整備が必要と思いますが、県の考えをお聞きします。
漁港の維持管理についてです。
東日本大震災、原発事故は福島県の漁業に甚大な被害を及ぼしました。原発事故から7年になる今でさえ本格操業ができず、試験操業のままです。「常磐もの」と言われる福島いわき沖の魚介類の市場への流通が待たれます。そのためには、漁業者の努力を応援し、漁港としての港の整備を進めなければなりません。
漁業者からも出されている要望の実現を急ぐべきです。その一つは、漁港内に堆積した土砂のしゅんせつです。勿来漁港などは堆積した土砂のために迂回をしなければならず、危険な状態です。
もう一つは防舷材です。防舷材とは、漁船が岸壁に接岸したときに衝撃を和らげるゴム製のクッション材ですが、漁船の変更などにより十分機能しない箇所も指摘されています。本格操業への期待が高まる中、漁港の維持管理を着実に進めることが必要です。
県は、安全な漁業活動のため、漁港の維持管理にどのように取り組んでいくのかお聞きします。
最後に、警察行政についてです。
県警の災害対策課内で昨年に続き、上司による部下へのパワハラ行為が明らかになりました。部下への暴行、訓練や試験不合格の罰として詩を書かせて発表させる、写真を張り出すなどが行われました。「悪ふざけだった」と話していますが、とんでもないことです。
2014年にはパワハラが原因で自殺する事態もあったわけです。パワハラは犯罪であり、DV、ストーカー被害が多発する中、悪ふざけとは余りにも非常識な認識と言わざるを得ません。
また、問題は、当事者以外にも知っている人がいたにもかかわらず、誰も言い出せないということでした。現職警察官の犯罪や不祥事が依然として後を絶たず、国民の警察への不信が広がっています。真面目に働いている警察官がいる一方、警察官による犯罪は警察行政への信頼を失墜させます。国民の奉仕者としてのあり方が厳しく問われています。県民の信頼回復の取り組みが求められます。
県警察は、職員によるパワーハラスメント根絶のため、どのように取り組んでいくのかお聞きいたします。
以上で質問を終わります。
議長(吉田栄光君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)吉田議員の御質問にお答えいたします。
憲法9条の改定につきましては、我が国の防衛、安全保障政策に大きなかかわりがあることから、国会において慎重かつ十分な議論がなされるべきであると考えております。
次に、核兵器廃絶についてであります。
平成12年7月に県議会において決議されました非核平和福島県宣言にもありますように、核兵器の廃絶は福島県民全ての願いであります。国においては、核兵器のない社会と恒久平和の実現が図られるよう議論を深めていくべきと考えております。
次に、東京電力会長の発言についてであります。
東京電力に対しては、これまでも県民の安全・安心を第一とする社内風土を確立し、甚大な被害をもたらした事業者としての責任を全うするよう求めてきたところであります。
福島県として東京電力に求めることは、安全かつ着実な廃炉作業、福島第二原発の廃炉、的確かつ迅速な損害賠償に責任を持って取り組むことであり、これらの実施を引き続き強く求めてまいる考えであります。
次に、エネルギー基本計画につきましては、エネルギー政策は東京電力福島第一原発事故の現状と教訓を踏まえ、何よりも住民の安全・安心の確保を最優先に国の責任において検討されるべきものと考えております。
県といたしましては、引き続き国及び東京電力に対し、県民の強い思いである県内原発の全基廃炉を求めていくとともに、再生可能エネルギーの飛躍的推進を図り、本県復興の基本理念である原子力に依存しない社会づくりの実現に取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁させますので、御了承願います。
総務部長(伊藤泰夫君)お答えいたします。
公立大学法人における有期雇用職員数につきましては、この3月末に通算雇用期間が5年となる人数が2月1日現在の見込みで県立医科大学が244人、会津大学が23人となっております。
また、平成30年度に無期転換申し込みが見込まれる有期雇用職員数については、県立医科大学がおよそ180人、会津大学が10数人となっております。
危機管理部長(小野和彦君)お答えいたします。
県内の常時観測火山につきましては、仙台管区気象台が24時間体制で遠隔監視しておりますが、国では今回の草津白根山の噴火を受けて観測体制を見直す方針を示したところであります。
県といたしましては、過去の噴火履歴や利用者の実態などの地域の実情を踏まえ、利用者の安全につながるような見直しとなるよう、火山防災協議会などの場を通じて必要な意見を申し上げてまいる考えであります。
次に、トリチウム水につきましては、中長期ロードマップにおいて地元関係者の理解を得ながら対策を実施するとされており、現在国の小委員会で社会的影響も踏まえた議論が進められているところであります。
県といたしましては、環境や風評への影響などを県民に丁寧に説明し、理解を得ながら慎重に議論を進めるよう、引き続き国及び東京電力に求めてまいります。
次に、原発労働者の健康管理につきましては、労働安全衛生法に基づく一般健康診断や電離放射線障害防止規則に基づく特殊健康診断に加え、福島第一原発においては、国が無料の健康相談窓口を設置するなど独自の取り組みが行われております。
県といたしましては、廃炉安全監視協議会の労働者安全衛生対策部会等を通じて、国に対し事業者への指導監督を徹底するよう求めているところです。
企画調整部長(櫻井泰典君)お答えいたします。
福島第二原発の廃炉につきましては、これまで国及び東京電力に対し繰り返し求めてきており、本年1月の東京電力会長及び社長との面談時や今月18日に開催された福島復興再生協議会の場においても、経済産業大臣等に対し、改めて知事から直接求めたところであります。
引き続き、県民の強い思いである県内原発全基廃炉の実現に向け、あらゆる機会を捉えて求めてまいる考えであります。
次に、再生可能エネルギー事業の推進につきましては、規模の大小にかかわらず、地元の理解のもと、関係法令や国の事業計画策定ガイドラインや環境影響評価の手続等に基づき、適正になされるべきものと認識しております。
事業者に対しては、事業計画について住民へ丁寧な説明を行い、環境対策や災害対策等について十分な理解を得るよう奨励、助言し、地域と共存する再生可能エネルギー事業を推進してまいる考えであります。
次に、再生可能エネルギー事業への地元企業の参入につきましては、地域が主役となった事業化を促進し、地域の活性化につなげていく観点から重要であると考えております。
このため、発電事業への補助制度において地元から一定の出資等を求める仕組みづくりや事業化支援セミナーの開催など地元企業等が参入しやすい環境を整備しながら、地域主導の再生可能エネルギーのさらなる推進に取り組んでまいる考えであります。
次に、水素ステーションや燃料電池自動車への補助につきましては、環境負荷の軽減や産業振興、地域活性化につながるとともに、水素社会実現のためのモデル構築に積極的に取り組んでいくことが再生可能エネルギーの導入拡大と本県の復興を推進する上で重要と考えており、今後とも市町村等と連携しながら水素エネルギーの利用拡大に取り組んでまいる考えであります。
次に、東北電力の系統接続問題につきましては、これまで国等に対して事業化の見込みのない接続予約を解消する対策等を求めてきた結果、改正法に基づく対応が行われたほか、阿武隈地域等における送電線の整備に対して本県向けの補助制度が設けられたところです。
昨年10月には、新潟県、山形県と共同で国に系統接続対策の強化を求める要望を行っており、引き続き円滑な系統接続が実現するよう取り組んでまいります。
生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。
除去土壌の再生利用実証事業につきましては、放射能濃度が低い土壌の再生資材化に関し、安全性の確認や具体的な管理方法を検証することを目的に行われているものであり、実施に当たっては、事業の目的や安全性を理解していただくことが重要であることから、国に対して地元に丁寧な説明を行いながら進めるよう求めているところであります。
次に、大熊町における除染事業につきましては、環境省によれば、施工に必要な費用を積算基準に基づき積み上げて予定価格を設定した後、法令に従い競争入札を行うことにより適切に発注されております。
また、事業は契約書記載の工期内に完成し、適正に検査され、竣工しております。
次に、除染事業における事業者への指導監督の強化につきましては、国は有識者等による除染適正化推進委員会において事業の実施状況や施工管理体制等の報告を公開の場で定期的に聴取し、不適切な対応が見られる場合には、指導監督体制の強化を含め、改善策を協議し、その意見を踏まえて事業者への指導を行っております。
県といたしましては、引き続き事業者への適切な指導を国に求めてまいります。
次に、地域の実情に応じた交通体系の確立につきましては、これまでも路線バスやデマンド型乗り合いタクシーを運行している事業者や市町村に対し補助を行ってきたところであります。
市町村では、運転免許返納者への対応など新たな課題も抱えていることから、新年度においては、既存の県単独の補助制度を有効に活用するとともに、新たに地域の実情に応じ、一般タクシーを活用して高齢者等の交通弱者対策に取り組む市町村を支援してまいります。
次に、イノシシ管理計画につきましては、今年度末までの3年間で当初計画を上回り捕獲を進めておりますが、いまだにイノシシの目撃情報などが多く寄せられていることから、新年度においては、専門家の助言を得ながら、これまでの捕獲実績や生息情報、定点カメラの観測結果に基づく経年変化等を分析、検証した上で、新たな計画を1年前倒しして策定し、引き続きイノシシの被害の防止に取り組んでまいります。
保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。
生活保護費につきましては、国の社会保障審議会生活保護基準部会における検証結果を踏まえ、一般低所得世帯の消費実態との乖離部分を調整するとともに、近年の物価動向や地方の意見を勘案した見直しが行われているところであり、適切に生活保護基準が定められるものと認識しております。
次に、社会保障費につきましては、医療費や介護保険等の分野で県民にとって過度な負担や急激な変化とならないよう、これまで国に対して十分な配慮を求めてきたところであります。
今後とも国の動向を注視しつつ、全国知事会や他団体との連携を図りながら国に対して要望してまいります。
次に、県立医科大学医学部の入学定員につきましては、震災前からの医師不足に加え、原子力災害の影響により医師の県外流出が進むなど深刻な状況が続いている本県において、現在の入学定員を維持し、県内での養成と定着を図っていくことが重要であることから、引き続き国に対し、臨時的措置とされている医学部入学定員増の恒久化を強く求めてまいります。
次に、看護職員需給計画につきましては、学識経験者や県看護協会等の関係団体から成る検討会を設置し、現計画の実績に関する評価を行っているほか、現在次期計画について医療機関や介護保険施設等を対象に需給調査を行い、実情をしっかりと目標値等に反映するとともに、看護業務推進連絡会を通して現場の看護職員と直接意見を交換しながら策定を進めているところであります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
福島ロボットテストフィールドの利用見込みにつきましては、これまで浜通りロボット実証区域の取り組みにおいて企業や団体により100件を超える実証試験等の実績があるほか、昨年11月に協定を締結した新エネルギー・産業技術総合開発機構が進める実証プロジェクトでは、ドローンの安全性能試験や無人航空機の通信実験等、さまざまな実証試験が実施され、今月成果報告会が開催されるなど、地元の機運醸成も進んでいるところであり、引き続き利活用の促進に取り組んでまいります。
次に、福島ロボットテストフィールドの運営費につきましては、平成28年1月に県と国との間で施設の整備・運営等に関する協定を締結しており、国は安定的な運営が可能となるまでの当分の間、必要な運営費の確保に努めることとなっております。
今後も施設の安定的かつ円滑な運営に向けて着実に準備を進めるとともに、必要な運営費の確保について引き続き国に要望してまいる考えであります。
次に、医療-産業トランスレーショナルリサーチセンターの運営費につきましては、国からの補助金を原資とした基金により平成32年度まで財源を確保しているところであり、今後は企業からの受託研究等、同センターの収入状況を踏まえ、国や県立医科大学と協議しながら安定的な運営費の確保に努めてまいります。
次に、働き方改革関連法案につきましては、昨年3月に国の働き方改革実現会議において決定された働き方改革実行計画に基づき策定された法案であり、今後の動きを注視してまいりたいと考えております。
次に、無期転換ルールにつきましては、これまでも福島労働局と連携して商工団体や市町村等に対し制度を周知してまいりました。
本年4月から有期契約労働者による無期労働契約への申し込みが可能となることから、福島労働局においては今月緊急相談ダイヤルを開設したところであり、県においても市町村に対し改めて制度を周知いたしました。
今後も国や関係機関と連携しながら一層の周知及び啓発に努めてまいります。
次に、労働環境の改善につきましては、国がその権限に基づき、必要な調査及び指導監督を行うこととされております。
県といたしましては、国と連携し、企業等に対し労働関係法令等の周知及び啓発に努め、働きやすい職場環境づくりを進めてまいる考えであります。
農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。
木質バイオマス発電所における樹皮の使用につきましては、木材の需要拡大につながることから、引き続き発電事業者等に対する放射性物質濃度の測定、焼却灰の適切な処理など安全管理の徹底した指導、地元自治体と連携した住民へのわかりやすい説明を行ってまいります。
次に、小規模な農業経営につきましては、本県の農業経営体の4割強が1ヘクタール未満の規模であり、持続的な地域農業に大きな役割を果たしております。
引き続き地域の特色を生かした収益性の高い園芸、地域産業六次化、地域の共同活動、集落営農等について支援してまいります。
次に、TPP11等による本県農林水産業への影響額につきましては、国の手法に準じて計算すると、TPP11で9.5億円から15.8億円、日EU・EPAで10.1億円から20.1億円、それぞれ生産額が減少すると試算されます。
次に、米の全量全袋検査につきましては、消費者、農業者、流通関係者等から幅広く意見を聞きながら検討し、先月に開催した検討会において方向性素案をお示ししたところであり、引き続きさまざまな御意見を踏まえながら本年度内に結論を出す考えであります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
トンネルや橋梁の長寿命化対策につきましては、施設の損傷度合いを把握するため、定期点検を計画的に進めており、平成30年度には一巡する予定であります。
今後は、点検の評価結果を踏まえ、施設全体の優先順位を考慮するとともに、予防保全の考え方を取り入れた福島県道路長寿命化計画に基づき、効率的かつ効果的な対策を着実に実施し、施設の長寿命化に取り組んでまいる考えであります。
次に、復興公営住宅における収入超過者の家賃につきましては、収入に応じて割り増しされますが、建設費の上昇など震災特有の事由によりその割り増し額が高くなることは避けるべきことや避難者の生活再建を支援する観点から、収入超過者の割り増し家賃の軽減措置を講じてまいる考えであります。
次に、復興公営住宅における特別家賃低減事業の期間延長につきましては、収入が著しく低い入居者に対して県独自の減免制度で対応できることから、入居時の説明会や毎年の家賃決定通知において制度の説明を丁寧に行っているところであります。
次に、市町村における特別家賃低減事業の期間延長につきましては、その必要性や方法は事業主体である市町村がみずから判断するものであり、適切な判断が下せるよう、県といたしましては独自の減免制度により対応することや県内市町村の対応状況について情報提供等の支援を行っているところであります。
次に、小名浜港東港地区につきましては、船舶の大型化や取扱貨物量の増加に対応するため、国際バルク戦略港湾として物流機能の強化を図るものであり、地域産業やエネルギー供給を支える拠点となるよう、引き続き改訂した港湾計画に基づき、国と連携を図りながら整備してまいる考えであります。
次に、小名浜港における労働者の安全確保につきましては、夜間の荷役作業が行われている5、6号埠頭に新たに照明施設を設置することや、大型商業施設の開業により交通量増加が見込まれる臨港道路において貨物車両の通行に支障とならないよう、交通管理者等と協議の上、一般車両を誘導する路面標示や案内標識などの対策を行ってまいります。
次に、漁港の維持管理につきましては、定期的なパトロール等により現地の状況を把握し、漁業活動に支障とならないよう、航路、泊地のしゅんせつや防舷材等の修繕を行っております。
今後とも漁業者の意見を十分に踏まえ、安全な漁業活動の確保に向け、良好な漁港施設の維持管理に努めてまいります。
避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。
楢葉町からの避難者への応急仮設住宅の供与期間につきましては、新たな住まいへ移行する環境がおおむね整うことから、来月末までとしているところです。
現在実施している戸別訪問などにより、大部分の避難者においては4月以降の住まいの確保の見通しが立っている状況ではありますが、いまだに課題を抱えている避難者もいることから、引き続き避難者の生活再建を支援してまいります。
次に、平成31年3月に供与が終了する応急仮設住宅につきましては、応急救助という災害救助法の考え方から、復興公営住宅の整備状況や市町村の意向等を踏まえ、終了時期を決定したところです。
今後入居者への戸別訪問等を通じて、国や関係自治体等と連携を図りながら、一日も早い生活再建につながるようしっかりと取り組んでまいります。
こども未来局長(須藤浩光君)お答えいたします。
子供の貧困対策につきましては、ふくしま新生子ども夢プランを改定し、子供の貧困対策計画として位置づけており、関係課長会議において施策を構築しながら、全庁的組織である子育て支援推進本部において部局横断的に推進しているところであります。
次に、子ども食堂の運営に取り組む民間団体への財政支援につきましては、既存の子ども食堂が地域の実情に応じて各地域の社会資源を活用しながら多様な形態で運営していることから、ふくしま子ども食堂ネットワークと連携し、運営のノウハウ等の提供を行っております。
加えて新年度からは、子ども食堂などの子供の居場所を新設する団体へは負担の大きい開設費用を補助してまいります。
次に、子どもの生活・学習支援事業につきましては、ひとり親家庭の子供の居場所をつくり、生活習慣や学習習慣の定着を支援するモデル事業として実施してまいりました。
子供の居場所は、子供にとって身近な地域で利用できることが重要であるため、今後は事業を実施する市町村を県が支援することで県内各地に子供の居場所ができるよう継続して支援してまいります。
教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。
家庭学習スタンダードにつきましては、子供に身につけてほしい習慣や心の支えとなる家庭のかかわり方などを示したものであり、確かな学力を育む上で重要な取り組みであることから、家庭や地域と連携し、積極的に活用してまいります。
次に、公立小中学校の正規教員につきましては、いわゆる標準法により、その定数が決定されるものでありますが、本県では全国に先駆けて30人学級及び30人程度学級を導入してきたところであります。
今後とも児童生徒数の推移や退職予定者数の動向等を見きわめながら、正規教員を増員できるよう努めてまいる考えであります。
次に、公立中学校の運動部活動につきましては、このたび策定した教職員多忙化解消アクションプランにおいて、休養日を平日は週1日以上、土日も週1日以上、また活動時間の上限を平日は2時間、休日は3時間と設定し、あわせて県立高等学校についても本県独自に基準を設けたところであります。
今後は、生徒や教職員はもとより、保護者等に対しても休養日等の基準を周知し、運動部活動が適切に実施されるよう取り組んでまいります。
次に、県立特別支援学校の通学バスにつきましては、乗車に課題のある児童生徒もいることから、保護者の意向等を踏まえながら一人一人に必要な支援内容を確認するなど、安全の確保に努めております。
引き続き車内の指導や乗りおりの介助などを行う添乗員や介助員を配置するとともに、保護者やバス会社、学校等の関係者の十分な共通理解を図り、児童生徒が落ちついて安全に乗車できるよう努めてまいります。
次に、県立高等学校改革につきましては、昨年11月に公表した基本計画の素案において、一定の集団規模を確保しつつ、目の行き届いたきめ細かな指導が可能となるよう、望ましい学校規模を1学年当たり4から6学級とし、3学級以下の学校は魅力化を図りながら統合を推進することといたしました。
一方で、過疎・中山間地域においては、通学可能な高等学校がほかにないなどの条件を考慮し、1学年当たり1学級規模の本校とする措置などを例外的に実施することとしたところであります。
今後は、教育公聴会やパブリックコメントでいただいた御意見等を踏まえ、さらに検討を進め、基本計画を策定してまいります。
警察本部長(松本裕之君)お答えいたします。
パワーハラスメント根絶の取り組みにつきましては、職員への指導教養のほか、相談窓口の充実、職員の身上指導などの対策を講じてきたところであります。
また、災害対策課においてパワーハラスメント事案が相次いで発生したことを踏まえ、人的管理の面から災害対策課の体制を見直すなどの対策を進めております。
引き続きパワーハラスメント防止のため、指導教養の徹底、相談窓口のさらなる周知のほか、職員が業務に専念できる風通しのよい職場環境づくりに取り組んでまいる考えであります。
13番(吉田英策君)再質問をさせていただきます。
まず、知事にお伺いいたします。憲法九条の改定についてです。
知事は、日本の防衛において、そして今国会において議論されているとお答えになられました。今国で行われている議論は、9条に第3項を設ける、自衛隊を明記すると。そうしますと、1項、2項よりも3項の自衛隊が優先されるというのは法の考え方だそうであります。
そうしますと、自衛隊が軍隊として海外での武力行使も可能になるということであります。そうしますと、今まで人命救助に力を尽くしてきた自衛隊の方々が海外での武力行使に参加する、命を落とす危険もある、そこには県民も含まれるということにもなるわけです。
公務員の憲法遵守義務というのがありますけれども、やはり首相を先頭にして憲法を守っていくという姿勢が今本当に大事になっているなというふうに思います。福島県は地方自治体でありますから、県の知事の意見もしっかりとここでは国にもおっしゃっていただきたいなというふうに思います。
安倍首相はこの間、秘密保護法を制定する、安保法制を制定する、共謀罪を制定して国民の権利を縮小させる方向で憲法改定に一路突き進むという、そういう姿勢を持っているわけで、やはりここでは憲法改定、私たちは改悪と言いますが、それを許さない、そういう立場を知事も明確にしていただきたいなというふうに思います。もう一度知事に、憲法改定に反対する、そこを明確に御答弁をいただきたいと思います。
もう一つ、知事に東京電力の会長の発言に対して明確に抗議と撤回を求めていただきたいと思うのです。知事も議会も第二原発の廃炉については一致して、これは知事も本当に先頭に立って東京電力に求めていると。ただ、この事故後7年余りの原発をめぐる動きというのは、国は再稼働させようと。原発をつくっている会社、特に日立はこれを海外にまで輸出をすると。原発事業を復活させる動きが、私たち県民の原発に頼らない社会づくり、その一方でそういう原発推進がどんどんどんどん進んできているというのがこの7年間の動きではないのかなというふうに思っています。
そういう中で、東電の川村会長が柏崎刈羽や福島第二原発を残しておく必要があるということが出てきているわけで、これは私たち県民の思いや願いをじゅうりんする許せない発言だなというふうに思っています。県の最高責任者である知事が明確に抗議と撤回を川村東電会長に伝えるということが第二原発廃炉を求めていく上でも本当に大事になっているなと思うのです。改めてこの撤回を求めていただきたいと思っています。
次に、こども未来局長に再質問をさせていただきたいと思います。
今子供の貧困は本当に深刻な状況になっています。私も演説で、子供の貧困というのは子供だけにとどまらない、親の世帯、家族の支援というのが本当に大事になっているわけです。ですから、雇用や労働や生活保護のそうした行政まで本当に幅広い支援というのが世帯へ必要だというふうに思っています。
そういう意味では、部局横断でどこの事案にも対応できる、そういう組織が必要になっていると思っているところです。ですから、こども未来局に行けば全てが解決する、そういうような部局横断的、総合的な支援体制を構築していくことが必要だと思いますので、こども未来局長の御答弁をまたよろしくお願いしたいと思います。
知事(内堀雅雄君)吉田議員の再質問にお答えいたします。
憲法9条の改定につきましては、我が国の防衛、安全保障政策にとって極めて重要な問題であり、国会において慎重かつ十分な議論がなされるべきであると考えております。
次に、県内原発の全基廃炉につきましては、県民の強い思いであります。福島県知事として私が先頭に立ち、強く訴えてまいります。
こども未来局長(須藤浩光君)再質問にお答えいたします。
子供の貧困対策につきましては、平成27年度に子供の貧困対策計画として改定いたしましたふくしま新生子ども夢プランに基づきまして、こども未来局を中心に各部局が横断的に連携し、総合的に取り組んでいるところでございます。
13番(吉田英策君)再々質問をさせていただきたいと思います。
こども未来局長にですけれども、子ども食堂の支援について、来年度から立ち上げた団体には支援をするということなのですけれども、子ども食堂の支援というのは本当に大事なことで、子供の居場所づくりのためには必要で、その運営に対してもきちんと支援をするべきだなというふうに思います。運営費、そして食材に対しても支援をする必要があるなというふうに思います。
そうしますと、新たに立ち上げただけでは、今まで頑張って運営をしていた団体への直接的な支援ということにはならないわけで、やはり新設、既設を問わず必要な支援をする必要があるというふうに思っています。子供の居場所づくり、貧困対策に大いに役立つ子ども食堂への支援、もう一度御答弁をお願いしたいと思います。
あと、子ども生活・学習支援事業についてです。
これは市町村への移行ということで、実質的に打ち切られるということになってしまいます。この事業費、年間五百万円という規模にはなりますけれども、全体の予算から見れば、これは必要な事業になっているのではないかなというふうに私は思っています。
ひとり親家庭を支援する、子供が安心して成長できる、そういう支援になるわけですから、子ども生活・学習支援事業、引き受ける市町村がなければ、引き続き県での支援というのが必要なのではないかと思いますが、もう一度御答弁をお願いしたいというふうに思います。
あと、教育長に教員の多忙化解消についてお聞きします。
私は演説の中で、県教育委員会が出したアクションプランではなかなか大変なのではないかと、要するに具体的な中身が必要なのではないかというふうに思っているところです。
県はこれから小学校4年生から中学校2年生までの学力テストを行います。そして、英語教育も導入します。ですから、実務量は実質的に大きくふえるわけです。ですから、残業を抑えましょう、抑えましょうだけでは多忙化の解消にはならないというふうに思います。
実質的には、教員数を大幅にふやしていく、教員が抱える業務量を減らしていく、そういう具体的なことが必要ではないか、そして私たちは、全学年での30人学級に踏み出してこそ、ゆとりの教育ができるし、教員の多忙化を解消できるというふうに思いますので、その点での御答弁をお願いしたいと思います。
農林水産部長に質問をいたします。
全量全袋検査の継続についてです。今年度中に結論を出すということですけれども、この制度が福島の農産物の安全・安心のために役立ってきたというのは本当に誰もが認めるところです。
まだまだ放射能による実害、風評がある中で、この制度を継続させることが県産品の安心につながるというふうに思っています。生産者の負担ということがこの間言われてまいりました。それだったら、そこへの支援を行って制度を継続させるというのが必要なことではないでしょうか。そして、そのかかった費用については当然東京電力にも請求をしていくということが求められるのではないかと思います。全量全袋検査の継続についてもう一度御答弁をお願いしたいと思います。
そして、小規模農家の育成というのは本当に日本の風土に合った支援になると思います。米の直接支払交付金の廃止で、私の知り合いの農家の方は年間70万円の収入の減少になるとまで言っているわけです。ですから、こうした国の制度が廃止するもとで、県の農業育成のために小規模農家育成の具体的な施策を求めたいと思うのですけれども、この点での御答弁をお願いしたいと思います。
農林水産部長(佐竹 浩君)再質問にお答えいたします。
米の全量全袋検査につきましては、昨年7月から具体的な検討を進めてまいりました。消費者アンケート、生産者への意見聴取、地域別の意見交換会、また流通関係事業者からの意見聴取、さまざまな御意見をいただいて、現在その方向性について検討を進めているところでございます。年度内には結論を出してまいりたいと考えております。
次に、小規模な農業経営に対する支援ということでございます。
先ほど御答弁申し上げたとおり、持続的な地域農業に非常に大きな役割を果たしている農業経営者でございます。地域の特色を生かしたさまざまな農業経営が実現できるよう支援してまいるとともに、31年度からスタートいたします農業経営収入保険制度の円滑な運営について国にしっかり求めてまいります。
こども未来局長(須藤浩光君)再質問にお答えいたします。
子ども食堂を継続的に運営していくためには、それぞれの団体の実情に応じまして、地域の社会福祉協議会でありますとか企業、ボランティアの方々などの御支援など、さまざまな資源を有効に活用していくことが大事であると考えております。
私どもとしましては、子ども食堂ネットワークと連携しながら運営のノウハウの蓄積を図れるよう支援してまいるとともに、運営上の大きな負担となる開設費用を支援してまいることといたしました。
次に、ひとり親世帯の支援としての子ども生活・学習支援事業につきましては、県のモデル事業の成果を踏まえまして、来年度からは子供に身近な市町村事業として展開することとしておりまして、事業を実施する市町村をしっかりと支援してまいります。
教育長(鈴木淳一君)再質問にお答えいたします。
学力向上も多忙化解消も両方とも大切な取り組みだと思っております。両方とも頑張る学校応援プランにも位置づけておりまして、しっかり取り組んでまいりますが、多忙化解消につきましては、今回アクションプランの中に部活動の休養日、それから上限時間、それから小学校においてはスクールサポートスタッフ、あるいは中学校においては部活動指導員ということで、具体の取り組みもいろいろ取り入れたところでございますので、今後とも学力向上、多忙化解消、両方にしっかり取り組んでまいりたいと思います。