2018年2月定例会 一般質問 水野さちこ議員
議員 | 水野さちこ |
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所属会派 (質問日現在) | 民進党・県民連合 |
定例会 | 平成30年2月 |
質問等 | 一般質問 |
質問日 | 3月2日(金曜日) |
22番(水野さちこ君)民進党・県民連合議員会、水野さちこです。通告 に従い質問いたします。
総務省が1月に公表した2017年人口移動報告によれば、東京一極集中が加速し、40道府県において転出者が転入者を上回る転出超過となりました。
本県についても転出超過が続いており、転出超過数は震災前の2010年は5,752人であり、この3年を見ますと2015年は2,395人、2016年は5,839人、2017年は8,395人と人口減少に歯どめがかからない厳しい状況にあります。
また、県外への転出者を年代別に見ると、10代後半から20代の若い世代が5割近くを占めております。生き生きとした福島をつくり、これを未来につなげていくためには、将来を担う若い世代が安心して暮らせる環境をつくり、転出超過を小さくしていくことが重要であると考えます。
そこで、本県の現状を踏まえ、人口減少対策にどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお尋ねいたします。
次に、ワーク・ライフ・バランスについてです。
少子高齢化に伴う労働力人口の減少などの社会情勢の変化により、多くの業種で人手不足が続いております。
そうした中、県内企業が人材を確保するためには、ワーク・ライフ・バランスの推進により男性、女性がともに働きやすい職場環境を提供していくことが重要であり、それが従業員の定着につながり、企業の生産性の向上や企業価値の向上につながっていくと思います。
県においては、こうしたワーク・ライフ・バランスを推進している企業を認証する次世代育成支援企業認証制度があり、現在482社が認証されており、こうした企業をふやしていくことで働きやすい職場環境づくりが進み、県民一人一人が活躍できる社会の実現につながっていくと考えます。
そこで、県はワーク・ライフ・バランスの推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、県内の工業団地の現状と今後の企業誘致についてです。
県が整備を進め、今月完成予定のいわき四倉中核工業団地第2期区域は、現在複数の引き合いがあるなど、県内の工業団地は分譲が進んでおりますが、2020年度限りで県営工業団地造成事業を廃止の方向で検討しており、今後経済効果を県内全域に波及し、復興を進めていくためには、県内それぞれの地域においても中核となる企業の立地が求められております。
本県産業の振興、雇用の創出の観点から、県内の工業団地の現状を踏まえ、今後の企業誘致についてさらなる取り組みの強化が重要であると考えます。
そこで、県は県内の工業団地の現状を踏まえ、企業誘致にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、広域幹線バス路線の維持確保についてです。
地域における生活バス路線は、通学、通勤、通院など住民の足として極めて重要な役割を果たしておりますが、人口減少や少子化、マイカーの利用の進展に伴い、利用者数は年々減少の一途をたどっており、交通事業者の自助努力だけでは公共交通の維持は厳しい状況となっております。
こうした現状を踏まえ、今後地域において、行政や住民、交通事業者が一堂に会し、利活用対策や公共交通の再編プランを盛り込んだ地域公共交通網形成計画や再編後の運行の経路、運行の回数、運賃体系等を記載する公共交通再編実施計画を策定することにより、持続可能な地域の公共交通を維持確保していく必要があります。
本県においては、広域幹線バスについて、応急仮設住宅を経由する場合、被災地特例として要件が緩和されるなど、現在は国、県の補助が手厚くなっていますが、平成32年9月には終了する予定となっており、今後路線の見直し等に取り組まなければ、終了後の持続的な運行が厳しい路線も出てくることとなります。
そこで、県は広域幹線バス路線の維持確保に向け、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、持続可能なまちづくり、地域づくりについてです。
県内の商店街では震災、原子力災害の影響とともに、経営者の高齢化や後継者不足、空き店舗の増加などにより、まちのにぎわいを取り戻すことが課題となっています。
県が平成29年6月に行った商店街実態調査によりますと、商店街で問題となっていることについて、約7割の商店街が経営者の高齢化による後継者問題と回答し、最も高い割合となっています。
また、後継者、新たな担い手問題への対策は、約8割の商店街が策は講じていないと回答しており、持続可能なまちづくりの推進に向け、後継者や新たな担い手の育成はますます重要になってくると考えられます。
そこで、県は商店街の担い手の育成にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、持続可能な地域づくりについてです。
東日本大震災から間もなく七年が経過し、復興・創生期間も折り返しを迎えようとしており、本県の復旧・復興は確実に進んでいると実感しておりますが、一方で本県を訪れる観光客数は、震災前と比べるとまだ回復しておらず、引き続き風評払拭と風化防止対策に力を入れていく必要があると感じております。
県民の方々が福島に誇りと愛情を持ち、未来に希望が持てる地域社会の実現には、県民みずからが地域の資源を活用した地域活性化に取り組み、地域固有の歴史、文化に根差した道づくりや美しい自然を生かした川づくりを行うなど、継続して個性と魅力ある地域づくりを進めることが大切であると考えております。
そこで、県は社会資本整備を通じ、個性と魅力ある地域づくりにどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、コミュタン福島についてです。
県では原子力災害からの環境回復、創造を進めるため、三春町に環境創造センターを整備し、平成28年7月には本県の現状や放射線に関する正確な情報を発信する施設、コミュタン福島がオープンし、来館者数はこれまで14万人を超え、県内の小学校のほか、海外からの来館者もあると伺っております。
根強く残る本県の風評を払拭するためには、本県の現状を正しく認識することに加え、放射線に関する正確な知識を習得していただくことが重要であり、そのためにも県内だけでなく、県外から多くの方にコミュタン福島へ訪問していただくことが大切だと考えております。
そこで、県はコミュタン福島への県外からの来館者をふやすために、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、外国人観光客の誘客についてです。
先日の我が会派、亀岡議員の代表質問に知事も「福島には外国人の心に響く多くの魅力的な観光資源がある。」と答えていらっしゃるように、その一つに雪があります。県内では会津芦ノ牧温泉のスノーパークや絵ろうそく祭り、只見の雪祭りなど、雪を生かし、趣向を凝らしたイベントが各地で開催されています。
多くの外国人でにぎわっている北海道や長野県のように、本県にも冬ならではの風景やイベントなど、外国人観光客を引きつける観光素材を多く抱えていると思います。
そこで、県は雪を活用した外国人観光客の誘客にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、民俗芸能の継承についてです。
県内各地で伝承されてきた民俗芸能は、その地域で長い間、人から人へと受け継がれてきた地域の宝とも言うべきものであり、復興を進める上でも大きな力になるものと考えます。
多彩な民俗芸能を披露するふるさとの祭りが、県の主催により、昨年は浪江町で7年ぶりに地元開催となった伝統の秋祭り、十日市祭と同時に開催されました。浪江町は、昨年春に帰還困難区域を除いて避難指示が解除されたばかりで、地元住民の方の帰還はこれからという状況の中、このイベントには2日間で約3万人が来場し、大変なにぎわいとなりました。地元の方々が久しぶりに再会する場となったほか、地元以外の方々も大勢訪れたものと思いますが、多くの方々が伝統あるお祭りや民俗芸能を楽しむとともに、改めてふるさとのよさを実感したのではないでしょうか。
震災や原発事故などの影響で、存続の危機にある民俗芸能も少なくありませんが、民俗芸能はふるさととのつながりを維持するとともに、地域の魅力を伝える力を持っており、地域の誇るべき財産として、将来にわたって守り伝えていかなければならないと考えます。
そこで、県は民俗芸能の継承にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、県管理道路についてです。
橋梁の多くは整備から時間が経過し、全国的に老朽化している傾向があります。県内の橋梁においても同様であり、道路は地域経済、生活を支えるものであることから、老朽化が進む橋梁の補修等に重点的に取り組む必要があります。
そこで、県は橋梁の老朽化対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、消雪についてです。
例年にない大雪となり、特に会津地方では県民生活や経済活動に甚大な影響が生じております。きょうも会津では朝から吹雪となっているようです。そんな中、県を初めとする道路管理者にあっても大変苦労されているものと思います。安全な交通を確保する上では、消雪も重要な除雪の一つであり、消雪施設の維持管理にしっかりと取り組む必要があります。
そこで、県は消雪施設の維持管理にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、湯川の河川改修についてであります。
近年局地的な集中豪雨や台風などによる豪雨が全国各地で発生しております。昨年は、九州北部での大規模な豪雨災害があり、県内でも7月豪雨や10月の台風により浸水被害が発生するなど、県民の安全な生活が脅かされております。
特に会津若松市の市街地部を流れる湯川においては、川底が高く、大雨による浸水が発生すれば甚大な被害が生じるおそれがあることから、早期に改修を進める必要があります。
そこで、湯川の河川改修の状況と今後の見通しをお尋ねいたします。
次に、建設業の職場環境についてであります。
建設業は、社会基盤の整備に加え、災害対応、雇用の受け皿として地域を支えるなど、重要な役割を担っております。
しかしながら、県内の建設業は高齢化が進むとともに建設業就業者数は年々減少しており、建設業が担い手を確保し、持続的にその役割を果たしていくためには、若年層のみならず女性の入職意欲を向上させることが必要であります。
また、女性が働きやすいように環境を改善することは、男性にとっても働きやすい職場の実現につながることから、女性の活躍を促進するための環境整備が非常に重要であります。
そこで、女性に配慮した建設業の職場環境の改善について、県の考えをお尋ねいたします。
次に、特別な支援を必要とする子供への支援体制についてであります。
文部科学省における調査によりますと、小中学校の通常の学級において、発達障がいの可能性のある特別な支援を必要とする児童生徒は約6.5%在籍しております。
本県におきましても、小中学校の特別支援学級や通級による指導を受けている児童生徒数は年々増加し、10年間で約2倍以上になっていると聞いております。
また、子供の保護者からは、小学校入学に当たり、学校においてどのような支援を受けることができるのかという不安や支援内容が継続的に引き継がれてほしいなどの声が聞かれます。
安心して子育てしやすい環境をつくるためには、特別な支援を必要とする子供たちにとって幼児期から学校卒業後まで継続的な支援が受けられるなど、切れ目のない支援体制の整備が重要であると考えます。
そこで、特別な支援を必要とする子供たちに対する切れ目のない支援体制を整備すべきと思うが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
次に、不登校についてです。
不登校の児童生徒の増加が全国的な課題となっています。本県におきましては、以前は全国の中でも不登校の児童生徒が大変少ない状況でした。しかし、東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故以降、その数は年々増加しています。
文部科学省による問題行動等調査によりますと、平成28年度には県内全ての小中学校を合わせると1,868人が不登校となっており、児童生徒の数に対する不登校の発生率は全国の水準に近づいてきています。不登校の子供たちが将来社会で自立していくためには、学校を休んでいる間にも何らかの学習支援が必要であると考えます。
そこで、不登校の児童生徒に対する学習支援を充実すべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
次に、過日報道がありました学校給食での地場産物活用についてです。
震災直後は、放射線による不安から学校給食における地場産物の活用率が大きく低下したところで、近年はその不安も軽減されておりますが、保護者の中にはまだ不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないかと思います。保護者に対し丁寧に説明をして理解促進を図り、地域の新鮮な食材を学校給食にさらに活用することが必要だと思います。
そこで、県教育委員会は公立学校の学校給食における地場産物の活用促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、ヘルプマークの普及についてであります。
ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、または妊娠初期の方など、外見からはわからなくても援助や配慮を必要としている方々が周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることができるマークです。
現在県内では郡山市が昨年9月から希望者に対し無償で配布しておりますが、県内全域で導入されればヘルプマークの認知度もさらに高まり、障がいのある方などが援助や配慮が受けやすくなるなど、安全で安心な優しい社会を築いていくことにつながるのではないかと考えます。
また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、この優しさの輪を広げていく必要もあるのではないでしょうか。
そこで、ヘルプマークの普及を図るべきと思いますが、県の考えをお尋ねいたします。
次に、警察行政についてです。
現在我が国では少子高齢化が進み、労働人口が減少している中、女性があらゆる分野に進出し、活躍しております。しかし一方で、家庭、育児と仕事の両立で思い悩み、疲労し、思うように活躍できない女性が多くいるのも事実であります。女性の採用が社会全体で拡大する中、これに合わせて家事や育児などを抱える女性に配慮した職場環境づくりを進めていかなければなりません。
県警察でも女性の特性を積極的に業務で活用すべく、女性警察官の採用拡大を図っており、平成33年までに女性警察官の割合をおおむね10%とすることを目標としていると聞いておりますが、少子化により採用情勢が厳しくなる中、女性のさらなる採用拡大を図るためには、工夫を凝らした取り組みが求められるものと思います。
そこで、女性警察官の採用拡大に向けた県警察の取り組みについて、お尋ねいたします。
また、同時に女性警察官の増加に伴い、女性がその能力を十分に発揮して活躍できるような職場環境づくりを進めることも必要不可欠であります。警察の業務は不規則であり、急な呼び出しなども多いと聞きます。そのような業務だからこそ、より一層女性に配慮した、女性が働きやすい職場環境づくりが求められるものと思います。
そこで、女性が働きやすい職場づくりについて、県警察の取り組みをお尋ねいたします。
以上をもちまして私の一般質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。
議長(吉田栄光君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)水野議員の御質問にお答えいたします。
人口減少対策についてであります。
本県の人口減少には、進学及び就職に伴う若者の県外流出や出生数の減少等が大きく影響していることから、未来を担う若者が福島の可能性を信じ、希望をかなえられる社会を実現することが極めて重要であります。
このため、新年度新たな時代をリードする新産業の創出や地元企業の参入促進、県産品の販路開拓、企業等と連携した新たな農業ビジネスモデルへの支援等を通じて、魅力ある雇用の場づくりを進めるとともに、求職者と企業等とのマッチングなど、若者の県内定着・還流に取り組んでまいります。
さらに、これまでの取り組みにより、合計特殊出生率の改善や移住希望地ランキングで本県の順位が八位に上昇するなど、明るい兆しも見えてきております。これらの成果をより確かなものとするため、結婚、出産、子育て支援の充実や定住・二地域居住のさらなる推進など、さまざまな施策を総合的に展開してまいります。
福島の可能性、魅力、強みを生かしながら、若者を初め多くの方々が福島に住みたい、福島で働きたいと思う魅力ある県づくりに、県民の皆さん、国、市町村、NPO、企業など多様な主体と力を合わせて取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、関係部長等から答弁をさせます。
生活環境部長(尾形淳一君)お答えいたします。
広域幹線バス路線につきましては、人口減少や交通環境等の変化に柔軟に対応するため、確実な予算の確保等について国に要望するとともに、運行の継続に課題を抱える路線を対象として、市町村や事業者等の関係者と利活用促進の方策や運行ダイヤ、路線の変更等について検討を進め、今後その方向性を新年度に策定する事業計画に反映させ、広域幹線バス路線の維持確保に取り組んでまいります。
次に、コミュタン福島につきましては、県外からの教育旅行等での活用を促すため、首都圏等において県内の観光施設や学習施設などと合同でPR活動を行っているところであります。
新年度においては、新たに旅行会社等を対象としたモニターツアーを実施するとともに、海外からの来館者に対応するため、展示内容を英語、中国語及び韓国語で説明するタブレット端末を導入するなど、設備の充実にも取り組んでまいります。
保健福祉部長(井出孝利君)お答えいたします。
ヘルプマークにつきましては、これまでホームページを活用し、理解促進を図ってきたほか、今月中には障がい者への差別解消のためのリーフレットにマークを掲載し、広報を行うこととしております。
新年度は、新たに県内各市町村等へヘルプマークのストラップを配布するとともに、スーパー等の協力を得て、広くポスターを掲示し、マークの認知度を高め、さらなる普及を図ってまいります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
ワーク・ライフ・バランスにつきましては、経営者等向けセミナーの開催やアドバイザーの派遣、次世代育成支援企業認証やイクボス宣言の取り組みの促進など、企業への普及啓発に努めてまいりました。
今後は、働きやすい職場環境づくりをさらに促進するため、企業内保育所の整備に対する支援制度を創設するとともに、男性の育児参加を奨励する企業を支援するなど、ワーク・ライフ・バランスの推進に積極的に取り組んでまいります。
次に、企業誘致につきましては、これまで企業立地補助金等を活用し、企業局や市町村が整備した工業団地などへの立地を積極的に進めてきたところであります。
現在市町村において新たな工業団地整備等が行われていることから、引き続き工業団地の整備に係る利子補給金交付制度により支援を行うとともに、企業立地セミナーの開催などを通じて、国や県の企業立地補助金や復興特区による課税の優遇制度等、本県の優位性をアピールするなど、市町村と連携しながら企業誘致にしっかりと取り組んでまいります。
次に、商店街の担い手の育成につきましては、学生や起業を目指す若者を対象に、これまでNPO、まちづくり会社等での実務研修や町なかでの起業の手法を学ぶ研修事業、商店街活性化の事例等を学ぶ交流セミナーを実施してまいりました。
新年度はこれらに加え、新たに町なか全体の活性化について、高度な知識と人的ネットワークをあわせ持つ意欲あるリーダーを養成する講座を開催するなど、商店街の担い手のさらなる育成にしっかりと取り組んでまいります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
個性と魅力ある地域づくりにつきましては、本県の多彩な風土や地域の資源を生かしながら、社会資本の整備を行う「元気ふくしま、地域づくり・交流促進事業」により、住民等と連携して地域の活性化に取り組んでおります。
今後とも地域の宝に光を当て、人と地域が輝き、交流人口の拡大につながる魅力あふれる地域づくりに、ソフト、ハード両面から積極的に取り組んでまいります。
次に、橋梁の老朽化対策につきましては、損傷度が高い施設から優先的に橋桁のひび割れ補修や塗装の塗りかえ等を実施しております。
今後は、建設から長期間が経過する橋梁が増加することから、国の交付金制度等を活用し、必要な予算確保に努めるとともに、平成30年度で一巡する点検結果による損傷ぐあいの詳細な評価に基づき、橋の構造上重要な部分を重点的に補修するなど、効率的な老朽化対策に取り組んでまいります。
次に、消雪施設につきましては、積雪寒冷地域の冬期交通確保において除雪業務を補完するため、人家が連なり機械除雪が困難な箇所などに設置しております。
今後とも冬前に施設をきめ細かく保守点検するほか、ポンプや送水管などの機能低下に対応するため、効率的に補修、更新を行うなど、的確な維持管理に取り組んでまいります。
次に、湯川の河川改修につきましては、会津若松市街地の浸水被害を軽減するため、整備区間約1.9キロメートルについて、平成26年度から川底を下げる工事を実施しており、平成29年度までに約0.3キロメートルが完成しております。
引き続き残る約1.6キロメートル区間につきましても、おおむね5年以内の完成に向け、工事を推進してまいります。
次に、建設業の職場環境につきましては、女性に配慮した視点で改善を進めることが重要であると認識しており、これまでも工事箇所への鏡つき洗面台等を備えた女性が快適に使用できる仮設トイレの設置支援などに取り組んでまいりました。
新年度からは、これらの取り組みをさらに拡大するとともに、ICT技術の活用や週休2日確保モデル工事等の積極的な推進により、女性の働きやすい職場となるよう環境改善を図ってまいる考えであります。
文化スポーツ局長(安齋睦男君)お答えいたします。
民俗芸能につきましては、地域において人々のきずなを深める重要な役割を担っていることから、芸能団体の研修や団体の実情に応じた助言などの支援を行ってまいりました。
今後は、毎年県内で開催しているふるさとの祭りの県外での開催や団体間の交流ワークショップの拡充により芸能披露の機会の充実を図るなど、民俗芸能の継承に積極的に取り組んでまいります。
観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。
雪を活用した外国人観光客の誘客につきましては、本県の雪景色や雪祭りは、雪が珍しい台湾やタイ、ベトナム等の人々に大きな感動を与えるものと考えております。
このため、地域の人々が行う雪を生かした体験メニューの開発を支援し、その体験を組み入れた旅行商品の造成を旅行代理店等に対し働きかけるとともに、本県に招いたブロガーが撮影した雪の絶景をSNS等において繰り返し発信することなどにより、外国人観光客の誘客に努めてまいります。
教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。
特別な支援を必要とする子供たちにつきましては、学習や行動上の実態を適切に把握するとともに、関係機関とのネットワークを構築し、きめ細かな支援を行うことが重要であると考えております。
このため、全ての県立特別支援学校に子育て等に関するワンストップ窓口となる地域支援センターを新たに設置するとともに、15名の教育支援アドバイザーを配置し、乳幼児親子教室の開催や教育相談等の一層の充実に努めるなど、切れ目のない支援体制の整備を図ってまいります。
次に、不登校の児童生徒につきましては、学校への復帰や将来の社会的な自立のため、県内18の市町村が適応指導教室等を設置し、各学校と連携して学習支援を行っているところであります。
今後は、適応指導教室の設置を促すため、新たに学習指導を行う支援員を市町村に派遣し、学びの場を拡充することにより、不登校の児童生徒に対する学習支援の充実に努めてまいる考えであります。
次に、学校給食における地場産物の活用につきましては、今年度の活用率は35.6%となり、震災前とほぼ同じ水準まで回復しております。
引き続き活用率が低い地域において、保護者や学校給食関係者等との懇談会を実施するとともに、年間を通して地場産物を利用しやすくするため、大量、短時間調理や安定供給に適する冷凍野菜等の一次加工品の開発を関係機関に働きかけるなど、地場産物のさらなる活用促進に向けて積極的に取り組んでまいります。
警察本部長(松本裕之君)お答えいたします。
女性警察官の採用拡大の取り組みにつきましては、各種募集説明会へ女性警察官を積極的に派遣し、女性の処遇や業務内容の説明を行っているほか、警察学校において女性対象の説明会、通称県警女子会を開催しております。
また、採用パンフレットなどの広報媒体で女性警察官の活躍を紹介し、女性の職域拡大や登用についてアピールするなどの取り組みも進めているところであります。
県警察全体に占める女性警察官の割合は、本年1月末現在で約7.8%まで拡大しており、今後とも女性警察官の採用拡大に向けた取り組みを一層強化してまいります。
次に、女性が働きやすい職場づくりにつきましては、子育て中の女性職員に対し、専用の相談窓口を設け、意見、要望の吸い上げを図っているほか、深夜勤務や時間外勤務を制限したり、必要な休暇取得を促すなど、組織的に仕事との両立を支援しております。また、育児休業中の女性職員の職場復帰への不安を解消するため、その能力の維持向上を目的とした研修も行っております。
今後も女性がその特性を生かし、能力を十分に発揮することができるよう女性のニーズと現場の実情に合った働きやすい職場づくりを推進してまいります。
22番(水野さちこ君)商工労働部長に再質問いたします。
先ほどの県内の工業団地の現状を踏まえての今後の企業誘致についてでございますが、部長のほうからは市町村が整備したものを補助する、また企業立地補助金といったお答えだったかと思うのですけれども、なかなか現状といたしまして、市町村が新たな工業団地の造成をするというのは財政的にも難しいものもあります。
そして、今回県としては造成はしないというような形に検討しているということが上がったときには、福島の復興を考える意味で、本当にそれでいいのかという疑問もたくさん湧いてくるところであると思います。復興を進めていく上で、今部長が答弁されたことで、本当に本県の産業の振興、雇用の創出につながるのか、また若者が本当にこの福島県で働いていけるのかという希望が持てるのか、その辺が疑問となります。いま一度お答えをお願いいたします。
商工労働部長(飯塚俊二君)再質問にお答えいたします。
現在多くの市町村において新たな工業団地の整備等が進められており、会津地域におきましてもさまざまな声を今お聞きしておるところでございます。
県としては、引き続き工業団地の整備に係る利子補給金交付制度を活用しながら、市町村の支援に取り組んでまいりたいと考えております。