2018年2月定例会 一般質問 山田平四郎議員
議員 | 山田平四郎 |
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所属会派 (質問日現在) | 自由民主党 |
定例会 | 平成30年2月 |
質問等 | 一般質問 |
質問日 | 3月2日(金曜日) |
29番(山田平四郎君)自由民主党議員会、山田平四郎でございます。
東日本大震災、原発事故があったその年、2011年12月31日の紅白歌合戦で嵐の櫻井翔が弾いたピアノは、被災した中学校で使われていたものを修復したものでした。歌った歌は「ふるさと」。昨年の24時間テレビで、ふたば未来学園、大熊中学校など6校の中高生が「ふるさと」を歌いました。その歌詞の一部を紹介いたします。心で聞いてください。「巡りあいたい人がそこにいる やさしさ広げて待っている 山も風も海の色も いちばん素直になれる場所 忘れられない歌がそこにある 手と手をつないで口ずさむ 山も風も海の色も ここはふるさと」。歌い終えた後、大熊中学校の男子生徒の一人が「僕は、ふるさと大熊に戻りたい。大熊に戻って、大熊のために仕事をしたい。」と力強く語りました。生まれ育ったかけがえのないふるさと。彼らが一日も早くふるさとに戻れるよう努力することを誓い、質問に移ります。
初めに、シビックプライドについてであります。
知事は年末の記者会見で「ことしは、県民とともに課題に挑戦し、復興が前進した。国内外では県人会を初め多くの応援と共感をいただき、共鳴の輪の広がりを感じた。」と述べ、平成29年の漢字に「共」を挙げられました。そのことに、私は県民と「共」に課題に挑戦してきたことを意味していると感じました。そして、重ねて「復興と本県ならではの地方創生に取り組む。」と力強く述べられました。
1月4日には郡山市で開催された新春賀詞交歓会において、知事は現在郡山商工会議所を中心に若手有志が取り組んでいる郡山市の将来像を考える郡山グランドデザインプロジェクト会議について触れられました。その際お話しされた言葉の中で私が一番印象に残ったのは、シビックプライドという言葉でありました。
シビックプライドとは都市に対する市民の誇り、まちをよりよいものにするために自分自身がかかわっているという当事者意識に基づく自負心、それがシビックプライドであります。
日本にも郷土愛という言葉がありますが、シビックプライドは思いだけにとどまらず、その都市の課題解決や活性化といった具体的行動に取り組む姿勢を含んでいることが特徴であります。シビックプライドが地域コミュニティーを活性化すると言っても過言ではありません。県民とともに課題に挑戦し続ける福島県にとって、そして復興と本県ならではの地方創生に取り組むためにもシビックプライドの発想は必要と考えます。
そこで、元気な福島を取り戻すため、シビックプライドの考え方が重要だと思いますが、副知事の考えを伺います。
次に、風評対策についてであります。
政府は、東京電力第一原発事故による風評払拭に向け、風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略をまとめました。これは、我が自民党県連、県執行部が昨年の6月から要望したものであり、政府では情報発信の効果を上げるためには、各府省庁の統一的なルールによる連携が必要と判断し、策定したものであります。
この戦略には「知ってもらう」、「食べてもらう」、「来てもらう」、三つのテーマが設定されておりますが、戦略を策定した後に肝心なことは、戦略の実施状況の点検と効果の有無の検証であります。
特に戦略における一つ目の「知ってもらう」では、放射線に関する正しい知識を持ってもらうことが重要と考えます。避難した児童生徒へのいじめが各地で発覚したことを受け、教職員や児童生徒に対する放射線教育を充実させ、放射線はうつらないといった基本的な知識を理解してもらうために、国では小中高校で使う副読本を改訂する予定であり、県教育委員会でも今回の副読本の改訂にかかわっていると聞いております。今後、副読本を使って児童生徒が放射線等について理解を深めていくことが大切であると考えます。
そこで、県教育委員会は公立小中学校において放射線に関する正しい知識を知ってもらうため、国の副読本をどのように活用していくのかお尋ねします。
次に、戦略における「食べてもらう」についてであります。
この「食べてもらう」は、県産品の消費拡大に向け、流通、小売業者、在京大使館に対し、魅力やおいしさに加えて、放射性物質検査の実施状況を発信するとともに、外交ルートを通じ輸入規制の緩和、撤廃の働きかけを強化するものであります。
県においても今までさまざまなイベントを通じて福島のおいしさをPRしてきており、その効果として桃、梨などの果物、日本酒などの輸出が伸びております。さらに、風評を払拭するためには、県の取り組みと国が進めている戦略を連携して実施することが重要と考えます。
そこで、県は県産農林水産物を食べてもらうため、販売促進に国と連携し、どのように取り組んでいくのかお尋ねします。
次に、「来てもらう」についてであります。
「来てもらう」においては、本県が旅行先として魅力あふれる地域であることとともに、本県の放射線量が全国や海外の主要都市とほぼ同水準であることを伝え、修学旅行生や外国人観光客の訪問を後押しすることが盛り込まれております。
特に2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えておりますから、来てもらう対策は大変重要であります。福島空港と台湾を結ぶチャーター便が5月から7月にかけて26往復、52便が運航され、1,800人の来訪も見込まれております。県としてもインバウンドの誘客拡大に向けて取り組みを強化しており、来てもらうことが現在の福島を知ってもらう有効な対策と考えます。
そこで、県は風評払拭に向け、来てもらう対策にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
次に、ふくしまっ子児童期運動指針についてであります。
県は、悪化が続く県民の健康指標を踏まえ、健康対策を最重点政策の一つとして、肥満や糖尿病の重症化対策を強化します。その中で、県教育委員会は原発事故後に深刻化している体力の低下や肥満傾向の問題を解消するために、四月から県内全ての公立小学校で、教員向け指針、ふくしまっ子児童期運動指針を導入いたします。楽しく体を動かす方法や運動習慣のつけ方など、子供の健康保持や増進を図るというものであります。
その項目の一つに、運動の楽しさを体感させることが挙げられております。子供たちにとって楽しく運動することは大切であり、積極的に運動に取り組み、継続するきっかけになるはずであります。
しかし、教員に運動方針を伝えたとしても、学校により事情があり、全てうまくいくか疑問があります。それは、小規模校対策であります。生徒数が少ない学校では高学年と低学年では体力差があり、一緒に運動すれば、その内容は限られ、団体で行う種目は非常に難しいと思われます。
そこで、県教育委員会は公立小学校において全ての児童に運動の楽しさを体感させるため、どのように取り組んでいくのかお尋ねいたします。
次に、GAPの推進についてであります。
2月1日、郡山市において県とJA福島中央会は、GAPチャレンジ推進大会を初めて開催し、生産者らが認証取得数日本一を目指す方向性や具体的な取り組みなどを共有いたしました。
本県のGAP認証取得数は年度末までに66件になります。現在のGAP認証取得数のトップは北海道で91件でありますから、本県が来年度日本一になる可能性は大きくなりました。
食品・流通業界においても、日本コカ・コーラ株式会社は2020年までに茶原料のほかにも、果物や野菜類もGAP認証を得た農場からの調達を目指すとしており、イオンリテール株式会社におきましては同じく2020年までにプライベートブランド農産物について、GAP認証取得100%を目指すとしております。
本県にとって、風評払拭に向け、GAP認証が果たす役割は極めて大きいと考えております。しかし一方で、食品安全、環境保全、労働安全、人権保護、農場経営管理などを理解されている方は生産者以外では少ないのではないかと思われます。
GAPの推進に当たっては、GAPを流通関係者、消費者に理解をいただき、消費者への安全・安心につなげていくとともに、生産者においては認証取得への取り組みを通じて本県農業を支える農業経営者になっていただくことが大切であります。
そこで、認証GAPの活用促進に向けた生産者と流通関係者の連携強化について、県の考えをお尋ねいたします。
次に、消費者へのGAPの理解促進についてであります。
昨年夏の古いデータですが、GAPを知っていると答えた人はわずか9%でありました。見えない価値を見える化し、消費者に安全・安心な価値ある商品を届けることが大切です。
そこで、県は消費者のGAPの理解促進にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
次に、農業高校におけるGAP認証の取得についてであります。
昨年九月、県農業高等学校同窓連盟から、県内農業高校へのGAP取得のための支援の要望があり、施設の改修や指導を含めて農業高校の現状をお話しされました。私は話を伺い、これから農業高校がGAP取得に取り組む本気度を感じました。
現在全国の農業高校でもGAP取得が進んでおり、青森県立五所川原農林高校では日本の農業高校では初めてのグローバルGAPを取得し、グローバルGAPアワード二〇一六を受賞しました。また、北海道の岩見沢農業高校においては、米、大豆、タマネギなど9品目のグローバルGAPを取得され、同じく北海道の士幌高校では、本年度初めてニンニクとニンジンのグローバルGAPを取得するとともに、有機JAS認定を取得されたところです。農業高校へのGAP取得の支援は、農業を目指す若者を育て、農業の指導者の養成にもつながります。
そこで、県立農業高校において、GAP認証の取得に積極的に取り組むべきと思いますが、県教育委員会の考えをお尋ねいたします。
次に、米の全量全袋検査についてであります。
県は、昨年7月から全量全袋検査の方向性について検討を行っており、知事は年度内には今後の方向性を示したいと発言をされているところです。ことし1月には方向性の素案を提示されましたが、関係する機関や団体とも連携を図りながら、県産米の将来を見据えた検査の方向性を示すことが必要と考えています。
そこで、米の全量全袋検査の今後の方向性について、知事の考えをお尋ねいたします。
次に、航空宇宙関連産業の人材育成についてであります。
昨年北海道・東北議員研修会が秋田市で開催され、私も参加いたしました。その中で、秋田県から発表があり、「航空関連の会社が進出し、売り上げが伸びている。」とのことでありました。秋田県では由利工業高校に航空機産業に対応した科目があるほか、ことしの4月には秋田県立大学に航空機産業に対応できる学科が再編されます。航空宇宙産業は、ボーイング社、エアバス社を中心に20年後までの注文が既にされており、毎年5%伸びるという成長産業であります。
以前私は震災後県内の高校に防災学科をつくるべきと提案をさせていただきました。防災学科は実現できませんでしたが、防災教育は実現いたしました。1月16日の政調会でも、商工労働部長から人材育成の促進に取り組んでいくとの発言もありました。私は、人口減少をなくすためにも、成長産業の航空宇宙関連産業は若者にとって魅力ある仕事であり、地元への定着にもつながるものと考えております。
そこで、航空宇宙関連産業を支える人材の育成に取り組むべきと思いますが、県の考えをお尋ねします。
次に、航空宇宙関連企業の集積についてであります。
本県は、震災と原子力災害からの復興策の一つとして、航空宇宙関連産業の推進を掲げ、県内企業の技術力向上や取引拡大に向けた取り組みの支援を通じて、関連産業の育成に取り組んでおります。
一方、航空会社ではパイロット不足が大きな課題となっており、産業集積に向け、パイロット養成が将来的な構想として必要であると私は考えております。日本体育大学ではこの四月に航空関連の専門学科を新設し、福島市の農道空港、ふくしまスカイパークをパイロット養成の実習候補地とする予定と伺っております。
そのスカイパークに軽飛行機の研究開発拠点整備を計画している株式会社サードは、企業立地補助金を活用する誘致企業であり、航空宇宙関連産業の集積を図るためには、県内企業の支援はもちろん、県外からの新規立地をさらに促進することが非常に重要であると考えております。
そこで、県は航空宇宙関連企業の誘致にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
次に、地域住民とコミュニティーの形成についてであります。
避難者の居住の安定供給につきましては、復興公営住宅が今年度末までに4,707戸が完成する見込みであります。私の地元郡山市田村町にも復興公営住宅ができ、70世帯が現在住まれています。復興公営住宅ができると決まったとき、地元自治会からは自治会に入ってほしいとの話がありましたが、最終的に田村町の30番目の自治会、守山駅西団地自治会として参画していただきました。1月6日の田村地区市民新年会交歓会や翌日7日の消防出初式にも参加していただき、懇親を深めさせていただいたところです。
今年度末までには全ての復興公営住宅の入居が可能となりますが、私は入居者同士や入居者と地域住民との良好な関係を構築するため、入居者に自治組織の立ち上げを通じて地域町内会に加入するなど、地域コミュニティー形成に取り組む必要があると思います。
そこで、県は復興公営住宅の入居者と地域住民とのコミュニティー形成にどのように取り組んでいくのかお尋ねします。
次に、空き家の活用推進についてであります。
県では都内に設置した移住相談窓口に専属の移住相談員を配置し、移住希望者に対して各種相談に対応するなど首都圏での情報発信を行うとともに、県外からの移住者の住宅取得や空き家の改修支援により、定住・二地域居住の推進に取り組むとしております。
一昨年、自民党本部に古民家再生議員連盟が発足し、福島には古民家再生協会福島がございます。協会では自民党本部に環境対策、空き家対策、棟梁等の職人育成を要望したところであり、国では内閣官房や国土交通省、観光庁などがかかわっております。
古民家の解体においては、立派な構造材も廃棄処分されるような状況も見られ、二酸化炭素排出を抑制する観点でリサイクル、リユースを促進しなければなりません。さらに、定住・二地域居住など地方創生を推進していくには、関係機関と連携しながら、空き家を住みたい、買いたい住宅に改修し、活用していくことが必要ではないでしょうか。
市町村においては、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づき、保安上危険または衛生上有害等のおそれがある特定空家等への対応と、地域の実情に応じた空き家活用への対応という両輪で空き家等対策に取り組んでいると伺っております。いずれにしても、「福島に住みたい」が重要なポイントになります。
そこで、県は空き家の活用推進にどのように取り組んでいくのかお尋ねし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
議長(吉田栄光君)執行部の答弁を求めます。
知事(内堀雅雄君)山田議員の御質問にお答えいたします。
米の全量全袋検査についてであります。
平成24年からこれまで徹底した放射性物質の吸収抑制対策や県内で生産される全ての米の厳格な検査を実施してきた結果、平成27年産米から3年間、基準値を超えた米は出ておりません。昨年から生産者、農業団体、流通関係者、消費者、有識者等から成る検討会で、今後の方向性について検討し、1月に素案をお示ししたところであります。
その後関係者から幅広く御意見を伺い慎重に検討し、米の全量全袋検査につきましては「通算5年間基準値超過がない時点を目途に抽出によるモニタリング検査に移行することとし、それまでの間、生産から流通、販売までの対策を生産者はもとより、流通、販売事業者、消費者等へ説明し理解を得ていく」、「避難指示があった区域等では、営農再開の進捗状況を考慮しながら、当面は検査を継続すること」といたしました。
引き続き風評対策に国と連携して万全を期すとともに、認証GAPの取得促進、安全・安心を確保するための生産対策の徹底、販路拡大と常設の販売棚の確保など、新たなステージを見据えた本県農業の復興に全力で取り組んでまいります。
その他の御質問につきましては、副知事等から答弁をさせます。
副知事(鈴木正晃君)お答えいたします。
シビックプライドにつきましては、この言葉に込められたみずからが地域の未来をつくっていくという地域への愛情と当事者意識は、本県の復興と創生をさらに前へ進める上で極めて重要な視点であります。
本県には廃校となった校舎を活用した子供の体験活動や移住希望者の受け入れ、自然豊かな里山の恵みを生かした地域資源循環型のふるさとづくり、休耕田の有効活用による新たな観光地づくりなど、地域への誇りと愛情に基づき、みずからの地域の魅力の向上に取り組む多くの方々がおられます。一人一人の情熱的な挑戦が地域の魅力と活力を高める大きな推進力となっていることを実感し、こうした活動を支援しているところであります。
今後とも県民の皆さんとシビックプライド、「ふくしまプライド。」の思いを共有し、元気な福島、魅力ある福島の創造に力を注いでまいります。
商工労働部長(飯塚俊二君)お答えいたします。
航空宇宙関連産業を支える人材の育成につきましては、テクノアカデミーに最新設備を導入し、高度な精密加工や測定技術を習得するための教育訓練を行ってまいりました。
新年度からは、航空宇宙をテーマにした3Dデザインのコンテストを開催するとともに、航空機で利用されている材料の性質や加工に関する教材を開発し、テクノアカデミーでの活用を図るなど、さらなる取り組みを進めてまいります。
次に、航空宇宙関連企業の誘致につきましては、これまで企業立地セミナーやチャレンジふくしまフォーラム等を通じ、本県の優位性をアピールするとともに、企業立地補助金の活用により17社の新増設を支援してまいりました。
今後は、関連産業のさらなる集積を図るため、航空機エンジン部品を生産する中核企業の取引先である県外企業等への意向調査を踏まえ、投資意向を有する企業を重点的に訪問するなど、より効果的な企業誘致に取り組んでまいります。
農林水産部長(佐竹 浩君)お答えいたします。
農林水産物の販売促進につきましては、国、県、JAグループで構成する風評払拭対策協議会において検討し、具体的な取り組みを進めております。 ふくしまフェアや省庁マルシェの実施、民間企業等へのトップセールス、輸入規制のある政府関係者の招聘、流通実態調査の実施などを通じ、本県農林水産物の販売促進に戦略的に取り組んでまいります。
次に、認証GAPの活用促進に向けた生産者と流通関係者の連携につきましては、本県農林水産物の競争力の強化と常設の販売棚を確保していくため重要であります。
そのため、産地としての団体認証の拡大による出荷量の確保、生産者と流通関係者のマッチングにより信頼のフードチェーンを構築してまいります。
次に、消費者のGAPの理解促進につきましては、安全な工程で生産され、安心して購入できる認証農産物のメリットをわかりやすく伝えていく必要があります。
そのため、推進大会やセミナーによる周知、「ふくしまプライド。」フェアにおけるPR、新年度からは生産者情報を量販店や直売所の店頭で入手できるQRコードの活用などにより、認証農産物の販売促進につなげてまいります。
土木部長(大河原 聡君)お答えいたします。
空き家の活用推進につきましては、移住者等へのリフォーム補助を行うとともに、空家等対策連絡調整会議を開催し、技術的助言や先進事例の情報提供など、空き家対策の主体である市町村への支援に取り組んでいるところであります。
さらに、新年度においては市町村の空き家バンクと連携しながら、子育て世帯を対象とした新たなリフォーム補助事業を実施するとともに、関係団体等との協力のもと、きめ細かな情報発信に努め、地域資源としての空き家の活用を一層推進してまいる考えであります。
避難地域復興局長(成田良洋君)お答えいたします。
復興公営住宅の入居者と地域住民とのコミュニティー形成につきましては、現在各団地に交流員を配置し、交流会の開催や地元行事への参加などの支援に取り組んでおり、これまでに約八割の団地で自治組織が形成され、地元町内会への加入も徐々に進んでおります。
今後ともこれらの取り組みを通じ、入居者と地域住民との共生が図られるよう努めてまいります。
観光交流局長(橋本明良君)お答えいたします。
来てもらう対策につきましては、福島のありのままの姿を直接見てもらうため、ホープツーリズムや教育旅行、外国人観光客の誘客において、モニターツアーやメディア関係者の招請を実施してまいりました。
今後は、これらの結果を踏まえたコンテンツの充実を図るとともに、顧客目線に基づく情報発信や顔の見える誘客の強化に努めるなど、来てもらう対策に積極的に取り組んでまいります。
教育長(鈴木淳一君)お答えいたします。
放射線に関する正しい知識につきましては、児童生徒がみずからの言葉で説明できるようにすることが重要であると考えております。
このため、放射線教育のモデル校において、国が改訂する副読本を活用し、放射線の性質や健康への影響、風評被害等について調べ、発表する学習を行い、その成果をまとめた実践事例集を県内の公立小中学校に配布するなど、本県ならではの放射線教育の充実に努めてまいります。
次に、児童に運動の楽しさを体感させるための取り組みにつきましては、それぞれの学年に適したさまざまな外遊び等により、体を動かすことを楽しみながら、いつの間にか1日60分以上の運動量が確保できる方法等を例示したふくしまっ子児童期運動指針を今月中に策定することとしております。
今後は、これを公立小学校の全教員に配布し、児童に運動することの楽しさや心地よさを体感させながら、望ましい運動習慣が形成され、生涯にわたる健康長寿にもつながるよう取り組んでまいります。
次に、農業高校におけるGAP認証の取得につきましては、現在八つの高校で取り組んでおり、その一部においては本審査まで実施されたところであります。この取り組みは、生徒が環境や安全などに配慮した農業生産技術を習得するとともに、国際的な視点での経営感覚も身につける上で大変有効であることから、新年度においては新たにGAP認証をテーマに県外の6つの農業高校と交流を行うことにより、安全・安心な農業生産の取り組みなど福島の今を発信しつつ、次世代の農業を担う有為な人材の育成を進めてまいります。