■日時 令和2年2月10日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【発表事項】
1 県オリジナル水稲品種の名称について
【質問事項】
1 県オリジナル水稲品種について
2 新型コロナウイルスに関連した感染症対策について
3 新型コロナウイルスの広がりに伴う影響について
4 降雪量の不足による影響について
5 トリチウムを含む処理水の処分方法について
【発表事項】
新しい県オリジナル水稲品種の名称について発表いたします。昨年5月に、県の奨励品種に採用した主食用米「福島40号」の名称を「福、笑い」と決定いたしました。県内外の皆さんから応募いただいた6,234点の名称案について、クリエーター、お米マイスター、料理人、流通関係者など、各分野の第一線で活躍されている方々に御意見や御提案を頂き、名称を決定いたしました。生産者の皆さんも、消費者の皆さんも、「福、笑い」を手にした方に、笑顔が訪れるようなお米になって欲しいとの思いを込めております。県産米のトップブランド品種として、引き続き、関係の皆さんと連携しながら、生産振興や販売促進活動に取り組んでまいります。
【質問事項】
【記者】
お米のネーミングについて、「福」の次に「、」が付いていますが、その意味を教えてください。
【知事】
「福、笑い」には「、」が付いております。ご存知のとおり、「福笑い」という一般的な言葉がありますが、このお米の新しい名称には、福島の「福」、笑顔の「笑い」、その両方が凝縮されているということを、より分かりやすく表現出来るよう、「、」を付けております。
【記者】
福島第一原発事故があり、農産物が低価格で取引されている傾向が続いていましたが、今回の新品種の発売により、風評払拭にどのような期待をお持ちでしょうか。
【知事】
県産米は食味ランキング「特A」の獲得銘柄数が2年連続で日本一となるなど、品質・食味が全国的に評価されております。令和3年度に本格デビューする「福、笑い」は、正にそうした県産米をけん引するお米となるよう、選び抜かれたお米であります。「福、笑い」は、福島の豊かな自然の恵みの下で、生産者が磨き上げた技術と米づくりへのこだわり、また、開発者の情熱が結集したお米であります。福島県を代表するお米となること、また、福島県のお米を始め、農林水産物に対する風評を払拭する大事な存在となることを期待しております。
【記者】
他県産でも高価格帯米が次々と登場して競争が激しくなっているところに、福島県は原発事故の影響というのもあり、後発になりますが、その中で、どのような広報戦略を展開していくのかお聞かせください。
【知事】
広報戦略は非常に重要であると思います。そのような観点から、まず生産面では、食味・品質基準を設定するとともに、生産者を登録制とするなど、高品質で食味の良いお米の生産を推進してまいります。また、販売面では、令和2年度にプレデビューイベントや、店頭での試験販売を行うなど、令和3年度の本格デビューに向けて、消費者や流通事業者等へPRし、販路を開拓していきます。各県のトップブランド米と同等以上の価格での販売を目指しており、その実現に向けた戦略について、関係団体と協議しながらしっかり取り組んでまいります。
【記者】
お米の価格について、県産のお米は、他県産と比べて価格が低い状況が続いています。このことについて、トップブランド米といえども、福島ということで、他県のトップブランド米と比べて同等以上というのは、実は高い目標ではないかと思いますが、その戦略について教えてください。
【知事】
福島県は震災・原発事故以前は、他県産と同等、コシヒカリ等において高い評価を価格面でも頂いておりました。一方で、原発事故以降は御承知のとおり、全国平均等を見ても価格が抑えられた状況になっているという現実もございます。そういった中、まず「コシヒカリ」、「ひとめぼれ」あるいは「天のつぶ」等の既存のお米そのものの価格をしっかりと評価していただくように力を入れていくこと。また、今回の「福、笑い」のようなトップブランド米について、「品質が高い」と、マーケットにおいて、しっかりとした価格で反映されるよう努力を続けていくこと。この両輪が大切であると思っております。
御指摘のとおり、福島県の場合は、風評という問題もございますので、決してその道のりは簡単ではないと思いますが、「ふくしまプライド。」、福島のお米の安全・安心はもとより、品質の高さ、おいしさ、魅力。これが正当に評価され、また多くの皆さんに笑顔で食べていただけるように努力を続けていきたいと考えております。
【記者】
「福、笑い」の放射性物質の検査の考え方について教えてください。
【知事】
「福、笑い」については、生産面での食味・品質基準の設定、生産者の登録制など、厳密な体制をとってまいります。また、詳細はこれからですが、安全の確保は大前提ですので、安心して皆さんにお届け出来るような体制づくりを準備していきたいと思います。
【記者】
一番最近の「天のつぶ」については、事故の影響もあって期待ほど売れなかったと思いますが、その総括については、どのように行っていますでしょうか。
【知事】
「天のつぶ」は、2011年、東日本大震災・原発事故とほぼ同じタイミングでのスタートとなりました。私どもが期待していた状況とは全く異なる状況の中で販売していくということでしたので、「お米を作る際の安全対策をどうするか」、「モニタリングの体制をどうするか」、「全量全袋体制をやるかやらないか」、こういった議論の中からの船出となりました。そういったハンディキャップを背負った状態でのスタートであったと受け止めております。
「天のつぶ」は、比較的中程度の価格帯で食味が良いということをPRポイントにしておりますので、そういった点について、市場において受け入れられてきた部分もあると思います。また、風評払拭を進めていく中で、福島県の米の安全性を御理解いただき、消費者の皆さんにも徐々に受け入れられてきているかと思います。
一方で、そもそも期待していたものと異なる状況下での対応となっておりますので、その部分は今後どうやって解消していくかという努力が必要であると思います。担当部局においてどう評価していくのか、また、今回、「福、笑い」が新たにスタートすることになりますので、その棲み分けも含めて、検討を深めていかなければならないと考えております。
【記者】
新型コロナウイルスの関係で、邦人の死者が出たという報道もありますが、改めて、県の対応と知事の受け止めについて教えてください。
【知事】
今回の感染症は、今月1日に政令が施行され、指定感染症となり、入院勧告が出来るようになりました。県としては、「福島県新型コロナウイルス感染症対策本部会議」を開催し、国内での流行に備え、各部局が速やかに必要な対策を講じることが出来るよう、情報共有と事前の準備をしっかり行うことを指示しました。また、専用相談ダイヤルを開設し、県民の皆さんからの相談に応じているところです。先週7日には、各保健福祉事務所に帰国者・接触者相談センターを設置し、感染の疑いのある方が専門外来につながるよう、体制を整備いたしました。
県民の皆さんには、過剰に心配することなく、咳エチケットや手洗い等の通常の感染症対策を行っていただくようお願いいたします。引き続き、国からの情報に留意しながら、迅速かつ的確な情報提供を行い、県民の皆さんの安全・安心の確保に取り組んでまいります。
【記者】
県内で宿泊キャンセルが起きている状況があるのか。また、地元経済への影響についてお聞かせください。
【知事】
現時点で、関連した宿泊キャンセルがあるかということについては、明確に分かっておりません。また、新型コロナウイルスによる県内企業への影響については、現在、企業からの情報把握を進めているところであります。中国からの部品供給が滞っているという声が聞かれるなど、一部の企業でサプライチェーンへの影響が出始めております。引き続き、県内企業への影響について注視をしていきたいと考えております。
【記者】
新型肺炎に関しては、春節期間中の旅行の減退という影響が伝えられているところです。県は、東京オリンピックに際し、交流人口の増加等を考えておられると思いますが、この影響が長引くことも懸念されます。どのような対策を考えておりますでしょうか。
【知事】
現在、新型コロナウイルスが中国を中心に世界的に流行している厳しい状況にあります。県としては、外国人観光客に出来るだけ多く福島県に来ていただく。そして、福島の今、あるいは魅力を知っていただく取組をこの数年行っており、3年連続で過去最高のインバウンド数を更新しておりますが、現在、このような情勢でありますので、いったん足踏み状態になるかと思います。県としては、新型肺炎の状況も見極めながら、どのような対応がより適切であるか、検討を進めていきたいと考えております。
【記者】
県の観光業にとって今年は雪が少なかったということもありますが、暖冬少雪の影響についてどのように考えていますか。
【知事】
2月5日の夜に降雪があり、ようやく冬らしくなってまいりました。先週末、各地で開催された雪祭りもにぎわい、スキー場の滑走条件も良くなってきたと聞いております。今シーズンも残り少ない状況ではありますが、これから学生さんの試験休みや春休みもありますので、都営地下鉄の中吊り広告で「雪マジ!ふくしま」の広告を増やすなどのPRを強化していきます。また、「ふっこう割」でも、スキー旅行の商品が用意されております。待ちに待った雪ですので、積極的にPRを進めてまいります。
【記者】
ALPS処理水の小委員会について、先日の会見で、「小委員会の提言内容を踏まえて対応方針を決めて欲しい、議論をして欲しい」というお話がありましたが、海洋放出と水蒸気放出が現実的な選択肢と絞り込んだ今回の小委員会の提言内容を、この先の議論のスタート地点として認めているということでしょうか。
【知事】
県としての考え方を改めてお話しさせていただきます。トリチウムを含む処理水の取扱いについては、先月、国の小委員会が開催され、専門家による議論の取りまとめが行われました。国及び東京電力においては、小委員会の提言内容を踏まえ、引き続き、幅広い関係者の意見を丁寧に伺いながら、慎重に対応方針を検討していただきたいと考えております。
【記者】
それは先週お話しいただいたことと同じだと思います。小委員会の提言内容を踏まえるということは、これまで小委員会で議論して出した結論を、この先の出発地点として認めていらっしゃるのかどうかについて尋ねたいのですが。
【知事】
出発地点という定義は分かりませんが、県としては、小委員会の提言内容を踏まえ、国及び東京電力において、今後、慎重に対応方針を検討していただきたいと考えております。
【記者】
「提言内容を踏まえて」と知事はおっしゃっていますが、例えば、今、県内では、保管を継続して欲しいという意見を持っている方もいらっしゃいます。そういった意見は報告書の中から落ちているのですが、保管継続の意見などを落としている報告書の提言をもって、この先の議論をするということでよろしいか伺います。
【知事】
小委員会の報告提言については、様々な内容が含まれているかと思います。そういったものを踏まえた上で、国、東京電力に慎重に検討を進めていただきたいということでございます
(終了)
【問合せ先】
○発表事項
県オリジナル水稲品種の名称について
→ 農林水産部農業振興課 電話024-521-7336
○質問事項
1 県オリジナル水稲品種について
→ 農林水産部農業振興課 電話024-521-7336
→ 農林水産部農産物流通課 電話024-521-7356
→ 農林水産部水田畑作課 電話024-521-7359
2 新型コロナウイルスに関連した感染症対策について
→ 保健福祉部地域医療課 電話024-521-7238
3 新型コロナウイルスの広がりに伴う影響について
(県内企業への影響に関すること)
→ 商工労働部商工総務課 電話024-521-7270
→ 商工労働部企業立地課 電話024-521-7916
(県内観光地への影響に関すること)
→ 観光交流局観光交流課 電話024-521-7128
4 降雪量の不足による影響について
→ 観光交流局観光交流課 電話024-521-7286
5 トリチウムを含む処理水の処分方法について
→ 危機管理部原子力安全対策課 電話電話024-521-7252