■日時 令和2年4月20日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 トリチウムを含む処理水の処分方法について
【質問事項】
【記者】
福島県に緊急事態宣言が出た後、初めての週末でしたが、外出の状況等について、知事の受け止めを聞かせてください。
【知事】
先週、緊急事態宣言が全国に拡大され、本県においても、外出自粛をお願いしてから初めての週末となりました。この2日間、報道等を拝見しますと、やはり人の外出が大きく減ったという感覚を持っております。県民の皆さん一人一人が、不要不急の外出自粛をしていただいていることに、感謝を申し上げます。併せて、この新型コロナウイルス感染症との闘いは、人と人との接触を少なくしていくことが最も効果があります。県民の皆さんには、御負担をお掛けする側面が多々ございますが、これからも是非協力の継続をお願いしたいと思います。
【記者】
週末、新型コロナの陽性患者の確認が相次ぎました。この3日間で60人を超え、累計62人となりましたが、知事の受け止めをお伺いします。
【知事】
福島県において、感染症の陽性患者の数が62名となっております。特に、この1、2週間は、増加の程度が顕著になっているとい うことで、一層深刻な状況であると受け止めています。
こういった中、緊急事態宣言が全都道府県に拡大されました。県民の皆さんには、「3つの密」を避ける、外出を自粛していただく、事業者の皆さんには、従業員の方に極力、在宅での勤務をしていただく、勤務を行う際にも、「3つの密」を避ける、また、特に体調の悪い方が出勤し続けないよう、丁寧に対応していただく、こういった一つ一つの、一人一人の積み重ねが、今後の大規模な感染拡大を防いでいくための大切な鍵になると思います。県民の皆さん、事業所、学校等、全ての皆さんの御協力をお願いしたいと思います。
【記者】
福島県より感染者の確認が少ない山梨県や栃木県で休業要請を出しています。この休業要請について、知事は、今日以降、どう(対応)しようと考えていますか。
【知事】
ただ今お話があった件につきましては、鋭意検討を進めております。
【記者】
昨日の県の会見で、県内で初めて新型コロナに感染して入院した方が重症化したことが明らかにされました。一方で、重症者の人数は非公表でした。改めて知事から重症者の人数を非公表とする理由について教えていただけますか。
【知事】
まず、県内の入院状況について改めてお話をさせていただきたいと思います。感染が確認された方は62名で、退院された方が14名です。また、今、入院されている方は47名で、入院調整中の方が1名であります。ただ今お話があった件ですが、県として、今後、重症者の数を発表してまいります。現時点において重症化された方の人数は、入院者47名のうちの1名であります。
【記者】
昨日の時点で非公表としていながら、今日になって公表された理由を教えていただけますか。
【知事】
昨日は、実務的な担当者が対応しましたが、県として、重症者の数を公表するということで、今後方針を変えさせていただきます。
【記者】
先週の本部員会議の中で、知事は県の幹部に対し、速やかな県施設の利用停止、速やかな対応ということを求めていたと思います。県内で初めて感染者が出てから1か月余りが経っていて、重症化する人が出ることは、これまでも十分予測できたと思いますが、昨日の対応のように非公表となってしまうことは、スピード感に欠けると思いますが、どのように受け止めていますか。
【知事】
そういった御指摘はしっかりと受け止めさせていただきます。今後は重症者の数について、公表させていただきます。
【記者】
先ほど、休業要請について鋭意検討中ということでしたが、昨日、政府が、臨時交付金に関して、休業要請に係る協力金の支援についても認めると決定したと思います。改めて、政府の決定に対する受け止めと、今後、その制度を使って協力金を出すなどの考えをお聞かせください。
【知事】
現在、様々な観点から総合的に検討を進めているところであります。また、政府において、臨時交付金をそういった協力金財源に充当することもあり得るということで、一歩前進したと考えております。一方で、この臨時交付金は総額が1兆円であります。今回、緊急事態宣言の適用対象は47都道府県全てであり、またその中でも、特定警戒都道府県が13あり、この特定の13と残りの34の県をどう区分するかということが、この交付金の取扱いにおいて重要になってくるかと思います。
今後、政府として交付金の配分も含め、どういった制度設計をされるのか、しっかり情報を確認しながら、県としての対応を考えていきたいと思います。
【記者】
今回の枠組みの緩和に関しては、全国知事会を通じて要望された成果だと思いますが、1兆円という財源の不足を懸念される声が多いと思います。その1兆円の財源の不足に関しての要望を行う考えはありますでしょうか。
【知事】
先週、全国知事会のウェブ会議を行いました。まず国の経済対策108兆円の形が出ていて、今、組み替え等の議論もございますが、国として懸命に対応していただいていると思います。
一方で、例えば厚生労働省の交付金は、入院あるいは軽症者の受け入れ等に必要な財源に充てられるということでありますが、より詳しい制度設計を、速やかにしていただくこと、また、今お話のありました臨時交付金を仮に、協力金のようなものに充てていくとすると、この1兆円の枠で足りるのかという現実的な議論もございます。
したがって、今の経済対策の枠組みでどこまで対応できるのか、全国知事会として、あるいは福島県としてしっかり見極めながら、更なる政府への要請を行っていかなければならないと考えております。
【記者】
休業要請について現時点で検討中ということですが、知事は先日から、「全国統一の対応が望ましい」という考えを示していたと思います。一方で、これまで、協力金を出した上で休業要請をしている都道府県もあれば、やらないと明言している都道府県もあり、今後、国が統一の制度をつくれば別ですが、現時点では統一的な対応が難しい状況になっているかと思います。知事のお考えをお聞かせください。
【知事】
今の御指摘について、正にそのとおりだと受け止めています。休業要請と、いわゆる休業補償は一体的な議論が必要だということで、そういった意見を先週の会見で申し上げ、全国知事会において、これまで幾度も政府に対して要請してきました。
先週のウェブ会議の後も、鳥取県知事から西村担当大臣に対し、知事会の意見を訴えたところでありますが、現時点において、政府が統一方針で対応するということにはなっておりません。そういった中で、先行している7つの都府県、あるいは、それ以外の特定警戒都道府県等においても、今、具体的な動きが出てきております。全体的な動きが整理できていないということを前提に、福島県として今後どうしていくのかということを考える新しい局面に入りつつあると受け止めております。
【記者】
軽症者を受け入れるホテルについて、先週の知事会見で、「300室、早期に進めます」とおっしゃっていましたが、現在の状況について教えてください。
【知事】
軽症者の受け入れ施設の募集につきましては、2次募集においても、県内各地域から御応募いただいております。各施設の皆さんに改めて心から感謝を申し上げます。応募状況ですが、1次分と2次分を合わせて25施設、1,300室を超える部屋数の応募がありました。今後、新型コロナウイルスの感染状況や二次感染防止対策、医師や看護師の確保、宿泊施設の形態、立地などの諸事情を踏まえた上で、速やかに受け入れ体制を整えてまいります。
併せて、検査体制についてお話をさせていただきたいと思います。現在、一人当たり1検体で検査を行うことができる場合、(1日)最大150検体の検査が可能となっております。今後、県の予備費を活用し、1日120検体を検査できる機器を整備する予定です。これにより1日270検体まで検査能力が向上いたします。引き続き、民間検査機関と調整を図り、状況に応じて体制を拡充しながら、医師に必要と判断された方が確実に検査を受けられるよう対応してまいります。
【記者】
ホテルは早期に始めるということですが、時期的なものが言えるのかということと、検査体制として、270検体の検査が出来るのはいつからかということを教えてください。
【知事】
まず、軽症者の受け入れ施設については速やかに対応してまいります。
また、検査体制については、新しいタイプの設備を導入することになりますので、一定の期間がかかります。現在150検体可能と申し上げましたが、それ以外に、先ほど申し上げました120検体とは別に、更なる拡充も可能ですので、新たな120検体を受け入れるまでの間も、150以上の対応が出来ると考えております。
【記者】
先週、田村市在住の県職員、その翌日には県立図書館勤務の県職員の感染が確認されましたが、県庁内のリスク管理という点で、県としての対応があれば教えてください。
【知事】
まず、職員の健康管理につきましては、これまでも、咳エチケット、手洗いの徹底、また、「3つの密」を避けるよう、周知徹底をしてきたところであります。そのような中、先日、県職員あるいは市町村の職員の方が新型コロナウイルスに感染されたという事実を重く受け止めております。改めて、職員の感染防止対策を徹底してまいります。当分の間、全職員に対し、毎朝体温測定と体調確認を義務付け、職員が体調に異常を感じた際には直ちに自宅待機にするなど、職員一人一人の意識付けと健康状態の把握に努めてまいります。
また、職員の勤務体制も重要な側面であります。今回、緊急事態宣言が全国的に発出され、また、職員に感染者が確認されたことを踏まえ、職員の感染防止を更に強化するため、本日から在宅勤務を全庁的に実施することとしました。在宅勤務では、職員が日常使用する業務用パソコンの持ち出しを認め、自宅においてオフラインで作業をします。また、在宅勤務の導入を加速することにより、人と人との接触を出来る限り減らし、感染の防止にしっかりと取り組んでまいります。
【記者】
東京電力福島第一原発の作業に関して、こうした状況を踏まえ、縮小を計画しているという話が出ておりますが、県として何か要望などありますか。
【知事】
原子力発電所の廃炉対策を安全・安心に進めていただくこと、これを最優先とすることが県民にとって何よりも大切だと考えております。今回、新型感染症への予防対策も極めて重要な観点であります。現在、東京電力においては、感染症対策を行っていると聞いておりますが、そういった対策をしっかり講じていく中で、感染症対策と、安心・安全な廃炉対策の両立をしていただくことを県としてお願いしたいと思います。
【記者】
重症化患者について、どの患者が重症化したかということは個人情報に当たると思いますが、患者が今どのような症状であるかなどの具体的な症状については個人情報に当たらないと考えますが、いかがでしょうか。
【知事】
後ほど担当部局に確認いただければと思います。
【記者】
一昨日、各地で大雨がありました。今後、ゴールデンウィークが明けますと、梅雨の時期に入り、災害が起きた場合、避難所などが3密の状況になる可能性が高いと思いますが、そのような際の想定はされているのでしょうか。
【知事】
発災時に避難所を開設する場合、感染症対策に万全を期することが重要です。国からは、避難所が過密状態になることを防ぐため、指定避難所以外の避難所を開設するなど、可能な限り多くの避難所を開設するとともに、今あるホテルや旅館の活用等も検討するよう通知がありました。現在の新型コロナウイルス感染症の拡大状況も踏まえながら、市町村と連携し、今後の対応を検討してまいります。
【記者】
全国でPCR検査のドライブスルー方式の導入が徐々に始まっていますが、今後の導入について、県はどのようにお考えでしょうか。
【知事】
先ほど申し上げましたとおり、現時点においては150検体に加え、新しい検査機器を導入することによって拡充できる見通しがございます。こういった検査機器を活用しながら、また、今、現場で保健所や関係の皆さんに、本当に一生懸命取り組んでいただいております。こういった人的な体制もサポートしながら、検査体制をしっかり機能させていきたいと思います。
【記者】
在宅勤務について伺います。業務用PCのオフラインなら作業して良いということですが、オフラインでどれだけの仕事が出来るのかが分からないですし、在宅勤務の目標というのはあるのでしょうか。やる人がほとんどいないということも心配されますが。
【知事】
具体的な目標については、担当部局に後ほど確認いただければと思います。
今、御指摘いただいたとおり、オフライン環境下での在宅勤務ということになりますと、やはり実施できる業務が限られてくることになります。県民サービスを低下させることなく、今置かれたこの厳しい環境の中で、感染防止と業務の継続をどうやって両立させていくかが大切なポイントだと思います。オンライン環境での在宅勤務の実施に向けた検討を進めていく中で、両立を図る検討を深めていきたいと考えております。
【記者】
個人情報や、外に出せないデータなどいろいろあると思いますが、オンライン環境ということはセキュリティを向上させるということですか。
【知事】
はい。そのとおりです。
【記者】
先週、浜通りでトリチウム水の処理水の件で意見を伺う会がありましたが、コロナの感染拡大で、あまり国民的な議論に至ってないのが現状だと思います。この点について知事はどのように考えますか。
【知事】
今、トリチウム水や処理水について、様々な意見聴取が行われているところであります。先週、双葉郡等の市町村長さんも含め、大切なことを二つ申し上げております。1点は、農林水産業、観光業などに関する現状や課題を踏まえた「風評対策」、そしてもう1点は、トリチウムに関する「正確な情報発信」です。この二つについて、国及び東京電力において、責任を持って取り組んで欲しい、こういった意見がそれぞれあったかと思います。大切なことは、これが福島県の中で閉ざされた議論ではなく、全国の方にしっかり理解していただくこと、情報を出して受け止めていただくところまでが情報発信だと思っております。そういう意味で、国、東京電力においては、今の状況下でもありますので、より工夫をしていただくことも今後必要かと考えています。
【記者】
風評対策について、知事もこれまでおっしゃっているように特効薬がない状況で、国に対して具体的にどういった風評対策が効果的であると考えますか。
【知事】
風評対策には特効薬はなく、地道な取組が重要だと思います。私自身、平成23年、2011年の原発事故直後、副知事でありましたが、それからの3年半、また、その後5年余、知事として仕事をしておりますが、風評対策という非常に重い大きな壁の前で、トップセールスであったり、相手の方に対する訴えかけであったり、あるいは福島県の産品のおいしさや品質の高さを実際に伝える努力、また、実際に来て、見ていただいて、福島県が大きく変わっているということを感じていただく様々な取組、こういったこと一つ一つを積み重ねて9年余が経つ中で、一定の風評対策を講じることが出来てきたと思います。
一方で、例えば、54あった輸入規制の国・地域が、今20になっているかと思いますが、ある程度減ったとはいえ、福島県が原発事故前の主要な取引先としていた東南アジアの国々は輸入規制がかかったままであり、国内においても一定数の方が福島県産のものを避ける志向を根強く持たれているという事実があります。さらに、福島県産の農産物の価格について、9年余経っても全国平均や震災前と比べても低いという現状があります。こういった点について、国とも議論しておりますが、何かこれをやれば片付くというものはなく、やはり幅広く粘り強くやっていくことに尽きるのではないかと今の時点では考えております
(終了)
【問合せ先】
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課)電話024-521-7238
(軽症者の受入施設に関すること)
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7398
(県職員の感染予防及び勤務体制に関すること)
→総務部人事課 電話024-521-7032
総務部福利厚生室 電話024-521-7039
(廃炉作業への影響に関すること)
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
(災害発生時の避難所運営体制に関すること)
→危機管理部災害対策課 電話024-521-7641
2 トリチウムを含む処理水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
(県産農産物の輸入規制に関すること)
→農林水産部農産物流通課 電話024-521-7353