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知事記者会見 令和2年5月18日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年5月20日更新

知事定例記者会見

■日時 令和2年5月18日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 トリチウムを含む処理水の処分方法について
3 国際教育研究拠点有識者会議について

令和2年5月18日 福島県知事   動画を再生する

 

【質問事項】

1  新型コロナウイルス感染症について

【記者】
 休業要請解除になってから(初の)週末を迎え、若干人出も多く、感染の第2波も懸念されますが、改めて、県としてどのように体制を整備していくのか、医療や検査体制にどのように取り組んでいくのか教えてください。

【知事】
 緊急事態宣言が解除されて初めての週末を迎えました。この2日間、報道等を拝見しておりますと、緊急事態宣言の最中よりは、ある程度、人出が戻った部分もありますが、全体として、従来の人出に比べると、相当抑えられた状況だったかと思います。町に出ている方のインタビュー等を拝見しましても、皆さんマスクを着用され、緊急事態宣言が解除された受け止めとして、「『新しい生活様式』の中で、気を引き締めて行動していかなければいけない」、「第2波が怖い」という御意見が多くあったという印象です。
 県として大切なことは、「新しい生活様式」の定着にしっかりと取り組んでいくことだと思います。まだ緊急事態宣言が解除されたばかりなので、皆さん一定の緊張感を持っていただいております。特に、事業者の皆さんは、今、どういった対応をそれぞれの店でやればいいのか、悩みがら懸命に努力いただいています。そういった状況の中で、社会経済活動を段階的に再生させることが何よりも大切だと思います。業界団体ごとのガイドライン等も策定されておりますが、こういったものも参考にしながら、是非、「新しい生活様式」の中で、経済活動が再生出来るよう、県としても、財政的な支援も含めて取り組んでいきたいと思います。
 一方で、そういった形で社会経済活動が再生していく中、残念ながら、第2波が出てくる可能性もございます。今、福島県内は幸いにもある程度落ち着いた状態になっておりますが、今後、他の都道府県との交流が戻ってくると、そのリスクは高まってくるかと思います。そこで大切なことは、検査体制、医療体制を充実させていくことであります。
 まず、PCR検査については、現在、1日200検体(の検査)準備をしておりますが、これを来月までに(更に)120検体(の検査体制を)増やして、(合計)320検体で、毎日対応出来るようにしていきます。併せて、入院体制の充実も重要です。現在、病院において、229室のベッドを用意しております。加えて、福島市といわき市のホテルを確保し、(合計)300室を用意しております。現在、この529室に、(病院に)入院されている方が13名、ホテルに2名、計15名の方が入っている状況にあります。現時点においては、529分の15ということで、非常に安定的な状態にあると思いますが、やはり、第2波が来ることはあり得るという前提で、現在、県は800床(の確保)を目標にしているところであり、それに向けて、今後も関係機関と連携して取り組んでいきたいと思います。
 気を引き締めて「新しい生活様式」に移行していただくこと、また、市町村、医師会、関係の皆さんと連携し、第2波に備えた医療体制をしっかり構築していくことが重要です。こういった点を総合的に福島県として対応してまいります。

【記者】
 県は、休業要請を解除する一方で、「3つの密」が生まれやすい場所への外出自粛を求めていますが、例えば、福島駅周辺の飲食店の44%はスナックやバーであり、これらの店の多くは、規模が小さく、3密の回避が難しいのが現状です。取材したある店の経営者は、「『新しい生活様式』と言われても不可能だ。要請が解除されても自主的な休業を続けざるを得ない」と話しています。このような事業者に対し、県は支援を講じる考えはありますか。あるとすればどのような支援が考えられますか。

【知事】
 ただ今の御質問ですが、非常に難しい部分が含まれているなと感じております。今回、緊急事態措置の解除を県として行っております。一方で、解除しつつもやはりクラスターが発生しやすい店舗があり、福島県ではそういった店舗でクラスターが発生したことはございませんが、全国的に見ると、そういった結果があったという事実もありますので、対処方針においても、こうした店舗においては、より「新しい生活様式」への移行に対して気を配っていただきたいということが示されております。それぞれのお店の実情からすると、マニュアルやガイドラインどおりにいかないという苦渋もあろうかと思います。県としては、国の様々な経済的な財政支援制度と併せて、県の融資制度や、協力金あるいは支援金、こういったもので支援していくことにより、当面の対応をしていただけるようにしたいと思います。
 大事なことは、出来るだけ早期に、新型感染症を本当の意味で安心出来る状態に持っていくことかと思います。緊急事態措置が解除されても、安全宣言ではないので、県民の皆さん、事業者の皆さんには、今後も是非、様々な形で気を配って、自らの身を守っていただきたいというお話をしております。これをある程度継続していく中で、現に9日間、新規の感染者がゼロになっており、こういう状況を福島県で、あるいは周りの県で、さらに、ゆくゆくは日本全体でつくり上げていくことが本当の意味での経済・産業の再生につながると思います。
 そういった意味でも、まだ経過的な段階であり、全てが前のように戻るわけではありませんので、全体的に100点になることは難しいですが、出来ることを一つ一つ継続していくことが重要だと考えています。

【記者】
 協力金や支援金で当面の対応をしてもらうというお話がありましたが、新規(感染者)ゼロが続いているとはいえ、それは飲食店などの休業の協力のもとに成り立っているものだと思います。感染の本当の収束には、まだ時間がかかると知事もおっしゃっていて、当面の対応としては協力金や支援金などの制度がありますが、その先については、どのように考えていますか。

【知事】
 非常に難しい御質問だと思います。これは国全体の問題でありますが、今、こういった一つ一つの店舗全てが、すぐに従来どおりの営業が再開出来るわけではありません。そういった状況の中で、国、県、市町村それぞれの実情に応じて、最大限の支援策を考えております。それで当面の対応をしていただき、また、今後、これから1か月、2か月の推移を見ていく中、国においては、現在、二次補正予算の議論が進んでおります。県も6月県議会が近づいてまいります。そういった中で、適時、必要な対応を考えていくことが重要だと思います。

【記者】
 「新しい生活様式」の定着について、緊急事態宣言が解除されて、西村大臣が「気の緩み」という発言をして批判を受けました。緊急事態宣言が解除されて状況は変わりましたが、県がどのようにメッセージを発信していくか、メッセージの出し方というのは難しく、工夫しないと県民には届かないと思います。今後、「新しい生活様式」の定着について、どのようにメッセージを発信していくのか教えてください。

【知事】
 大事なことは、緊急事態宣言の解除、あるいは「出口戦略」という言い方もされていますが、「物事が解決してしまった」と完了形で受け取られることは非常に危ないと考えております。
 私自身は、前回の会見の時も、「緊急事態宣言の解除は、安全宣言ではなく、これから、むしろ新しい闘いを皆さんと一緒に行っていかなければならない」というお話をしております。この場所でも、こうしたポスターを提示しておりますが、これも実は、内容が変わっています。特に今回は、「県からのお願い」ということで「新しい生活様式」の定着について、三つの柱立てをして説明しております。時点時点で、県民の皆さんにお願いする内容は変わってきますので、このポスターも、今まで何度も内容を変えています。県においては、ホームページはもちろん、例えば、新聞の紙面、テレビ、そういったものを活用して、県民の皆さんに、その時点時点で必要なキーワード、あるいはメッセージを伝えてまいりたいと思います。私自身も、この「新しい生活様式」の定着がうまくいかないと、第2波、第3波が来てしまうという危機意識、これを伝えていかなければならないと思います。
 これまで県民や事業者の皆さんに頑張っていただいたおかげで、一定の落ち着きが出ているのは事実ですので、一人一人が努力を重ねていくことで展望が見えてきます。一方で、まだ継続しなくてはならない。自分で話していても非常に伝え方が難しいというジレンマを持っていますが、そういう努力を私自身も続けていきたいと思います。

2 トリチウムを含む処理水の処分方法について

【記者】
 福島第一原発のトリチウムを含んだ処理水の関係で、政府の方で様々な意見聴取が行われていますが、先週、福島市長が(会見において)、県内での処分が前提となっている点についての懸念を示され、全国的な議論が必要ではないかと問題提起されておりました。知事は、第一回の意見聴取会で意見を述べられていますが、こうした首長の動きや考えを踏まえ、現時点での処分場所についての考えをお聞かせください。

【知事】
 県としては、これまで国及び東京電力に対して、環境や風評への影響などを十分に議論の上、国民や県民に丁寧に説明しながら、慎重に検討を進めるとともに、具体的な風評対策の提示とトリチウムに関する正確な情報発信にしっかり取り組むよう求めてきたところであります。国及び東京電力においては、現在の新型感染症などの状況においても、トリチウム水の処分方法についての関心が低下することがないよう努めることはもとより、全国的な意見も含めた幅広い関係者の意見を丁寧に伺いながら、慎重に対応方針を検討していただきたいと考えております。

3  国際教育研究拠点有識者会議について

【記者】
 先週、浜通りに整備される予定の国際研究拠点について、復興庁とのやりとりがありましたが、その内容と国への要望がありましたら教えてください。

【知事】
 現在、国際教育研究拠点について活発な議論、検討が進められております。復興・創生期間は令和2年度でいったん終えまして、次の新しい期間に移行していきます。その期間において、浜通りに設置される予定の国際教育研究拠点の在り方が非常に重要だと考えています。福島ならではの研究を行う、そしてその研究開発のための拠点を国の責任において、しっかりとつくっていただく。この地域は非常に苦労されている地域でありますので、新しい時代における、例えば廃炉関係、再エネ関係、あるいは新たな農業など、地域の復興・再生を果たすための起爆剤となるような拠点となることが期待されています。既にロボットテストフィールドが全面開所しておりますが、今、日本中から、場合によっては世界中から企業や研究者が来て、様々なテスト、試験が活発に行われています。こういった拠点が新たに設置されることによって、地元の企業と連携しつつ、外から入った方々が新しい研究を行う、また、それが新しい起業や産業につながっていくということが、東日本大震災・原発事故からの復興を果たそうという浜通りにとって非常に重要であるという思いを、今共有しているところであります。
 中でも、(有識者会議)座長の坂根さんがいつも、「中途半端なものをつくっても仕方が無い。ターゲットをある程度絞って世界一を目指す研究開発をやるべき」と鋭く指摘されております。そういった福島ならではのジャンルが何かということを今後絞りつつ、かつ、国が主体的に関われる法人形態をつくり上げていくために、県としては、これからも何度も国あるいは関係の市町村と協議を重ねていきたいと思います。

【記者】
 復興・再生の起爆剤になり得るという話ですが、実際につくるに当たり、大学院、大学がいいのかといった、どういった形態が望ましいか。また、12市町村の避難指示区域になったところが一番被害があったと思いますが、どこの市町村がふさわしいのかなどの知事の考えを聞かせてください。

【知事】
 現時点において浜通りのあの地域には、高等教育機関がありません。したがって、大学院的な機能を持たせていくことは重要だと思いますし、また、一定の学位が取れるということも重要です。そこに国内有数の大学に実際に関わっていただいて、当事者として活動いただくことも非常に魅力となると思います。どういう形態が良いのかという様々な議論もしており、まだ完全に固まっているわけではありませんが、設置場所についても大事なことだと思います。設置場所については、様々な要望が各自治体からなされておりますし、今後、参加したいという大学の意向もあります。また、どういったジャンルを重点に据えるかによって、今、既存の様々な拠点がありますが、そういったものとの位置関係もあります。やはり県自身が様々な形で調整をしていくことが大事だと思います。国からも、県で調整して欲しいという話を頂いておりますので、そういった役割をしっかりと果たしていきたいと考えています。

 (終了)

【問合せ先】                                 

1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
(福島県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金、支援金、給付金に関すること)
→商工労働部商工総務課 電話024-521-7270

2 トリチウムを含む処理水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

3 国際教育研究拠点有識者会議について
→企画調整部福島イノベーション・コースト推進課