■日時 令和2年7月6日(月曜日)10時00分~10時15分
■会場 応接室
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 伊達市の大型商業施設計画について
3 熊本県等における大雨被害について
4 Jヴィレッジ除染に関する東洋経済新報社の記事について
5 帰還困難区域の新たな避難指示解除について
【質問事項】
【記者】
先日、福島テレビと福島民報が共同で世論調査を行いました。緊急事態宣言が解除されてから1か月余が経ちましたが、半数以上の方が「移動自粛をしている」との結果でした。この結果に対する知事の受け止めを教えてください。
【知事】
調査の結果を拝見しております。先般、県を越える移動が全面的に解除になっております。一方で、県民の皆さんの中には、「自分が移動することにより、新型コロナウイルスに感染してしまうのではないか」といった不安があるのではないかと思います。
また、ここ数日、東京都において、連日100人を超える感染が確認されております。(東京都の感染者数は、)一時期は落ちついていましたが、この一週間程度の動きを見ますと、急激に増加している傾向にあります。こういった動きを県民の皆さんが肌で感じ、「自分自身のリスクを出来るだけ減らそう」、「不要不急の県外への移動を避けよう」という気持ちを抱いておられると考えています。
こういった気持ちは、「新しい生活様式」においても重要だと思います。現在は、社会活動、経済活動を段階的に再生させるという一方で、自分自身が出来るだけ「新しい生活様式」を大事にし、自分の身を守るといった、このバランスを取っていくプロセスにあると考えております。
【記者】
知事も先週の本部員会議の中で、「より慎重な行動を」という呼び掛けをしておりましたが、東京都で4日連続(感染者が)100人超という現状もあります。今後の対応について、どのようにお考えなのか教えてください。
【知事】
東京において、連日、100人を超える新たな感染者が確認されていることを憂慮しております。
特に、東京都と福島県の交流は、経済面、社会面、文化面等において非常に活発であります。だからこそ、東京都における感染状況をしっかりと見極めながら、県民の皆さん、あるいは事業者の皆さんに対応していただくことが大切だと思います。現在、東京都の小池知事は、都民の皆さんに対して、不要不急の県をまたぐ移動は慎重にして欲しいというメッセージを送っておられます。(私から)福島県民の皆さんにお願いしたいことは、東京に移動される際は、移動先の感染状況に注意していただくことだと思います。
今、東京においては、特定の地域、特定の業種(の店舗)において、数多く感染が確認されています。そういった特徴を念頭に行動していただくこと、もう一つ大切なことは、3つの密を避ける、マスクを着ける、こういった自分の身を守る行動を徹底することだと思います。
県民の皆さんには、仮に東京等に移動される場合、こういった点に十分注意しながら、慎重に行動していただければと思います。
【記者】
今回の調査で、33%の方が「第2波に備えた医療体制の強化」を求めております。また、30%の方が「希望者全員がPCR検査を受けられる環境整備」といった医療体制の充実を求める声が多かったのですが、この点について、知事の考えを教えてください。
【知事】
福島県内においては、幸い、感染状況が落ちついている状況にあります。これも県民の皆さん、事業者の皆さんが、「新しい生活様式」をしっかり守って行動していただいているおかげだと思います。
一方で、東京、あるいは鹿児島県などでも、一旦クラスター等が発生しますと、多くの感染者が確認されています。これが「ウィズコロナ」であり、感染症と共に在り続けざるを得ない状況の一つの証左だと思います。だからからこそ、大事なことは、医療提供体制をしっかり充実させていくことだと思います。
まず、入院体制につきましては、病院のベッドを229床、そして、軽症者等を受け入れるためのホテルが100室、合計329室を準備させていただいております。福島県は、現在まで82例の感染者が確認されていますが、第1波のピークであった4月、入院している患者が一番多い時で、病院及びホテルを使っていたのは50名であります。現在、329の病院のベッド、ホテル等を準備しており、当面、安定的な対応が可能かと思います。一方で、今後、更に(感染が)拡大していく可能性もありますので、県としては、病院の入院体制をどう充実させていくかという議論をしております。
併せて、大事なことは検査体制です。PCR検査については、現在、1日当たり570検体まで対応できるようになっております。連日、100から150程度の検査数で推移しておりますが、当分の間、この検査体制で相当程度対応できると思います。以前は国の指針等を見て厳格に(検査を実施)しておりましたが、今は出来る限り検査をするという対応をしております。今後、仮に、県内で新たな感染者が確認された場合には、出来る限り幅広く周辺の方々を捉え、多くの方々を対象として、早めに検査を受けていただき、封じ込めていくことが重要だと思いますので、(県内の感染状況が)落ちついている今だからこそ、入院体制や検査体制の充実を進めていきたいと考えております。
【記者】
東京都は、都民に対して「東京都の外になるべく行かないでください」とお願いしていますが、福島県としては、東京都への移動自粛要請というのは、今のところ考えていないということでしょうか。
【知事】
現時点においては、県民の皆さんに「東京都に行くのをやめてください」ということはお願いしておりませんが、残念ながら、東京都の感染状況は日々厳しくなっているという現状があります。したがって、その感染状況に注意していただいた上で、慎重に行動していただくことが重要だと思います。県民の皆さんが、例えば、東京や鹿児島県に行かれる場合、今はどういった感染状況なのか、どういったところが発端で感染が発生しているかということを念頭に行動することが大切だと思いますので、そういった注意喚起を丁寧に行っていきたいと思います。
【記者】
伊達市のイオンモールの件で、福島市の木幡市長が、「商業まちづくり推進条例の観点から、県が調整役をして欲しい」という意向を示していますが、これについて知事はどのように考えていますか。
【知事】
現在、福島市、伊達市がそれぞれの立場での御意見を表明されている状況について、拝見しております。県としては、関係市町村などの意見や社会情勢を踏まえながら、関係する法律あるいは条例等に基づいて、適切に対応してまいります。
【記者】
双方のお話を聞くということで、積極的に調整役となる考えは今のところはないということでしょうか。
【知事】
現時点においては、条例に関する動きがないという状況を御理解いただければと思います。
【記者】
九州南部を襲った豪雨により、熊本県内で20人以上の死亡が確認されました。球磨村では、特別養護老人ホームの入所者が取り残されるなどの事案も発生しており、避難の難しさも浮き彫りになりましたが、今回の豪雨の知事の受け止めについて伺います。
【知事】
今回の熊本の水害の状況について、連日報道で拝見しております。(報道を拝見し、)心にすぐに浮かびましたのは、昨年の秋に福島県を襲った台風19号とその後の大雨災害の姿であります。(今回の被災した)映像を見て、本当に我が事のように心が痛む思いでありました。今回の水害によって亡くなられた方々に心から哀悼の意を表します。また、今なお被災地で苦しんでおられる方、悩んでおられる方が多数おられると思います。お見舞いを申し上げますとともに、現場で懸命に救助作業あるいは復旧作業に携わっていただいている皆さんに心から敬意を表したいと思います。
梅雨の時期でありますので、今後、本県においてもこうした水害が起こり得ると思いますが、事前の準備が何よりも大切であります。(県としては、)昨年の台風19号等災害を踏まえた検証を行い、中間取りまとめを行いました。その結果に基づき、今、各市町村、関係機関に対し、水害への備えや、新たな問題である新型感染症対策を行いながらの避難について、どう工夫すべきかを具体的にアドバイスさせていただいております。市町村においては、県の補正予算も活用して、旅館やホテル等を含め、出来るだけ避難する場所を増やす取組を行っていただいており、県民の皆さんにおいては、災害が発生した時に、自分たちの家族、仲間はどこに避難すればいいのかということを事前に考えていただく「マイ避難」や、(避難する際の)持ち出し袋の中に、今まで以上に消毒液やウエットティッシュ、マスクなどの感染症対策に十分対応できる物品を持ち歩くことも重要かと思います。こういったそれぞれの備えを行っていただけるよう、県として、今後とも取り組んでいきたいと思います。
【記者】
被害の全体像はまだ見えない中ですが、県として、熊本県などに物資や人員などの支援をする考えはありますか。
【知事】
福島県は、これまで2011年の東日本大震災及び原発事故、あるいは昨年の台風災害においても、多くの県、自治体、国民の皆さんから温かい応援を頂いてきました。今回の熊本の水害を受け、本県として、全国知事会とも連携しながら、出来る限りの支援を行っていきたいと考えております。
【記者】
東洋経済新報社の報道で、Jヴィレッジの復旧工事を巡る記者の問い合わせに関し、県エネルギー課が東京電力に記者の名前を漏らしたと報じられています。この件について、知事は把握していますか。
【知事】
記事に関する事実関係について、現在、確認中との報告を受けております。
【記者】
帰還困難区域の特定復興再生拠点区域外(の避難指示解除)について、先日、政府が「新たな解除の仕組みについて構築すべき」という考えを示しましたが、改めて、知事の考えをお聞かせください。
【知事】
避難指示の解除は、「放射線量の低下」、「除染や生活環境整備の進捗」、そして「地元との十分な協議」といった3つの要件に基づいて実施されるものと考えております。その上で、現在、国においては、市町村が土地活用への強い意向を示しているような場合に、線量低減措置の環境整備等を前提として、拠点区域外の避難指示解除を可能とする仕組みを検討していると聞いております。
避難地域は、復興の進捗状況が様々であり、環境もそれぞれ異なります。このため、国に対して、各自治体の意見を尊重しながら、丁寧に協議を重ねて、避難指示解除のための具体的な方針を早急に示すよう求めているところであります。
(終了)
【問合せ先】
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
2 伊達市の大型商業施設計画について
→商工労働部商業まちづくり課 電話024-521-7126
3 熊本県等における大雨被害について
→危機管理部災害対策課 電話024-521-7194
4 Jヴィレッジ除染に関する東洋経済新報社の記事について
→企画調整部エネルギー課 電話024-521-7116
5 帰還困難区域の新たな避難指示解除について
→避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8434