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知事記者会見 令和2年11月9日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年11月11日更新

知事定例記者会見

■日時 令和2年11月9日(月曜日)10時00分~10時10分
■会場 応接室

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 トリチウム水の処分方法について 
3 増子輝彦参議院議員の自民党会派入りについて

令和2年11月9日 福島県 知事   動画を再生する

【質問事項】

1 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
 北海道で相当の数のクラスターが発生しております。直接の因果関係は分かりませんが、寒くなったことによる「換気」がキーワードだと思っております。先週も同じような質問をしましたが、改めて、「換気」とコロナ対策をどう両立させていくのか、県の考えを伺います。

【知事】
 11月に入り、寒さが厳しくなってきました。最近の国内の感染状況を見ますと、北海道、青森、宮城など、寒冷地において感染が急速に拡大している傾向にあります。今後、11月、12月、1月と寒さが厳しくなるにつれ、冬場の感染拡大が懸念されます。
 基本的には、「新しい生活様式」(を実践すること)が一番大事だと思います。その上で、これまでは御家庭や店舗において、換気をしっかり行うことにより、感染リスクを減らすという取組を実施してきましたが、冬においては、これまでと同様に換気を行うことは難しいと思います。
 現在、政府において、西村大臣の下で専門家によるアドバイスをどういった形で出していくのか検討を深めていただいていると思いますが、冬の寒い時期においても、暖房等を利用しながら、窓を開ける幅を狭くする、時間を短くするなどの工夫をしながら換気を続けていただくことが、家庭内あるいは事業所等において、感染を防止する重要な方法になるかと思います。
 また、手洗いについても、冷たい水で洗うと辛いと思います。その場合、例えば、アルコール消毒液等を使うと殺菌効果があることは、既に科学的にも明らかになっております。
 今後、県として、国の方向性を見定めながら、冬場において気を付けるべき点を、県民の皆さんにしっかり発信していきたいと思います。
 特に、年末年始が近づき、多くの方は外食の機会が増えてくると思います。事業者の皆さんにおいては、是非、それぞれの店舗における換気を始め、基本的な「新しい生活様式」の徹底をお願いしたいと思います。併せて、(外食をされる皆さんには、)多くの人数で大きな声で長時間飲食すると、どうしても感染リスクが高くなりますので、ある程度の小人数で時間を区切って利用し、大声を出さないなど、お店で食事をする際に気を配っていただけると本当にありがたいと思います。

【記者】
 先週、郡山市の専門学校でクラスターが発生しましたが、知事の受け止めをお聞かせください。

【知事】
 郡山市の専門学校でクラスターが発生しました。非常に規模の大きい専門学校であり、現在、全ての学生と教職員の約2,000人にPCR検査を実施しているところであります。初期段階で発生した陽性患者に加え、連日、数百名ずつの検査を行っており、今のところ感染拡大は抑えられている状況にありますが、まだ相当数の検査が残っておりますので、その結果を注視していくことが重要だと思います。
 県としては、郡山市との連携を円滑に行うため、先週の4日から県職員1名をリエゾンとして派遣するとともに、先週6日から保健師1名を派遣したところです。こういった取組を通じて、郡山市と密接に連携しながら、今回のクラスターの拡大を抑え込んでいきたいと思います。  
 一度は(感染者が)減少した傾向にありましたが、今回のクラスターで十数名の感染者が確認されている状況です。したがって、今後、(感染拡大の状況が)落ち着いたということで気を抜かず、冬場に向かって、感染拡大のリスクは常に様々な場面であるということを、関係の皆さんに、引き続き訴えていきたいと思います。

2 トリチウム水の処分方法について

【記者】
 処理水の処分方法について、先月の意見を伺う場が終わる前後に、経産省が海洋放出以外の選択肢について否定的な見解をまとめていたことが分かりました。このことについて、県の受け止めと、まとめた文書を使って関係者に説明をしていたということですが、県に説明があったのか教えてください。

【知事】
 ただ今、お話のあった件について、私自身は状況を承知しておりません。
 いずれにしても、様々な意見が寄せられております。国においては、こういった意見を踏まえ、国の責任において慎重に対応方針を検討していただきたいと思います。

【記者】
 経産省への抗議や、事実関係の確認を行う考えはありますでしょうか。また、これが本当だとすると、(国が)海洋放出に向けた調整を進めていた可能性がかなり高くなりますが、最終決定後に県が意見を示すという考えに変わりはないでしょうか。

【知事】
 先ほど申し上げましたように、今回の件について、私どもはその状況を承知しておりません。処理水の取扱いについては、これまでも申し上げてきたように様々な意見があります。県内、県外、また、漁業者の皆さんの思いや立地自治体の思いもあり、難しい重要な問題であります。政府が責任を持って、方向性をしっかりと慎重に検討していくことが重要だと考えております。

【記者】
 処理水の風評についてお伺いします。海洋放出や大気中への放出などの処分方法に関わらず、どんなに科学的に処理水が安全だと言われても、国と東京電力を信用できないという声もあると思います。それが風評につながっていると思うのですが、例えば、第三者が処理水についてきちんとチェックした上で処分するなど、国や東京電力が信用されるためには、どういった方法があると考えますか。

【知事】
 現時点において、政府が方針を決めている状況ではありませんので、具体的にコメントする段階ではないと思います。
 その上で(回答しますが)、これまで原子力政策を巡っては、「科学的安全」と「社会的安心」の問題が常にありました。科学的な見地からは安全だということが明確であっても、一方で、社会的には安心であるとは受け止められていないというジレンマがあります。
 私たちはこの9年半余り、その問題に直面しています。一番の例が、農業や観光の「風評」です。
 福島県の農産物は、例えば、お米であれば、これまで全量全袋検査を継続してきました。野菜、果物、栽培した作物は全て検査しています。そういったデータが蓄積され、「科学的安全」がエビデンスを持っていても、御理解いただいている方もおりますが、中々風評が払拭できていないという事実があります。また、観光で福島県に行くことに、特に海外の方は、抵抗感が間違いなくありましたし、今でもある程度あるのではないかと思います。
 これも「科学的安全」と「社会的安心」のジレンマだと思います。したがって、政府においては「科学的安全」と「社会的安心」が、原子力政策の中には常につきまとうことを念頭に置いて、真剣に臨んでいただきたいと思います。

3 増子輝彦参議院議員の自民党会派入りについて

【記者】
 福島県選出の参議院議員の増子輝彦議員が自民党会派に入会しました。これを受けて、4年前の選挙で野党統一候補として当選した経緯もあり、支持した方々から批判的な声が上がっています。選挙で約束したことを任期中にどのように果たしていくのかについて、知事は、政治家としてどのように受け止めていますか。

【知事】
 今回の増子参議院議員の会派入りのニュースを拝見し、私自身も率直に言って驚きました。これについては、参議院議員である増子先生自身が、今後、説明責任を果たされるものと考えております。
 今、公約についてのお話を頂きましたが、私自身、福島県知事選挙にこれまで2回臨んでおります。その際、自分なりの公約、政策を具体的に掲げております。それは常にそれぞれの任期4年間において、自分の頭の中に入っております。そして、1期目の4年間、2期目は今ちょうど2年間ということになりますが、この公約は県民の皆さんに対する大事な約束であり、それをどうやって実現していくかに心を砕いております。私自身は、選挙において県民の皆さんにお示した政策目標を実現するために、4年間、力を尽くしていきたいと思います。

【記者】
 質問のお答えの中で、今後、(増子議員が)説明責任を果たしていく必要があるというお話がありましたが、現時点では説明責任が足りていないとお考えですか。

【知事】
 具体的に申し上げる立場にはございません。一般論として、政治家が自分自身の進退、あるいは今回のような一つの転換をされる場合には、政治家として説明責任を果たすのが一般的だという意味で申し上げました。

 (終了)

【問合せ先】                               

○質問事項

1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

2 トリチウム水の処分方法について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252