■日時 令和3年2月15日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室
【発表事項】
1 令和2年度2月補正予算の概要について
【質問事項】
1 福島県沖地震への対応について
2 新型コロナウイルス感染症について
3 中間貯蔵開始後30年以内の県外での最終処分について
【発表事項】
令和2年度2月補正予算の概要を発表いたします。今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策や国の補正予算を活用する事業を始め、緊急に措置すべき経費などについて計上いたしました。
その主な内容といたしましては、新型コロナウイルス感染症対策として、感染拡大に備えた入院病床の確保、医療従事者を支えるための手当金、個人向け緊急小口資金等の特例貸付、観光需要の増加に対応するための宿泊割引支援、そのほか、あづま陸上競技場の機能向上、自然災害に備えた河川や道路の防災力強化、また、除染に伴う除去土壌搬出事業やこれまでに計上した感染症対策事業を始め、事務事業の年間所要見込額の確定に伴う減額補正についても、併せて計上いたしました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、907億5千5百万円の減、本年度予算の累計額は、1兆5,108億4千百万円となります。
【質問事項】
【記者】
一昨日、地震がありましたが、発生時、知事はどこにいらっしゃって、この2日間どのように情報収集をされ、対策、対応に当たってきたか教えてください。
【知事】
今回の地震は、本当に大きな揺れがあり、衝撃を受けました。10年前、東日本大震災による巨大な揺れは、その後の津波や原発事故につながるものでありました。こういった地震が10年後に再度起きることで、東日本大震災の余波が今後も強く残るということを重く感じたところであります。
今回のこの大きな地震は、来月3月11日が東日本大震災から丸10年という節目ということもあり、県民の皆さんも特にショックを感じたと思います。
その後、各市町村長との連絡を密にしたいと思い、震度6強、震度6弱といった揺れを経験した市町村長と早速連絡を取り、対応を進めているところです。
ただ、御承知のとおり、今日も大雨警報(の予報)が出ており、本来であれば、この後、相馬市、新地町に行き、現地の状況も確認したいと思っておりましたが、それが難しいということで、急きょキャンセルすることといたしました。今後、改めて、できるだけ早いタイミングで視察を行いたいと考えております。
【記者】
今回の地震で、東京電力福島第一原発のタンクから水が漏れたという情報がありますが、これについての知事の受け止めと、どのように対応したのか教えてください。
【知事】
今回の地震により、昨日、東京電力が福島第一原発及び第二原発構内のパトロールを実施しております。使用済み燃料プールから少量の溢水、水たまりが確認されたものの、設備の安全面や周辺環境への新たな影響はなかったとの報告を受けております。
また、気象庁からの発表によりますと、今後1週間程度は同規模の地震の発生が想定されています。このため、福島県としても、引き続き、両発電所の地震による影響を注視してまいります。
【記者】
東京電力に対して指示というか、知事からお願いをするなどの対応はありましたか。
【知事】
今回、地震が起きた後、発電所の状況を、まず、担当部局において直ちに確認しております。私どもは、地震や大きな水害等が起きた際は、福島第一原発と第二原発の状況に問題がないかどうかを確認することが極めて重要だと考えており、(今回も)これを行っております。
その後、先ほど申し上げました(東京電力による)パトロールの中で、こういった状況の報告を受けておりますが、常日頃及び有事の際に、きちんと発電所の安全性、安定性が保たれているかどうかを確認することは重要だと考えておりますので、今後とも、この取組を継続し、その後のフォロー、状況の確認を行ってまいります。
【記者】
全国知事会のオンライン会議に知事も出席されていましたが、今後、国や知事会の支援が必要であるとか、何か求めることがありましたら教えてください。
【知事】
今回、東日本大震災と異なり、津波災害、あるいはその後の原発事故が発生した訳ではありません。いわゆる地震災害そのものですので、現時点において、直ちに広域支援や特別な支援を求めるという状況にはないと考えています。
今心配しておりますのは、今後の大雨災害、あるいは、これから1週間の中で、震度6強の地震の発生があり得るということです。これによって、2次災害が発生する可能性もあると思いますので、そういった状況を把握しながら、仮に、必要な場合には、知事会あるいは政府に対して、追加的にお願いをすることもあろうかと思います。
【記者】
揺れの大きかった地域の首長と直接やりとりをされているということですが、知事にどのような要望が寄せられているかということと、午前中の本部員会議で、知事はワクチンの接種対応に影響が出ないようにサポートをすることを指示されていましたが、今避難所として使われている施設などもありますが、どのようなサポートを県で考えているか教えてください。
【知事】
まず、地震の発生直後から、震度6強の3つの自治体である相馬市、新地町、国見町と、震度6弱の10数の自治体の首長さんのほぼ全員と連絡をとらせていただきました。(連絡をとったのが)深夜であったものですから、首長さんたちは、その時点ではまだはっきりとした状況把握はできていないとのことでした。また、それぞれが災害対策本部を立ち上げて、まず消防団に夜のうちにある程度見回りしていただいて状況を把握し、さらに夜が明けて明るくなってから、再度詳しく調べたいということを、皆さん言っておられました。
「揺れだけでいうと、東日本大震災に匹敵する、あるいは、場所によってはそれを上回る」というお話が(首長さんから)ありましたので、(私も)相当心配をしておりました。翌日、また何人かの首長さんに絞って電話しましたが、結果としては、東日本大震災時に比べて、ある程度、被害状況が抑えられているのではないかというのが、現時点での感覚であります。
首長さんたちからは、「県とコンタクトを取り、必要な物があればお願いする」というお話がありました。その後、具体的に、例えば、物資の支援や、県職員を派遣して欲しいというお話を個別に頂いており、あるいは、災害廃棄物が大量に出ることが見込まれるので、そういった点で力を貸して欲しいというお話も頂きました。それぞれの要望を受け入れて対応するよう、今、取り組んでいるところでございます。
また、ワクチンの関係ですが、これはまだ、各市町村長さんから具体的には言われておりません。今はまだ、目の前の(震災)対応に一生懸命取り組んでいただいておりますので、それにまず専念していただければと思いますが、ワクチン接種も今後のスケジュールを考えますと、今の段階からある程度具体的な取組をしていただく必要があります。それぞれの役場の人員体制が災害対応にシフトしてしまうと、人手が手薄になってしまうのではという、私の個人的な懸念もあり、本日、あの場で発言をさせていただきました。
今後は、県のほうからワクチン関係の対応をお聞きして、仮に災害対応で手薄になるという場合には、県として、何らかのサポートができないかということも、お話を伺いながらフォローしていければと考えております。
【記者】
確認ですが、サポートというのは、県からの人的支援も含めて考えたいということですか。
【知事】
御指摘のとおり、必要に応じて人的支援ももちろん行います。また、具体的なスケジューリングやマニュアルの設定についても、県で準備を進めておりますので、それをお渡ししながら個別に(お話を)聞いて、不足するところがあった場合には、できる限り人的支援、あるいは様々な実務的な作業の面でのお手伝いも含めてやっていければと考えています。
【記者】
これから雨が強くなってきて、自宅ではなく、避難所に行かれる方も多くなってくると思いますが、一方で、人が集まると避難所のコロナ対策が不安だと思われる方も多いと思います。この点について、知事からのメッセージがあればお願いします。
【知事】
大雨による今後のリスクが、一部地域では高まっております。県民の皆さんに明確に申し上げたいのは、危険を察知したら、避難所に行くことを優先していただきたいということです。避難所に行ってください。これが重要だと思います。
優先順位は、避難することです。もちろんコロナ対策で御心配の部分はあるかと思います。それぞれの自治体の現場を実際に見ていただくと分かりますが、従前に比べて、(避難所の)容量に対する人数調整をし、コロナ対応をされております。あるいは、相馬市のようにテントを設置して、よりはっきりと区分している自治体もあり、それ以外にも、手指消毒や換気、暖房、パーテーションなど、(各自治体で)非常に工夫をしておられます。
避難所に行ってコロナ対策が心配ということがないように、自治体が努力をされています。そういった点を念頭に置いていただき、危険を感じたら、自分の身近なところに避難することを何よりも優先していただければと思います。
【記者】
新型コロナに関しまして、今日から緊急対策後の新たな期間に入ったと思いますが、県民に何か訴えたいことがありましたらお願いします。
【知事】
昨日までの緊急対策期間中、県民の皆さん、事業者の皆さんには、様々な制限、制約をお願いしてまいりました。この間、皆様には本当に御理解いただき、しっかり対応していただいたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
そのおかげで、新規感染者数の発生数が落ち着き、明確に数字が改善傾向を示しております。また、病床のひっ迫率については、本日、3名の発生を報告させていただきますが、昨日、今日の数により、2日連続で(病床占有率が)25%以下という状況になっており、何とか一時期の(病床の)ひっ迫具合が落ち着いてきたという思いを持っております。ただ、そうは言っても、まだ25%に近い水準でもあります。
また、クラスターが最近継続して発生しており、クラスターの発生によって、1週間単位の新規感染者数は、先週よりも今週の方が少し増えているという状態です。そのため、(感染状況を表す)指標の一つがステージ3の目安を超えていますので、県民の皆さんには、今日から重点対策期間ということで、改めてお願いをしたいと考えております。
一点目は、特措法の24条9項に基づくものであり、東京等の緊急事態宣言地域など、感染拡大地域との不要不急の往来を自粛いただくことをお願いしております。併せて、今後、年度末の3月までの期間で大切なことは、新たなクラスターをできる限り発生させないことです。したがって、クラスターの発生につながりそうな対策にポイントを絞ってお願いしていきます。そのため、高齢者施設での対応や、飲み会等でできる限り気を付けて会食していただくことを来月までの重点対策期間中、県民の皆さん、また、ガイドラインを守っていただく事業者の皆さんに、重ねてお願いをしていきたいと思います。
【記者】
地震と(コロナの)重点対策の両方に関わることで伺います。月曜日からの営業に備えて、飲食店の方が準備されているところに地震が来たということで、ちょうどお酒をたくさん仕入れて、それが全部割れてしまったという業者さんもおられ、ダブルパンチで厳しいと思いました。民間の保険が適用される部分だとは思いますが、被害が深刻そうだったので、行政として何か考えていることがあればお聞かせください。
【知事】
今回の被害は地震に伴うものということもあり、直接的な支援は中々難しいところがあるかと思います。御指摘のとおり、テレビの映像や新聞の写真等を拝見しますと、今日から重点対策期間となり、(通常営業再開の)準備をしていたところで地震があり、店内が非常に散乱した状態でがっかりしておられる姿を見て、私自身も心を痛めております。
今後、県としてできることは、感染防止対策を講じながら、地域経済の維持・再生を段階的に行うということが重要だと考えております。重点対策を発表させていただいた時にも、今後、県としての様々な支援事業、県民割も含めてですが、「段階的にやります」というメッセージを県民の皆さんに発信させていただきました。これまでの緊急対策期間とはフェーズが変わったということを県民の皆さんにお示しして、感染対策を講じており、ガイドラインを遵守していただいているお店に行って、安心して食事を楽しんでいただくという雰囲気を徐々に醸成していくことも支援になるかと思います。
現在、新規感染者数がある程度落ち着いている傾向にあり、病院のひっ迫状況も緩和されつつありますので、何とかこの両輪を維持できるようにしていくことが、広域自治体としての大事な役割かと思います。
今日発表しました2月補正予算の執行もあり、令和3年度当初予算でも、段階的に地域経済の維持・再生を行い、明るい方向に持っていく努力を全力で続けていきたいと思います。
【記者】
重点対策期間が年度末までということですが、期間中に聖火リレーが予定されていると思います。(聖火リレーは)世界的なイベントであり、特に福島はグランドスタートの地点ということで、一定の人が集まってしまうことは避けられないと思いますが、重点対策期間を設定したことで、実施に与える影響については、どのように考えておられますか。
【知事】
重点対策期間における法律に基づく県民の皆さんへのお願いは、いわゆる感染拡大地域である緊急事態宣言地域等との不要不急の往来を控えていただくことであり、それ以外は、「新しい生活様式」を徹底していただきたいという(趣旨での)お願いになるかと思います。
御指摘のとおり、仮に聖火リレーを実施する場合、人が集まることを避けなければならないということについては、そのとおりだと思います。この点について、今、組織委員会から、どういう形態での聖火リレーが可能なのかといった複数案をお示しいただいており、どのタイミングでどういう形でやるかをいずれ判断していかないといけません。これはデリケートで難しい部分があると思います。
また、福島県はグランドスタートの地でもあり、その後、栃木県、群馬県、長野県と続いていきます。初期段階の各都道府県の状況や、福島県における感染状況、組織委員会の対応、こういったものを全て加味しながら、どういった形で聖火リレーを実施するのが、皆さんの安全の確保と、聖火リレーとしてふさわしい形になるのかを、様々な形で協議を続けていきたいと考えています。
【記者】
中間貯蔵施設関連で、(県内においては)30年の保管期間という約束があり、既に5年以上が過ぎていますが、現状では最終処分場の選定が難航することが予想されております。知事から見て、この30年という約束の実現可能性についてお伺いします。
【知事】
大事な御質問だと思います。中間貯蔵施設について、二つの側面でお話したいと思います。
まず、順調に進んでいる部分です。県内各地域で除染を行い、大量のフレコンバッグが発生しました。中間貯蔵施設は、大熊町、双葉町、あるいは双葉郡の皆さんに苦渋の決断をしていただき、受け入れていただきました。この中間貯蔵施設へのフレコンバッグの搬入は、順調に進んでおり、基本的には令和3年度中に完了となるかと思います。この点は、着実に前進している部分であります。
一方、御指摘のありました30年以内の県外での最終処分については、現時点で、今後のスケジュール、具体的な内容が明確になっておりません。私自身、環境省の幹部、特に小泉環境大臣とお会いする際、この点についてしっかりやっていただきたいということをお伝えし、小泉大臣自身も、その重要性、意義を十分理解していただいていると思います。
ただ、少なくとも現時点において、具体的なロードマップが描かれている訳ではありません。今後の取組について、県外最終処分は法律に記載されておりますので、福島県知事として、機会あるごとに、大臣を始め、政府に対して約束を守ることが何よりも重要だということを継続して訴えてまいります。
(終了)
【問合せ先】
○発表事項
令和2年度2月補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027
○質問事項
1 福島県沖地震への対応について
→災害対策本部(危機管理部災害対策課) 電話024-521-7194
2 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
(東京五輪 聖火リレーに関すること)
→オリンピック・パラリンピック推進室 電話024-521-7312
3 中間貯蔵開始後30年以内の県外での最終処分について
→生活環境部中間貯蔵施設等対策室 電話024-521-8043