■日時 令和3年7月5日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室
【発表事項】
1 全国高等学校総合体育大会男子サッカー競技の本県での固定開催について
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 県民限定の宿泊助成について
3 令和3年7月3日発生の静岡県熱海市における土砂災害について
4 ふくしま12市町村移住支援センターについて
【発表事項】
全国高等学校総合体育大会、いわゆるインターハイの男子サッカー競技について、令和6年度から福島県での固定開催が決定しましたので、発表いたします。
会場については、Jヴィレッジを主会場として、楢葉町、広野町、いわき市を予定しております。
大会前には、強豪校と本県高校とのテストマッチも想定され、本県高校サッカーの競技力向上はもとより、選手や保護者、関係者が多数来県されることから、人的な交流も盛んになり、浜通り地域の活性化につながるものと考えております。また、本県の復興の現状を直接見ていただくことは、風評・風化対策につながるとともに、これまでの御支援に対する感謝の思いを伝える絶好の機会になるものと考えております。
インターハイは、部活動に励む高校生にとって、憧れの舞台であります。毎年、全国の強豪校が、サッカーの聖地、そして福島県復興のシンボルでもあるJヴィレッジに集結し、熱戦を繰り広げることは、本県のサッカー少年や県民の皆さんに、夢と感動を与えてくれるものと期待しております。
【質問事項】
【記者】
新型コロナウイルス感染症について、最近は20人を超える感染者が確認されております。以前、知事は、「状況が悪化した場合には強い対策を早めに講じることも考える」と発言されましたが、現時点で何か対策を打つ予定があるか伺います。
【知事】
新型感染症への対応と現状の把握について、少し丁寧にお話します。
まず、首都圏を始めとして新規陽性者が増加傾向にあり、今後、全国的にも急激な感染の再拡大が危惧されています。福島県も5月の非常事態宣言、緊急特別対策に引き続き、6月には全県で重点対策に取り組んでいただくなど、県民の皆さんの御理解、御協力を頂く中で、感染状況が大幅に改善しました。しかし、先週から新規陽性者数の増加が顕著になっており、下げ止まりの状況から増加傾向に転じる動きが見られます。感染力が強い変異株への置き換わりによって感染拡大のスピードが早まる可能性も懸念されており、急激な感染拡大を食い止めるためには、今が正念場だと考えています。
次に、各自治体の状況をお話します。郡山市は新規陽性者が連続して確認されており、昨日時点における10万人当たりの1週間の新規陽性者数は11.15人とステージ3の水準には達していないものの、引き続き注意が必要です。さらに、病床についても、郡山市部のみならず広域調整を開始するなど、医療提供面でも厳しい状況となってきており、強い警戒が必要となっています。このように郡山市が感染拡大傾向にあることを踏まえて、郡山市民の皆さんには、改めて感染対策の徹底をお願いしたいと思いますし、郡山市に通勤、通学で通っておられる方、あるいは経済圏を同じくされている周囲の自治体の方々にも、慎重な対応をお願いしたいと考えています。
併せて、福島市と南相馬市の状況ですが、7月に入ってから福島市や南相馬市においても感染が相次いで確認されています。昨日までの感染者数69名のうち、福島市が17名、郡山市が18名、南相馬市18名と三市で計53名となっています。これは全体の77%に当たっており、(感染者が)三市に集中しているという状況です。
なぜこういった感染の拡大傾向が見られるかということについて、少し分析をしています。
6月以降の県内の感染事例では、緊急特別対策が解除されて、特に飲食の場を契機とした感染事例が多数確認されています。その飲食の場というのは、接待を伴う飲食店、あるいは知人、友人や知り合いの方との会食であり、これがポイントになっています。
具体的な事例を三つお話します。
一つ目は、飲食に伴う感染事例です。接待を伴う飲食店において、利用客から従業員、あるいは従業員から利用客、従業員同士の感染があって、更にその御家族に感染が広がった事例がありました。知人との会食においては、複数の会食の場に参加して感染が広がった事例がありました。
二つ目に、場面の切り替わりに伴う事例です。数百人規模といった大きな規模のスポーツ大会に参加され、その大会の間はマスク着用など感染症対策を適切に行っておられましたが、大会後に飲食店において有志による飲食の機会があり、その中で感染が広がっています。こうした事例は他にもあります。
最後に三つ目は、狭い空間での感染事例です。仕事の同僚等と車内で長時間を共にすることにより、結果として感染した事例があります。
この三つの事例は、6月、7月の象徴的な例で、こういったものが複数確認されておりますので、県民の皆さんには、是非こういった行為により感染リスクが高まるということを意識していただければと思います。
その上で、先ほど御質問のあった、当面、県として更なる強い対策、制限等を行うのかということについてですが、現在、病床の使用割合は良くない状況にあります。(病床の使用率は)27.6%で、先週に比べても大きく伸びており、ステージ3の状況にあります。ただ、七つの区分のうち一つがステージ3、残りはステージ2以下ですので、現在、「ステージ2相当」という状況です。
そういう中で、特に郡山市が感染の拡大状況が比較的顕著ですが、現時点において郡山市は11.15人、これは1週間当たりの新規陽性者数ですが、ステージ3の基準を下回った状態であり、一時期13.8人ぐらいまで上がりましたが、今は、若干落ちついた傾向にあります。とはいえ、県全体の平均が5.96人ですので、相当大きく上回っています。したがって、郡山市、あるいは最近少しずつ感染が増えてきている福島市、南相馬市は当然注意が必要ですが、今、エリアを限定して何か強い制限を直ちにかけるかというと、そこまでには至っていないと考えています。ただ、病床の使用割合は高まっていますし、御承知のとおり首都圏でも感染が拡大しており、さらに今、福島県ではアルファ株が主体ですが、今後デルタ株が想定されるという状況にありますので、予断を許さない状況だと考えています。したがって、県民の皆さんには、感染予防の基本対策をしっかり継続していただくことをお願いしたいと思います。
【記者】
新型コロナウイルス感染症のワクチンについて、自治体では国から供給量が少なくて計画の変更を余儀なくされている場所もありますが、県内へのワクチンの供給の現状について、知事の考えを伺います。
【知事】
一般の方などを対象にするワクチンについては、8月1日までの配分計画が国から示されています。これは、県内市町村の希望量に達していません。このままでは、計画どおりワクチンを接種できない事態が生じるのではないかと危惧しています。
また、希望される方へのワクチン接種を10月から11月にかけて完了するという国の目標を達成するためにも、各自治体において早期に接種計画を策定する必要があります。そのためにも、国が、ワクチンの配分計画を早急に提示されることが重要です。今、不足しているワクチンの早期の配分、さらに、今後のワクチン配分計画を早急に示すよう、これまでも全国知事会を通じて重ねて要望してきたところです。
また、私自身が、今、各市長さん、町長さん、村長さんと、このワクチンの関係について、毎週、現地に行く、あるいは電話で意見交換をしていますが、皆さん、我々と同じ思いです。25日にも、政府に対して知事会を通じて緊急要望を行ったところですが、今後とも、県として強く国に求めてまいります。
【記者】
7月8日から始まる見通しの「県民割」について、知事は以前、感染状況を見て開始時期を検討するとお話されていましたが、現段階で方針に変わりはないか伺います。
【知事】
まだ正式に決まったということではありません。率直に申し上げまして、この1週間の感染状況は、より厳しいものになっています。こうした感染状況、また病床のひっ迫割合、さらには、福島県のみならず近県においても感染が拡大している傾向にありますので、こういったものを総合的に見ながら慎重に検討すべきだと考えています。
【記者】
静岡県熱海市で土石流の大きな被害が発生しています。
東日本大震災時に静岡県から応援職員の派遣などの支援があったと思いますが、今後、静岡県から応援職員の派遣等の要請があった場合の対応について伺います。
【知事】
静岡県、特に熱海市を中心に、非常に大規模な大雨、土砂災害に見舞われていることに対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。
特に今、行方が分からないという方もおられます。こういった方が早く無事に発見されることを心から祈念しています。また、今後、復旧・復興に向かって歩んでいかれるということになりますが、1日も早く復旧・復興されることを、特に福島県は東日本大震災、あるいは台風、最近では地震等も経験していますので、正に同じ思いで、強く願っているところです。
今、静岡県や今回の豪雨災害で被害を受けておられる各県から、応援職員として福島県に来ていただいています。(応援職員の)御家族、知人等の状況について確認しておりますが、今のところ皆さんそういった点では問題がないという第一報を頂いています。
まず、こういった本県への応援体制の継続を講じていただけるかどうかについては、派遣元自治体の御意向を尊重しながら対応してまいります。
また、福島県では、例えば新型コロナウイルス感染症対策や自然災害対応で大変な自治体から職員を派遣してほしいという(要請があった)場合、短期間であれば積極的にお手伝いをさせていただいていますので、今後、そういった要請が知事会等からあった場合には、できる限り対応したいと思っています。
一方で、長期的な対応になると、福島県自身が全国の各県から継続的な応援を頂いている状況ですので、率直に言って中々難しい部分があります。
ただ、短期であれば、福島県全体の中でやり繰りも可能だと思いますので、そういった点での応援、あるいは、既に県内の各自治体が、熱海市に対して、自治体同士の相互応援で動いているようなので、こういったものについてもバックアップしていきたいと思います。
【記者】
県内でも土砂災害警戒区域が多く存在していますが、その点について、改めて、いつ災害が起きるか分からないという状況の中で、今回の件を受けて、県としての取組について検討していること等があれば伺います。
取組がない場合でも、改めてその危険性を知事としてどう受け止められているのか伺います。
【知事】
本県においても、土砂災害が想定される区域、特に急傾斜地域、中山間といった地域等において可能性が高い地域については、一定の指定等がなされているところです。
その上で、特にここ数年、梅雨期あるいは台風の時期等に大雨が集中的に降ることによって、土壌が弱くなり崩壊する可能性が高くなっています。あるいは、先般の2月の福島県沖地震の際も、結果として(道路の)側面が崩れてしまい、被害が発生したことがありました。
今正に梅雨期、あるいは今後は台風も想定されますので、広域自治体である県として、各自治体、国、関係機関と連携してパトロールしたり、重点的に注意すべき区域をお互いに認識しながら、状況をしっかり確認していきたいと思います。
特に今後、天気の動向により、福島県において集中的な降雨等が予想される場合には、できるだけ早く先手先手を打って対応する、避難を呼び掛ける、あるいは危ないところは通行止めにするということも有効ですので、できるだけ早期に手を打つことによって、人的な被害をなくす、また物的な被害も軽減させるといったことに、しっかり取り組んでいきたいと思います。
【記者】
静岡県熱海市での土石流について、先ほどもお話がありました職員の派遣に関しては、短期的なもので対応できるものについては対応したいということでしたが、例えば物的な支援や政策、もしくはアドバイス等、復旧・復興に関しては(福島県では)やっぱり一日の長があると思いますが、その辺りについて、県としての現時点での考えを伺います。
【知事】
我々は、2011年の東日本大震災、原子力災害以降、全国の数多くの自治体から本当に温かい御支援を今でも継続していただいています。したがって、我々としては、できることはできる限り恩返ししたいと思っていますので、物的な支援であったり、あるいはノウハウの支援であったり、そういったことは最大限取り組んでいきたいと思います。
【記者】
県内の土砂災害警戒区域というのがかなりの数があると、先ほどもお話がありましたが、正にこれから梅雨期で、先ほど国・関係機関と連携して広域自治体として、パトロールもしくは重点的に注意すべき区域を確認していきたいとお話しされました。これをきっかけに、改めてその注意喚起や、自分の住んでいるところを確認してもらうきっかけとしていただく、いいタイミングなのではないかと思いますが、その辺りについての考えを伺います。
【知事】
先ほどは、行政としての取組を話しました。今度は県民の皆さんに対するお願いです。
実は、それぞれの市町村において、この地域が土砂災害等の可能性が高いと言うことを示したハザードマップを既に作成しています。こういったものを、これまでの経験も踏まえて、住民の皆さん、特に今、梅雨期にあって、熱海市での大きな災害の例もありますので、改めて、今自分が住んでいる、あるいは自分が通っている学校や事業所も含めて、そういった地域においてどういったリスクがあるのかということを、もう一度点検いただくとともに、大雨が来ることは天気図等である程度予想できますので、その際には、家族で「これは注意しなければいけないね。気をつけよう」という声を掛け合っていただくなど、是非、この梅雨期に備えて、リスク対策をお願いしたいと思います。
【記者】
今月1日から富岡の合同庁舎に、移住支援の推進センターが設置されました。県内全体で見ると、移住者・定住者は増加傾向にありますが、被災12市町村の中で見ると、まだまだ人口が増えないという課題もあるかと思います。この施設への期待や、県全体にとって12市町村の移住・定住がどのように拡大していくことが重要なのかという知事の考えについて伺います。
【知事】
移住・定住政策は二つの意味で、福島県にとって、大事な政策です。
一つ目は、先般の国勢調査の結果を見ても分かるとおり、福島県全体が急激な人口減少にあります。その強い危機意識の中で、福島県の人口を大きく減らさず、極力減少幅を抑制していくために、移住・定住政策はその一つの基幹になると考えています。
一方で、福島県では、移住者・移住世帯数が震災、原発事故以降も大きく伸びている状況にあります。
先般、723世帯、1,100人余りという数値を公表していますが、毎年大きく伸びており、特に20代、30代、40代の子育てしておられる若い世代が73%以上を占めているという状況にあります。
今、新型感染症への対応の中で、リモートワークであったり、必ずしも人口集中地域ではないところで生活したいというトレンドがありますので、是非、県として、地方創生の一環として、県全体の移住・定住対策を前に進めていきたいと考えています。
二つ目に大事なことは、避難地域12市町村は人口減少の幅がほかの地域以上に厳しいことです。前回の国勢調査の際には、全町避難のためゼロでしたので、そこから比べれば増えたという見方ができるかもしれませんが、震災前の水準に比べれば大きく落ち込んだままというのが、多くの自治体の傾向です。
したがって、12市町村においては、まず、元々住んでおられた方々にふるさとに戻っていただく帰還政策が一番の基軸ですが、併せて、移住者や定住者に入っていただくことによって、地域の活性化、活力につながると考えています。
第2期復興・創生期間において、今、私が話した同じ思いを、国、県、自治体が共有していますので、今後、センターが発足していく中で力を入れていきたいと思います。
また先ほど723世帯(という移住世帯数)のお話をしましたが、浜通りも、平成23年には、確か6世帯と本当に少なくなりました。しかしその後、150世帯、160世帯というように大きく増えて、今、外から入った方がいろんなチャレンジを自分自身で一生懸命やられて、その地域の活力、その地域の復興に尽力いただいています。
こういった方々の人数をもっと増やしていく、そして大事なことは、ふるさとに戻った皆さんとコミュニケーションを密にして、力を合わせて、その地域の再生をしていくことだと思いますので、そういう点についても福島県として是非、力を入れていきたいと思います。
(終了)
【問合せ先】
○発表事項
1 全国高等学校総合体育大会男子サッカー競技の本県での固定開催について
→教育庁健康教育課 電話024-521-7777
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
2 県民限定の宿泊助成について
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7287
3 令和3年7月3日発生の静岡県熱海市における土砂災害について
(他県災害への応援(職員派遣(短期的)含む)、防災意識の醸成について)
→危機管理部災害対策課 電話024-521-7194
(応援職員派遣(長期的)について)
→総務部行政経営課 電話024-521-7093
(土砂災害防止対策、土砂災害警戒区域の指定等について)
→土木部砂防課 電話024-521-7493
4 ふくしま12市町村移住支援センターについて
→避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-1178