ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
ホーム > 「チャレンジ県ふくしま! ~ 福島県知事 内堀雅雄のページ ~」 > 定例記者会見 > 令和3年度 > 知事記者会見 令和4年3月14日(月)

知事記者会見 令和4年3月14日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年3月17日更新

知事定例記者会見

■日時 令和4年3月14日(月曜日)10時00分~10時25分
■会場 応接室

【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 ウクライナへの支援について
3 震災と原発事故から11年について

令和4年3月14日 福島県 知事  動画を再生する

 

 

【質問事項】

1 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  新型コロナに関して、「本県の新規感染者数が前の週の同じ曜日を上回る」という日が長く続いて、昨日発表でようやく「同じ数」というところになりましたが、まだまだ予断を許さない状況かと思います。
  まん延防止等重点措置が解除されてからまだ1週間ではありますが、今後の感染再拡大を想定した対策について、どのように考えているか伺います。

【知事】
  今、御指摘を頂きましたとおり、2月28日の数値から3月11日まで、10日余りでありますが、この間、前の週の同じ曜日を上回るという状況が継続しています。
  一方、この週末ですが、3月12日が、その前の曜日と同程度、そして本日、この後公表する数値は232名ということで、先週が249名でありましたので、若干下回っており、この週末はどうにか踏みとどまったという状況です。
  ただ、いずれにしても、まん延防止等重点措置解除の前後を含めてですが、福島県内における感染状況は、全体としてリバウンドの傾向にあるというのが事実でありますので、状況を注視しているところです。
  こちらのスライドを使ってお話をしますが、今、福島県内の感染状況は「レベル2」です。特にレベル判断に当たり使用する三つの指標がありますが、「療養者数」は新規陽性者数が増えている傾向にありますので、それに伴って増えていて「レベル3」です。
  また、「病床の使用率」は「レベル2」、「重症者病床の使用率」は「レベル1」という状況です。
  現在、高齢者施設等のクラスターが2月に比べてある程度下がっている状況の中で、逆に言うと、若い世代のウエイトが高まっている中で、病床の使用率は一定程度、安定しつつある状況にあり、50%の水準から大分下がっており、現在、30%程度のラインで抑え込めているというのは、プラスの部分かと思います。
  そこで、今後の感染拡大傾向をどのように抑えるのかという御指摘については、キーとなる一部の都市における感染拡大傾向を、どのように抑え込んでいくか、ということであります。
  現在、先週の金曜日の(福島県新型コロナウイルス感染症対策)本部員会議で新しい5市への対策を示しています。(それは)会津若松市、郡山市、白河市、喜多方市、二本松市、この5市です。ちなみにこの5市を除いた54市町村(のグラフ)ですが、こちらになります。これを見ていただくと分かりますが、まん延防止等重点措置の解除前、解除後もほぼフラット、減ってもいないのですが、ただ、明らかに増えておらず、平行で推移しています。
  それに対して、残りのこの5市でありますが、二本松市は「人口10万人当たりの1週間の新規陽性者数」が438名、会津若松市が360人、白河市が248人、郡山市が219人、喜多方192人と、この5市以外と比べて、大幅に上回っている状況であります。
  ただ、白河、郡山、喜多方はここ数日、若干の低減傾向が見られます。二本松と会津若松は残念ながらまだ増加傾向にあります。
  いずれにしてもこの5市が、それ以外の市町村の平均と比べても明らかに高い状況にありますので、この5市における新規陽性者数の拡大を抑えていくことが重要です。
  そこで、この(増えている)中身を分析しますと、やはり5市は、10代以下、20歳未満の年代が4割から5割、二本松は5割ですが、これぐらいのウエイトを占めていますので、子ども関係の施設での感染拡大をどうやって抑え込んでいくかということがポイントになります。
  そこで、先週金曜日の本部員会議で、これまで、県の感染拡大防止重点対策としてお示しをしていた三つのポイントに加えて、四つ目のポイントを、特に5市向けに加えました。
  具体的な内容としては、御家庭や子ども関連の施設で、より気をつけていただきたいことを示しています。
  濃厚接触者がいる御家庭では、お互いにマスク着用や部屋を分けるなど、感染対策を徹底していただくこと、御本人だけではなく、同居する御家族も毎日の体調管理に注意をしていただくこと、さらに、同居する御家族が濃厚接触者と判明した日から数日程度、出勤、登校、登園等を控えていただくこと。
  これは、残りの54市町村以上に踏み込んで注意をしていただきたいところを示しています。
  また学校、幼稚園、保育所といった子ども関係の施設においても、例えば学級・学年閉鎖、分散登校、オンライン授業、こういったものも含めて、機動的に対応していただくことが重要だということを申し上げています。
  この内容については、5市は市長に対して、副知事から直接お話をして、毎日市長さんたちと連絡をとらせていただいて、この5市が明らかに感染の増加傾向が他の自治体に比べて多いわけですので、一緒になって抑え込んでいこうというメッセージを出しております。
  ただ、全体として、この週末には、若干の低減傾向も見られていますが、ポイントは、今週の平日だと思います。今週の平日でリバウンド傾向を抑制する方に持っていけるのか、あるいは一部の都市でこういった拡大が続くのか、今、正に勝負どころだと思っておりますので、是非、皆さんのお力もお借りしながら、特に感染が拡大している地域では、より一層踏み込んだ感染対策、また、福島県民、事業者の皆さん全体に対しては、基本的な感染防止対策をしっかりと講じていただく中で、地域経済、地域社会の再生の両立に、取り組んでいきたいと思います。

【記者】
  今の知事の発言では、感染割合がこの5市で高いということですけれども、その中で、家庭内で子どもさんが感染した場合に、家庭内感染で親の世代にも拡がっていく、または、親が外で感染し、子どもさんにうつるというパターンもあると思います。
  これらを踏まえ、今後、更にリバウンドの傾向が見られた際には、再度、飲食店に対する営業時間短縮の要請や、県民に対する不要不急の外出自粛を要請するという対策も、選択肢としてはあるのか伺います。

【知事】
  感染が本当の意味で急拡大する傾向にあれば、その選択肢は当然あります。
  ただ一方で、18都道府県において、まん延防止等重点措置が、まだ適用を継続しておられますが、先週の政府の分科会の議論を見ておりますと、基本的に、全国的に解除をするという方向になって、新しい解除基準というものも示されています。
  我々が解除をした時以上に、ある意味緩やかな基準が示されようとしていると受け止めております。福島県の場合は、一定のリバウンドが見られていますが、現時点においても、全国的に見ると、どちらかというと優秀な県であります。
  したがって、福島県自身は、我々が解除した際の基準、いわゆる厳しい基準で見ても、状況は変わっておりません。今後、その基準が更に緩められるということになりますと、おそらくまん延防止等重点措置の適用になるということは、一定のリバウンドがあっても、すぐに対象となることはないと考えておりますし、特に先ほど飲食店の話をされましたが、現時点において、飲食店等のクラスター等は確認をされておりませんので、やはり今は、先ほど御説明したような、例えば学校関係や御家庭での感染対策に気をつけていただく中で、何とかリバウンドを抑え込んでいくということが、当面の基本的な戦略だと思っております。
  また、実は福島県だけではなくて、まん延防止等重点措置が解除された県、我々と同時のところだけでなくて更にもっと前から、例えば山口とか山形もそうですが、そういった県でもリバウンドの傾向というものが見られます。
  特に、これから年度末、年度始め、春休みでもありますので、人と人との交流がより密接になる可能性もあります。いずれにしても、病床のひっ迫率が極端に上がらないように、皆さんの意識を喚起しながら、基本的な対策を継続していくことが大事だと思います。

【記者】
  コロナの子どもへの対策で伺います。私も子どもがいますが、家庭でマスクするのはちょっと非現実的で、正直できないと思っているのですが、子どもの感染を防ぐ上で、例えば、PCRのプール検査を週に何回か実施するなど、早期発見をする仕組みのようなものを、全県ではなくとも、まずは5市やってみるなど、何か別の対応にできないのか伺います。

【知事】
  まず、お話の前半でありました、御家庭において通常の状態でお子さんも含めてマスクをして生活(する)というのは、これは難しいと思います。
  金光先生は、感染症の専門家ですので、当然どちらかというと安全対策については、厳しいスタンスでお話をされます。金光先生も、「御家庭でいつもマスクを付けろ、ということはとても言えない。それはなかなか難しいだろう」ということは、かねがねお話をされています。
  先ほど「マスクをお願いしたい」と言いましたのは、あくまでも濃厚接触者がいる御家庭での話です。したがって、濃厚接触者がいる場合は、できる限り、もちろん2歳とか3歳とか小さいお子さんに(マスクを)してくださいということではないのですが、できる方はマスクをつけていただくとか、部屋を極力分ける、動線を分ける、時間差をつける、こういったものは必要かと思います。それがお互いのためでもあろうかと思います。
  ただ、先ほどおっしゃったように、一般的にやってくださいということを、県として申し上げているわけではない、ということを前提としてお話をいたします。
  また、後半の検査体制をより拡充させるということも、一つの手法だと思います。ただ御承知のとおり、オミクロン株は世代時間が非常に短い、要は、うつるスピードが速いのです。例えば、今日、今10時15分ですけど、この段階で検査をした。そこで恐らく、抗原(定量)検査、抗原(定性)検査が多いと思います。かなりの人数をやるということを前提に言われていると思いますので、仮に5市で抗原(定性)検査を行うとしても、その時間以降、1時間後2時間後にどなたかと接触して(感染する)ということを言い出すと、なかなか難しくて、今、政府でも行われていますが、ワクチン検査制度の議論、検査をしてから一体どれくらいが有効なのかというところが必ずしも明確になっていないという点もありますので、検査キットも、以前に比べると少し増えてきていますが、なかなかそれだけ大量に検査するのは現実的でないということと、加えて、それがどの程度有効期間があるのか、さらに、特に抗原(定性)検査キットの場合は、判別の確実性がどうしても劣るというところがありますので、この点も難しく、議論の対象になると思うのですが、直ちにそれを福島県で適用していただきたいということであると、まだ検討が必要かなというのが率直な思いであります。
 
【記者】
  もう一点。オミクロン株は、デルタ(株)と比べて、後遺症が強いのではないかなど言われています。例えば、子どもが感染して、仮に後遺症を持ってしまうと、将来的にどうなるのだといった不安もあります。この辺の調査や、後遺症に対する対策については、どのように考えているか伺います。

【知事】
  後遺症につきましては、感染症からの回復後、多くの方は症状が改善して、罹患前の健康状態に戻られます。一方で、症状が長引いたり、新たな症状が出現する方も一定数おられることが報告をされています。
  後遺症については、一般医療の中で対応できるものが多く、まずはかかりつけ医や地域の医療機関につなぐことが重要であるとされています。このため、福島県においても、後遺症を訴えられる方が身近な医療機関で相談・受診できるよう体制を整備したところであります。
  また、後遺症を訴える方の相談・受診について、円滑な対応ができるよう、かかりつけ医等に対して、後遺症の理解を深めるための研修会を2月9日に開催しました。さらに、県民向けには、県のホームページで、後遺症についての情報提供や相談・受診先の案内をしているところであります。引き続き、後遺症を訴えられる方への適切な対応に努めてまいります。
  また後遺症の問題は福島県だけの問題ではなく、全国の問題でもあります。
  そこで、国全体の知見を持って対応した方が、医学的にも更に適切かと思いますので、全国知事会においても、是非、政府において責任を持って対応していただくよう、重ねて求めているところであります。

 

2 ウクライナへの支援について

【記者】
  先週土曜日に、首相が陸前高田市と石巻市に訪問した際、両市長よりウクライナからの避難民を受け入れるとの申し出があったと明らかにしました。
  現在、福島県内では、そうした申出や相談をした自治体があるかどうかについて伺います。また、併せて、県としての考えについても伺います。

【知事】
  まず、ロシアの軍事侵攻によって戦火に巻き込まれているウクライナ国民の皆さんの安否を心から案じています。
  ウクライナからは、震災後、閣僚や駐日大使等が県庁にも来られ、「福島の復興に協力したい」など、温かい言葉をいただきました。また放射線に関する専門家が福島県を訪れて、大学での研究やシンポジウムを行っていただきました。国際社会が連携をすることで、1日も早い平和的解決が図られることを心から願っております。
  そして、今、ウクライナの皆さんに対する支援についてでありますが、まず、人道支援に協力するために、先週から県庁の本庁舎等に、日本赤十字社のウクライナ人道危機救援金に係る募金箱を設置し、来庁された皆さん、あるいは職員の皆さんに募金を呼び掛けているところであります。これからもこういった人道的支援、熱心に行っていただいている関係の団体、機関等と連携をしながら、できる限りの応援を行っていきたいと考えています。
  また、避難民のお話を頂きました。避難民の皆さんについて、今、県内の具体的な自治体、というところは聞いておりません。ただ、国が受入れを表明されています。今後、避難の動向、また国の対応、あと全国知事会の対応等もあろうかと思います。こういった必要な情報を収集し、今後避難された方々が、本県に滞在をされる場合には、関係機関と連携をしながら、温かい支援を行っていきたいと考えております。

 

3 震災と原発事故から11年について

3 震災と原発事故から11年について
【記者】
  先週金曜日で震災から丸11年、そして12年目に突入しました。これまでも知事は、何度も今後の課題であったり、取り組んでいくことなどの説明をされているかと思いますが、この1年に取り組むべき重要課題であったり、どういったことをしていかなければいけないのか、改めて12年目に入った現時点で、思うことがあれば伺います。

【知事】
  福島県は東日本大震災、東京電力福島第一原発の事故から11年が経過をし、12年目に入った今もなお、本当に多くの様々な課題を抱えています。
  具体的に申し上げますと、避難地域の復興・再生、被災者の生活再建、第一原発の廃炉と汚染水・処理水対策、風評と風化の問題など、本当に数多くの課題を抱えており、我々はまだまだ長い戦いを続けていかなければいけません。
  そのような中で、やはり11年目から12年目に切り替わるに当たって、これまで既存の課題ももちろんありますが、復興が進むことで、新たな課題というものも生まれてきます。
  特に、避難地域特有ではありますが、例えばこれまで、いわゆる避難指示が解除された地域と帰還困難区域のように、避難指示が依然かかっているエリア、ここにやはりどうしても新たな分断というか、線引きがなされてしまいます。また帰還困難区域の中でも、まず先に避難指示が解除される復興拠点と、復興拠点外のところに新しい線引きがなされます。また、古里に「さあ帰るぞ」と言って(避難指示が)解除されて帰られる方と、「まだ決められねえんだ」、あるいは、「このままどうするかちょっと決め切れないし、やっぱりもう帰らない」と決められる方もおられるわけですので、そういった方々の意識の間にも溝ができ、復興が進むことによって新しい課題が生まれてくるという現実があります。
  今後12年目以降は、こういった部分に対するウエイトがより高くなろうかと思います。
  さらに12年目に入り、今後、年々重くなってくる課題として、私自身が考えていますのは、やはり風化の問題です。
  東日本大震災、原発事故から昨年はちょうど10年という節目の年でありました。東京オリンピック・パラリンピックも開催され、復興五輪の一翼として、福島県も関わらせていただきましたが、節目の年に比べると、やはり今年は新型感染症、ウクライナへの侵攻の問題等もあり、報道でのウエイトというものが減ってきているな、というのが率直な印象です。
  今は11年です。これからは、12年、13年、14年と、節目ではない年が、続きます。そういう中であるからこそ、この風化を抑制するために、我々自身が積極的な情報発信をしていかなければいけないと考えています。
  ただ、悩ましいのが、新型コロナウイルス感染症の影響で、我々自身が、例えば東京に行ったり、北海道に行ったり、沖縄に行ったり、あるいは世界に行ったりして、リアルで情報発信できるかというと、なかなか難しいという部分があります。
  昨日、白河市でふくしま復興を考える県民シンポジウムを2時間半開催しました。コロナ禍のために、リアルの観客は100人。あとオンラインでも参加をしていただくようにハイブリットにはしていますが、実際に来られた方は、2時間半、私はお顔を直接見ていますし、終わった後も何人かの方とお話ししましたけど、やはりリアルだと福島の課題や、頑張っている地域のチャレンジャーの姿や思いがよく分かった、来てよかった、というリアルなものを感じていただけるですが、オンラインだと、皮膚感が若干違うなと考えています。
  さらに、そもそも開催を御存じない方もいらっしゃるというのが現実ですので、どうやったら伝えられるのかというところを、特にコロナ禍では模索していかなければいけないと思います。
  ただ風化の抑制なくして、長い戦いを勝ち抜いて復興を成し遂げることは出来ないと考えていますので、今後とも県の様々な施策も、ハイブリッドな対応も含めて、できるだけ知恵と工夫で進化(深化)させ、情報発信を強化し、風化をできる限り抑制していくことに力を尽くしていきたいと考えています。

 

(終了)

 

【問合せ先】

○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

2 ウクライナへの支援について
→生活環境部国際課 電話024-521-7182

3 震災と原発事故から11年について
→総務部政策調査課 電話024-521-7184