■日時 令和4年5月16日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 新型コロナウイルス感染症について
2 物価の高騰について
3 令和4年福島県沖を震源とする地震から2ヶ月について
4 特定復興再生拠点区域の避難指示解除について
5 「県民健康調査」検討委員会・新座長選出について
6 福島県知事選挙について
【質問事項】
【記者】
新型コロナウイルス感染症で疲弊する地域経済の活性化対策について、お伺いします。
本日16日から、感染対策に関する県民への注意喚起のメッセージが、感染へのトレンドに合わせた内容になりました。
飲食業界からは、需要喚起策である「オールふくしま 食べて応援キャンペーン」の早期開始を求める声がありますが、知事として、どのタイミングで開始する考えか伺います。
【知事】
「ふくしま飲食店応援事業」についてであります。
昨年11月から、認定店の普及拡大と飲食需要を喚起する目的で、プレミアム付電子食事券を発行する「オールふくしま 食べて応援キャンペーン」を実施しています。
今年1月に、再びまん延防止等重点措置が福島県に適用されるなど、飲食店や食材を提供される生産者、関連事業者の皆さんにおかれては、大変厳しい影響を受けておられます。
そうした中、飲食需要の喚起と地域経済の活性化を図るため、4月末までとしていた利用期限を8月末まで延長し、食事券の追加販売を行うことといたしました。具体的には、5月分の追加販売については、5月18日、あさっての12時にスタートいたします。
また、全ての追加販売分を一度に販売するのではなく、5月、6月、7月に分けて販売することで、食事券の効果が長期間に及ぶようにしていきたいと考えています。そして、6月及び7月の販売時期については、改めてお知らせさせていただきます。
なお、5月13日に公表した感染対策を踏まえて、キャンペーン公式のLINEアカウントや公式サイト等において、飲食時には同一テーブル4人以内、そしてテーブル間の距離をとって移動しない、会話の際のマスク着用などの注意喚起を行います。
県が認定をしている飲食店においては、感染対策をしっかり行っていただいております。県民の皆さんには、是非この食事券を活用して、安全対策を講じながら認定店での飲食を楽しんでいただければと思います。
【記者】
マスク着用の見直しについて伺います。
先日13日に岸田首相の発言もありましたが、緩和を含めたマスク着用の見直しの可能性について伺います。
【知事】
松野官房長官が先週11日の記者会見で、マスク着用に関して、「人との距離が十分とれれば屋外では必ずしも必要でない」との認識を示されました。また同日の全国知事会と政府との意見交換会においては、屋外でのマスク着用の在り方について、国に新たなルールづくりを求めているところであります。
加えて、12日、参議院の厚生労働委員会において、岸田総理は、「今の段階で、マスク着用を緩和することは現実的ではない。」とした上で、屋外で2メートル以上の距離があれば、マスクを外すことを推奨する考えを示されました。
先週、福島県の本部員会議においても、金光感染症対策アドバイザーから、新型コロナウイルス感染症は飛沫やエアロゾルによる感染が最も多く、現時点で、マスクの着用を全面的に緩和することは現実的ではないという、岸田総理と同じような御意見を頂いております。
また、感染力の高いオミクロン株の特性、本県における現在の感染状況等を踏まえますと、やはり密になる場面では、引き続きマスクの着用をお願いしたいと考えています。
ただ、熱中症のリスクが高まるこの時期においては、水分摂取をしっかりと行っていただくことと、屋外で人との十分な距離が確保できる場合には、マスクを外していただくなど、状況に応じた判断をお願いしたいと考えています。
また今後、政府において、特に屋外でのマスク着用の在り方など、様々な意見交換が行われて一定の方向性が出てくれば、それに伴って、県としての対応も考えていきたいと考えております。
【記者】
物価の高騰に関してお尋ねします。
世界情勢の変化で国内の物価が上昇して、当然、県民生活にも影響が及んでいることと想定されます。県として、どのような対策を講じる考えか、また現状での検討状況、今後の方針について伺います。
【知事】
現在、我が国全体で、原油価格あるいは物価高騰というものが進んでいるところであります。
現在の世界の情勢等も流動的であり、まずは、今後の動向をしっかりと見極めていかなければいけないと考えています。現在、政府もこの物価対策について、補正予算を講じながら迅速に手を打っていきたいということを表明しておられます。
県においても、県内の第一次産業、第二次産業、第三次産業、あるいは県民の皆さんお一人お一人の生活に対する影響というものを、しっかりと注視しながら、政府の施策と連動し、また市町村とも力を合わせながら、今後、物価対策についての検討を進め、実行していきたいと考えています。
その際には、県議会の御理解も重要でありますので、今後、県議会の皆さんともしっかり連携を図っていきたいと思います。
【記者】
本日で、本県沖を震源とする地震から2か月が経ちます。
被災住宅や事業者への支援策が固まる一方で、復旧がまだまだ進まないところもあると思いますが、まず現状をどう受け止めているかについて伺います。
【知事】
本日で3月16日の地震発生からちょうど2か月となります。改めて、今回の地震により亡くなられた方に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、甚大な被害を受けられた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。生活の基盤となる住家の被災棟数については、現在、2万棟を超えています。調査が進むことで、今後も新たな被害が明らかになっていくと思われます。
こうした中、県では、被害状況等の確認を速やかに行うため、県職員の派遣に加え、県内市町村や他の都、県からの応援職員にも御協力を頂き、被災自治体と共に、住家の被害調査や罹災証明書の発行などに取り組んでいます。
また、災害救助法に続き被災者生活再建支援法についても、県内の全市町村に適用し、住家の修理など、被災者支援に努めているところであります。
災害救助法の対象とならない住家被害に対しては、市町村と連携し、県独自に支援するための予算措置を行ったところであり、市町村においても、準備が整ったところから受付を開始しているところであります。
中小企業等に対する支援については、先般、国から示された支援策を踏まえて、事業継続に向けた施設等の復旧や資金繰りを支援するため、予算を措置したところであります。
今回の地震は、平成23年の東日本大震災と原子力災害、令和元年の東日本台風、昨年の福島県沖地震に加えての、重ね重ねの災害ということであります。被災された方々が一日も早くもとの生活を取り戻すことができるよう、引き続き国、被災市町村、関係の皆さんと共に、全力で取り組んでまいります。
【記者】
関連して、市町村への人的支援というお話がありました。支援を速やかに進めていく中でとても重要かと思うのですが、現状、十分と考えていらっしゃるか、また、どのように進めているかということも含めて伺います。
【知事】
現在、特に震度6強、6弱といった大きな被害を受けられた自治体から、個別にこういった人的支援をお願いできませんかというお話を頂いております。それに対しては、県として最大限、基本的に全て対応するということで取り組んでいるところであります。
ある意味、被災直後のピークの段階が過ぎておりまして、ある程度、落ち着きも見せておりますが、自治体からもう少し人的支援が欲しいということであれば、広域自治体としてしっかり支援してまいります。
【記者】
6月にも、帰還困難区域の一部地域で避難指示の解除が始まる見通しになっていますが、それについての受け止めを伺います。
また、住民の中には、まだ、「原状回復には程遠いんじゃないか」と、例えば放射線量についても、3.8μSv/h以下とは言われますが、事故前と比べればかなり高い状況で下がりきっていない、こうした住民の不安への受け止めというか、そうした住民が多くいる中で解除になることについて、どのように考えているのか、併せて伺います。
【知事】
現在、双葉町、葛尾村等において、拠点区域内、あるいは拠点区域外の今後の方向性についての住民説明会等が、頻繁に行われているところであります。
これらの説明会等の中で、住民の皆さんから、「今後の方向性はどうなんだ」、「我々は安心してふるさとに帰ることができるのか」、あるいは、「政府にはまだ積み残しの課題が幾つかありますが、そういったものを早く示してほしい」など、様々な御意見が出ているところであります。
現在、国においても、これらの声を受け止めながら、鋭意作業を進めていただいていると思います。ただ、首長さんたちのお話を伺いますと、説明会において住民の皆さんの疑問に全て答え切れているわけではありません。
例えば、家屋の解体についての方向性であったり、あるいは除染の範囲をどうするか、今後、住民の皆さんの意向調査を具体的にどう進めていくか、これらの点が、幾度も意見が出ているポイントだと思いますので、今後、順次示し、御理解を頂いていくことが重要だと思います。
また今ほど御質問がありました、自分が帰ろうとしているエリアの放射線量の問題は、当然ながら、住民の皆さんが一番心配している部分であります。現在、専門家が入って、モニタリング調査を行い、更にそのデータを町や村の検討委員会において検証し、町長さん、村長さんに対してレポートを出す、そして、政府からの説明がある、あるいは町や村からの検証についての説明があるという中で、安心して帰還できる線量になっていますよということをお示ししております。
また、ある程度時間が経つと、特に山林の近くなどでは、線量が戻ることがあります。その場合のフォローアップ除染をしっかり行うことも、町民、村民の皆さんの安心につながると思いますので、こういった対応も含めて、政府に対してきめ細かく、避難自治体や住民の皆さんの思いを形にするように、県としてしっかりと求めていきたいと思います。
【記者】
最初の質問で、そもそも、11年経ってようやく帰還困難区域の避難指示が解除されることは、復興にとって前向きに受け止めていいことなのか、知事のお考えを伺います。
【知事】
2011年の原子力発電所事故から、丸11年が経過しました。
これまで、県全体の面積の12%ぐらいが避難指示区域でありましたが、それが5分の4程度解除されて、2.4%のエリアが避難区域として残っています。
そのメインは正に「帰還困難区域」であり、その中の拠点区域と拠点区域外それぞれについて、一定の方向性が示され、準備宿泊というものを経て、順次、住民の皆さんが帰ることができる、この「帰ることができる」ということは、間違いなく復興の前進の一つの姿だと思います。
ただ御承知のとおり、放射線量の状況によってエリアが分断されるというところがあり、同じ字(あざ)の中でも、放射線量が高いところと低いところがある。あるいは、避難指示を解除できる程度に低線量のエリアの中でも、「すぐ帰りたい」という方もいれば、「まだまだ帰れない」あるいは「もう帰らないと決めている」など、様々なお考えがあります。
この考えそのものは、住民の思いを尊重すべきだと私は考えておりますが、様々な考え方や受け止め方がありますので、分断が生じてしまうおそれがあります。
したがって、今後、避難指示解除を進めて、復興の動きを進めていく中でも、丁寧な説明や、今すぐ戻れない方、あるいは戻らない方であっても、ふるさととのきずなを結べるような、そういったソフト面での施策を行いながら、避難指示解除を進めていくという、きめ細かさが重要だと考えております。
県としては、自治体からハード事業やソフト事業として、「こういったものをやりたいんだ」というお話を頂いています。
また今後、政府への要請活動を行っていくことになりますが、その際には、知事として、しっかりと訴え、避難地域の皆さんへの対応に取り組んでいきたいと思います。
【記者】
先週、「県民健康調査」(検討委員会)の座長に高村氏が推薦で承認されましたが、座長として(高村氏へ)期待することを伺います。
【知事】
先日、第44回「県民健康調査」検討委員会において、委員の互選により、長崎大学の高村昇委員が新たな座長に選出されました。
高村先生におかれては、震災後すぐ福島県にお越しをいただいて、本県復興のために御尽力を頂いているところであります。検討委員会においては、放射線と健康に関する専門的見地から長期間にわたって貴重な御意見を頂いてきました。
今後は、座長というお立場で、引き続き、お力添えを頂きたいと考えております。
【記者】
改めて、知事選について、3選立候補への考えなどを伺います。
【知事】
先週の土曜日の会も含め、様々な方々から叱咤激励の言葉を頂いております。
困難な課題に直面しているこの福島県政に、一日、一日、真剣に取り組みながら、私自身の考え方について検討を深めていく、その思いであります。
(終了)
【問合せ先】
○質問事項
1 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
(オールふくしま食べて応援キャンペーンについて)
→商工労働部商工総務課 電話024-521-7270
2 物価の高騰について
→商工労働部商工総務課 電話024-521-7270
3 令和4年福島県沖を震源とする地震から2ヶ月について
→危機管理部災害対策課 電話024-521-7641
4 特定復興再生拠点区域の避難指示解除について
→避難地域復興局避難地域復興課 電話024-521-8439
5「県民健康調査」検討委員会・新座長選出について
→保健福祉部県民健康調査課 電話024-521-8219