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知事記者会見 令和4年10月3日(月)

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年10月12日更新

【質問事項】

1 只見線全線運転再開について

【記者】
  JR只見線が1日に全線で運転を再開しました。これに対する知事の受け止めと今後の利活用について考えを伺います。
 
【知事】
  まず総論であります。JR只見線は、沿線地域にとって欠かすことのできない、重要な交通インフラであるばかりではなく、秘境を巡るローカル線として、国内外からの人気が高く、地方創生を成し遂げるための起爆剤としても必要不可欠な存在です。正に会津地域の宝、福島の宝であります。10月1日、全線で運転が再開されたことから、今後、生活はもとより、観光、教育など、多くの皆さんに利用される日本一の地方創生路線を目指し、発展させていきたいと考えています。
  また、JR只見線が数多くの困難を乗り越えて全線運転再開に至った過程を知っていただき、実際に来て、見て、乗っていただくことが、正に被災地を巡るホープツーリズムそのものであり、持続可能な観光交流に向けた福島SDGsツーリズムにもつながると考えています。
  今後は、県が保有する鉄道施設等の維持管理を行っていくとともに、地域資源の磨き上げや新たな魅力の創出、只見線ならではのおもてなしを展開するなど、地元の自治体や関係団体、只見線を応援してくださる全ての皆さんと力を合わせて、利活用の促進に取り組んでまいります。
  また、特にその利活用促進に当たって大切なことは、誰の利活用を促進するかということであります。大きく分けて三つあるかと思いますが、まず地元の皆さんに利用していただくこと。そして二つ目は、県内外、国内の皆さんに利活用していただくこと。そして三つ目は、感染症の状況も踏まえながらではありますが、インバウンド、海外の外国人観光客の方に訪れていただくこと、この三つの視点が重要だと思います。
  この只見線、先ほどホープツーリズム、あるいはSDGsツーリズムというお話をしましたが、異例の復旧過程をたどっております。
  2011年7月の新潟・福島豪雨から11年経ってようやく再開した、この11年間の年月のうち、実際の復旧工事は4年から5年です。つまり半分以上、6年間をかけて、そもそも鉄路として復旧するかどうかというところを、地元の皆さん、JR東日本、国土交通省と一緒に慎重に協議を重ねてきました。
  その結果、バス路線転換という道ではなく、鉄路の復旧ということを、地元の負担を前提とした上下分離方式、この方法をとった上で、新たな道を是非、皆でつくろうという総意を固めたわけであります。
  したがって、一定の負担というものを地元が決意をしつつ、一方で、やはり線路が途切れてしまっては鉄道ではない。つながってこそ鉄道でもありますし、自然災害に見舞われ、それで鉄路が切れて終わりということではなく、もう一度未来に向けて線路をつなごうという思いで、10月1日、皆さんが思いを一つにしたところであります。
  そこで、利活用でありますが、先ほど会津の宝、福島県の宝というお話をしました。地元の我々が只見線のことを大好きなのは当然なことでありますが、一方で、JR只見線はこれまでも全国で非常に高い評価を頂いております。
  例えば、好きなJRローカル線ランキングで第1位。もみじ・紅葉が美しい鉄道路線として第1位。また、最近ですが、外国人が選ぶ日本マル秘観光地ランキングでは、第2位であります。
  ちなみに今、三つランキングを説明しましたが、最初の二つは両方ローカル線、そして最後の一つは鉄道に限っていません。例えば、第1位に選ばれているのは、長野県南木曽町の妻籠宿であります。第3位は千葉県館山市のシャークダイビングとなっています。
  したがって、鉄道という概念ではなくて、日本全体の観光地の中で、外国人、インバウンドの方が興味を持っているものの上位二つに入っている、これが只見線の非常に本質的な魅力だと思います。
  特に今、10月11日から新型コロナウイルス感染症が全国的にある程度落ち着きを見せる中で、全国旅行支援が再開します。
  また、インバウンドの関係でも、水際対策が緩和されて、今後、外国人の観光客の方が日本を訪れるチャンスが間違いなく増える。そういう時、もともと評価されている、このランキングで高い評価を頂いている只見線がちょうど全線再開した、しかも、そこに苦労に苦労を重ねたホープツーリズムの本質があるということを伝えていくことで、より多くの皆さんに来ていただいて、来て、見て、乗って楽しんでいただくこと、これがこの地域を活性化していく大きな起爆剤になると期待しているところであります。
  ただ、改めて申し上げますが、相当程度の地元負担があるわけでありますので、決して容易な道のりではないと思います。
  けれど、地元の自治体の皆さんと6年かけて協議した上で、上下分離方式という道を選択しておりますので、利活用促進をして、「JR只見線再開してよかった」、「地域にとって、また宝としての魅力が増したね」と言っていただけるように、皆さんと力を合わせて取り組んでいきたいと思います。

2 安倍元首相の国葬儀について

【記者】
  先週、安倍元首相の国葬儀に参列なさいましたが、会場でどのような印象を持たれたか、賛否が割れる中でしたが、その辺りについて伺います。
 
【知事】
  先週、安倍元首相の国葬儀に参加させていただきました。
  厳粛な雰囲気の中で、それぞれの弔辞、友人のことば等が示された上で、厳粛に行われたと考えております。
  各県の知事、それぞれも参加されながら、私も含め、哀悼の意を表しているところであります。
  一方で、やはり国民の皆さんの中には、様々な御意見があるというのが現実かと思います。
  今後、臨時国会も開会するわけでありますが、政府としての御説明がなされるものと考えております。

3 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  コロナ対策について伺います。
  全数把握の見直しから1週間が経ちました。先週の本部員会議では特に大きな混乱がないということでしたが、この1週間の受け止めと、何か課題として浮かび上がってきたことがあるのかどうかについて伺います。
 
【知事】
  新型コロナウイルス感染者の全数届出については、先週26日から全国一律で見直しがなされ、福島県でも運用を開始したところであります。これまで大きな混乱はなく対応できていると受け止めています。
  医療機関においては、発生届の入力事務作業が大幅に削減されました。また、保健所においても、疫学調査を行う対象が発生届の対象者に限定されたため、これまで以上に重症化リスクの高い陽性者の皆さんの対応に専念できる体制となっています。
  陽性者の届出は重症化リスクの高い方に限定されていますが、本県では、発生届の有無にかかわらず、体調急変時の相談や宿泊療養・食材支援など、患者の皆さんに対する必要な支援を継続しているところであります。具体的に申し上げますと、発生届の対象外となる方については、医療機関の協力を頂きながら、受診する際に、療養の案内等を徹底しています。
  あわせて、療養者から相談があった場合には、関係機関と必要な情報共有を行うことができるように、フォローアップセンターを窓口にした支援体制を強化しています。
  フォローアップセンターでは、24時間体制で症状悪化時の健康相談、宿泊療養や食材支援の要望を受け付けるなど、今回の見直し前からの支援内容を変わらず継続しているところであります。
  県民の皆さんの命と健康を守るために、重症化リスクのある方は、専門的に徹底して対応する。また、軽症、無症状の方に対しても、必要に応じて、臨機応変に手を差し伸べる、この両方の体制を、見直し後も継続していきたいと考えています。
  一方で、感染の状況ですが、現在、このような月間の状況になっております。9月は総じて、前の週の同じ曜日を下回っており、ある程度順調に減少傾向を継続していましたが、直近の1週間を見ていただきますと、1週間の中で3日間、前の週の同じ曜日を上回っているという状況にあります。
  したがって、ある程度下がってはいるのですが、下げ止まりの状況にあると受け止めております。2千、千という水準に比べますと3桁になったことは、県民の皆さんや事業者の皆さんの努力が形になっているということで、非常にありがたく思っているのですが、一方で、下げ止まっているというところは懸念しております。
  したがって、県民の皆さんには、感染対策の徹底、基本的な対策を是非、継続していただきたいと考えています。
  特に、先ほど御質問のあった全数届出の見直しというものは、感染対策を緩めていいというメッセージではないのです。感染対策に変わりはありません。前も後も一緒です。日々やっていただくことは変わらないということをお伝えしたいことと、特に今週末も3連休がありますが、秋でお祭り、行楽等のイベントがあると思います。参加されて結構だと思っておりますが、ただ、その行動制限がないということが、感染リスクの高い行動をしてもいいということではないのだということを、改めて県民の皆さんや事業者の皆さんにお伝えして、今、下げ止まりの傾向にあるのですが、このまま3桁から、是非2桁になっていくような、こういう取組を福島県全体でやっていけると、地域経済、社会の維持・再生を更に前に進めることができるということになりますので、こういった点を、県として、県民の皆さんや事業者の皆さんに、お伝えしていきたいと考えています。

4 アントニオ猪木氏の逝去について

【記者】
  アントニオ猪木さんが亡くなられました。
  震災後に被災地に来て被災者を元気づけるなどの活動があったと思いますが、どう受け止めておられるか、知事御自身の関わりも含めて伺います。
 
【知事】
  私自身、アントニオ猪木さんにお会いをしたこともありますが、本当に華があり、体も大きく、笑顔も素敵で、また声も大きい。非常にパワー、エネルギーがみなぎった方だなというのが印象であります。
  特に東日本大震災、原発事故以降も、福島県に来ていただいて元気づける、特に被災者の皆さんに、もちろん望まれた方に対してでありますが、(元気づけの)「張り手」をするということは、恐らくアントニオ猪木さんにしかできない荒技であり、また素敵な魅力だと思います。ああいった形で震災後、特に元気のなかった人々や地域を元気づけていただいたことに、心から感謝を申し上げたいと思います。
  また御自身が難病とずっと闘ってこられ、非常に苦しい時期も長くあったと思います。その時期においても、敢えて自分の弱い姿、苦しんでいる姿を発信することも含め、人の生き様というものを我々に見せていただいた、そういう意味でも、本当に正に波乱万丈な人生だったと思うのですが、多くの方から愛される貴重な存在だったかと思います。
  心から御冥福をお祈りしたいと思います。

 

5 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について

【記者】
  先週、原子力規制委員会の更田委員長が退任されました。新しく山中委員長になったわけですけれども、先週、(更田元委員長が)日本テレビのインタビューで燃料デブリの取り出しについて言及されていますが、その内容については把握されておられますか。
 
【知事】
  すみません。それは拝見しておりません。

【記者】
  (インタビューにおいて、更田委員長が)燃料デブリの取り出しに関して、ゼロにするのは難しいと。いわゆる技術的には難しいので、現場で一旦固めてしまう、安定化させてしまうのが現実的な選択肢であると。こう言及されていますが、そもそも福島県は、燃料デブリの取り出し、終わり方についてどういうスタンスをとってきたか、どういう方向性を持ってきたかについて、まず伺います。
 
【知事】
  まず、福島第一原発の事故、2011年の3月に発生しておりますが、極めて苛酷な事故であり、世界でも前例のない、ワーストクラスの事故であると考えています。
  それによって避難区域の設定、そして地域に住んでおられた皆さんが法律によって強制的に避難生活を余儀なくさせられ、また、その後も徐々に避難指示の解除は進んでいますが、原発事故からの避難地域の復興・再生は、いまだ入り口に立ったばかりの地域もあるなど、本当に困難な状況が11年半継続しています。
  したがって、こういった事故は二度と起こしてはいけないというのが、福島県民、また日本全国でも皆さんの総意かと思います。
  そういう中で、今回その御発言全体の流れですとか、背景が分かっておりませんので、直接のコメントは難しいと思いますが、まず、県として、使用済燃料、あるいは燃料デブリも含めて、しっかりと取り出していただくこと。また、いずれ、県外できちっと最終処分をしていただくこと、これを福島県として、また、立地自治体等を含めて、共同で経済産業大臣等に毎年要請を行っております。毎年というのは、共同要望は単発でありますが、県としての政府予算対策には、毎年入れ込んでいるところであります。
 
 
【記者】
  かつて、NDF(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)が戦略プランの中で「石棺」に言及した時に猛抗議された経緯がありますけれども、今回、把握はされていないということですが、言ってしまえば「石棺」と同義のことを(更田元委員長が)おっしゃっている。当時と変わらず、(県としては)「石棺」というものに対しては断固として認めないと、全て取り出して県外に出すのだということは変わらない、という理解でよいですか。
 
【知事】
  結構です。

 

6 全国旅行支援について

【記者】
  全国旅行支援については、政府で今月11日から開始できるということですけれども、福島県についても11日から開始でいいのかということと、制度設計について何か決まっていることがあれば伺います。
 
【知事】
  全国旅行支援については、福島県では、10月11日の宿泊分から適用を開始いたします。現在、詳細について詰め、関係者と調整を行っているところでありますので、担当部局にお問合せを頂ければと思います。
  ただ、大切なことは、感染対策をしっかり講じるということであります。これまでも、コロナウイルス感染症との対応において、旅館、ホテル、あるいは宿泊事業に関わる皆さんは、この2年半もしっかり対応していただいて、私が知っている限りでは、福島県の中で観光関係のクラスターが発生したということはないかと思いますが、今後、全国割や海外からのお客様も増えてくるという状況かと思います。一定程度鎮静化していますが、まだまだ予断を許さない状況でありますので、是非、観光関係の皆さんには、感染対策をしっかり行っていただきつつ、笑顔でおもてなしをして、福島で素敵な思い出をつくって帰っていただく、こういった全国割になることを期待しております。

 

(終了)

 

【問合せ先】

○質問事項

1 只見線全線運転再開について
→生活環境部只見線管理事務所 電話0242-93-5155
(全国旅行支援について)
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7287

2 安部元首相の国葬儀について
→総務部秘書課 電話024-521-7009

3 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238

5 東京電力福島第一原子力発電所の廃炉について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252

6 全国旅行支援について
→観光交流局観光交流課 電話024-521-7287