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知事記者会見 令和5年2月2日(木)

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年2月9日更新

知事定例記者会見

■日時 令和5年2月2日(木曜日)13時00分~13時35分
■会場 応接室

【発表事項】
1 令和5年度当初予算について

【質問事項】
1 令和5年度当初予算について
2 令和5年度組織改正について

230202 福島県知事  動画を再生する

 

 

【発表事項】

1 令和5年度当初予算について

   令和5年度当初予算につきまして、発表いたします。
一般会計当初予算の総額は、1兆3,382億円であります。これは対前年度比で706億円の増となります。このうち、復興・創生分として2,582億円を計上しています。
歳入については、県税や地方交付税はもとより、「原子力災害等復興基金」などの各種基金を有効に活用し、必要な財源の確保に努めました。
  歳出については、根拠に基づく政策立案の考え方を基本として、徹底した事務事業の見直しに努め、予算編成を行いました。
総合計画の2年目となる令和5年度は、これまでの成果を土台として、計画に掲げる将来の姿の実現に向けた施策を着実に進めていくことが重要であります。
  このため、当初予算につきましては、喫緊の課題である新型コロナウイルス感染症や原油価格・物価高騰への対応、震災・原子力災害からの復興と福島ならではの地方創生の加速、防災力の強化や地球温暖化対策、デジタル変革の推進など、一つ一つの取組を更に「シンカ」させていくための予算として編成いたしました。
  それでは、新年度予算の主な事業について御説明いたします。
  はじめに、新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、診療体制や病床等の確保はもとより、新たな変異株も見据えた検査体制の強化やワクチン接種の推進、自宅療養者等への支援など、医療機関や市町村等と連携して引き続き、医療提供体制の整備と感染拡大防止に全力を尽くしてまいります。
  また、これまでの取組を踏まえ、次の感染症危機に備える組織体制を強化するため、保健福祉部内に「感染症対策課」を新設いたします。
  さらに、コロナ禍に加え、物価高騰などに直面する中小企業等に対し、伴走型の資金繰り支援とともに、各支援機関の相談機能を強化し効果的な経営支援を行うなど、地域経済の維持・再生にしっかりと取り組んでまいります。
次に、避難地域における復興の加速化についてであります。
  事業再開や営農再開への支援、医療提供体制の再構築、移住の促進など、避難指示解除の動きを捉えながら、引き続き、避難地域の復興に最優先で取り組んでまいります。
  また、福島国際研究教育機構を核とした広域ネットワーク形成の促進や国・市町村等と連携した機構周辺の環境整備に向けた取組を進めてまいります。
次に、健康長寿の実現、結婚・出産・子育て支援についてであります。
  メタボリック・シンドロームを始め、健康指標の改善に向けて健民アプリによるキャンペーンを実施するなど、市町村や事業者等と共に全国に誇れる「健康長寿県」づくりを進めてまいります。
  また、子どもの医療費助成に加え、保険適用外の不妊治療支援の充実、新生児スクリーニング検査の拡充、病児保育の広域利用体制の強化など、ライフステージに応じた福島ならではの切れ目のない支援策を展開してまいります。
次に、教育環境の充実についてであります。
  ふくしま学力調査の分析をいかし、児童生徒の学力向上に取り組むほか、幼児教育の一体的な支援体制を整備いたします。
  県立高等学校改革については、再編する学校の校舎等の整備を着実に進めるとともに、空き校舎等の活用支援として、校舎や土地を市町村へ譲与するための新たな条例の制定や解体費用相当額の将来的な交付、5年間で最大3億円の補助制度などの特別な支援策を創設し、市町村において安心感を持って検討を進めることができるよう、丁寧に対応してまいります。
  さらに、ヤングケアラーに対し、関係機関と連携した支援策を講じてまいります。
次に、医療・介護体制の充実についてであります。
  感染症専門人材養成課程の開講、介護の魅力を伝える取組など、医療機関等と連携して人材の養成・確保を推進するとともに、医療・介護の情報ネットワークの更なる拡充、24時間対応する救急電話相談窓口の開設など、医療基盤の構築にしっかりと取り組んでまいります。
次に、安心して住み、暮らすための環境づくりについてであります。除染に伴う除去土壌搬出後の仮置場について、引き続き、国や市町村と共に原状回復を着実に進めてまいります。
  また、昨年の地震や大雨災害からの早期復旧はもとより、「流域治水」の取組や盛土による災害の防止策を進めるとともに、マイ避難シート作成機能を有する防災アプリや災害を疑似体験できるVR映像の制作、社会福祉施設における災害時相互支援体制の構築など、災害に強い県づくりを推進してまいります。
  さらに、なりすまし詐欺被害防止に向けた対策の強化に取り組んでまいります。
次に、豊かで持続可能なまちづくりについてであります。
  「福島県2050年カーボンニュートラル」の実現に向け、地域ぐるみで行う脱炭素の取組への支援、電気自動車や自家消費型太陽光発電設備の普及拡大のほか、県産材の活用や、高度な断熱性能を含む独自の基準による省エネ住宅の推進などに取り組むとともに、これらの施策の全庁的な推進体制を強化するため、生活環境部内に「カーボンニュートラル推進監」を新設いたします。
  次に、中小企業等の振興、新産業の創出・集積についてであります。
  若年層を中心に企業の魅力への理解を促進し、製造業などの人材確保を強力に支援してまいります。
  また、デジタル変革に取り組む中小企業等に対して費用面も含めた伴走支援策を講じるほか、誰もが働きやすい職場環境づくりを促進してまいります。
  さらに、航空宇宙や廃炉、医療関連などの福島イノベーション・コースト構想の重点分野においてマッチング支援を強化するなど、新産業の創出・集積を進めてまいります。
次に、農林水産業の振興についてであります。
  関係団体と連携して就農と経営の一体的な支援窓口を開設いたします。
  また、食料安全保障の強化が重要性を増す中、畑作物や自給飼料の生産拡大に取り組むとともに、引き続き、飼料価格高騰の影響を受けている生産者を丁寧に支援してまいります。
  さらに、水産業の復興の加速に向け、生産から流通、消費に至る総合的な支援策を講じるほか、県産農林水産物について、精緻なマーケティング調査等を行い、ブランド力の強化を推進してまいります。
  次に、交流・移住の促進についてであります。
  地方移住への関心の高まりを捉え、首都圏等のテレワーカーやテレワーク導入企業を呼び込む
「転職なき移住」に力を注ぐとともに、移住・定住に係る推進体制を強化するため、企画調整部内に「ふくしまぐらし推進課」を新設いたします。
  また、ホープツーリズムの受入体制の強化に向け、浜通り地域に窓口を新設するほか、JR只見線については、二次交通の拡充や台湾でのPR活動などにより、国内外からの利活用の一層の拡大を図ります。
  さらに、プロスポーツチームとの連携イベントやJヴィレッジにおける各種サッカー大会等を契機として、スポーツを通じた交流も促進してまいります。
次に、風評・風化対策についてであります。
  根強い風評の払拭と風化の防止に向け、首都圏において本県の魅力の集中的な発信に取り組むとともに、県産品のトッププロモーションを海外で実施するほか、県外消費者に向けた漁業の魅力発信など、引き続き、国内外に対する戦略的な情報発信や取組に力を尽くしてまいります。
以上の主要な事業を含め、令和5年度当初予算における総合計画の8つの重点プロジェクトに係る事業は、502事業で、計3,500億円となります。
  新年度は、第2期復興・創生期間の折り返しを迎えますが、福島の復興はいまだ途上であり、
新型感染症や物価高騰、度重なる自然災害、さらには急激に進む人口減少など、私たちは多くの困難に直面しています。
  この難局を乗り越えるため、県民の皆さんと積み重ねてきた挑戦を更に「シンカ」させ、福島の未来を全力で切り拓いてまいります。

【質問事項】

1 令和5年度当初予算について

【記者】
  冒頭二点お伺いします。
  まず、恒例ですけれども、今回の当初予算に名前をつけていただくとすると、どういう名前になるかということについて伺います。
  また、もう一点。今、主要事業について御説明いただきましたけれども、その中でも、特にイチ押し、目玉の事業があれば併せて伺います。

【知事】
  今、二つお尋ねを頂きました。
  今回の令和5年度当初予算のネーミングは、こちら「福島の挑戦『シンカ』予算」であります。福島の挑戦をシンカさせていく予算ということで、今回の当初予算、編成をさせていただきました。
  このネーミングをつけた意味も込めて、力を入れた事業を御説明したいのですが、やはり1兆3,000億円の予算でありますので、一つに絞るのは少し難しいので、ある程度、主要事業も含めてということで御理解を頂ければと思います。
  今回、片仮名の「シンカ」というキーワードを使っておりますが、この片仮名の「シンカ」には四つの「シンカ」の意味が込められています。
  一つ目が、深める「深化」、二つ目が進める「進化」、三つ目が新しくする「新化」、そして、真の価値の「真価」。この四つの「シンカ」、これが正に今回の予算の中の重要な要素になってきます。
  特に今回の予算の中でやるべきことは、大事な二本の柱、東日本大震災や原発事故などの複合災害あるいは、その後の自然災害等からの復興、そして急激な人口減少が進んでおりますので、福島ならではの地方創生、この復興と地方創生を大事な軸にしています。
  では、こういった二つの重要な目的に向かってどういう事業を行うか。
  まず一つ目の深める「深化」でありますが、例えば、震災以降、メタボリック・シンドロームといった健康指標の悪い状況が続いています。その改善を目指すキャンペーンなど、健康長寿の実現に向けた取組をオール福島で推進します。
  また、結婚・出産・子育ての希望をかなえる環境づくりに向けて、それぞれのライフステージに応じた福島ならではの切れ目のない支援を展開してまいります。
  さらに、福島県2050年カーボンニュートラルの実現に向け、電気自動車や独自基準の省エネ住宅の推進など、県民の皆さんの理解を深めるための総合的な施策を展開していきます。
  今、三つの主要事業についてお話しましたが、これらの事業はベースがあります。既に一定程度行っているけれど、それを更に深掘りして、よりきめ細かく、より丁寧に施策を進めていく必要がある。したがって、深める「深化」の主要事業が、この三本柱ということになります。
  続けて、進める「進化」について3つ事業をお話ししたいと思います。
  若年層、若い世代を中心に、福島県内の企業、事業所、工場の魅力への理解を促進します。製造業などに向けて、喫緊の課題である人材の確保を強力に支援をする、これが結果として福島への定住を促進するということにつながります。
  二つ目は、関係団体と連携し、新たな農業の窓口を開設して、新規就農から経営の発展まで一体的な支援を展開します。つまり、新規就農者数を更に増やす取組であります。特に、この一年、330名を超える新規就農の流れができていますので、これを前に進めていくものであります。
  また、自然災害からの復旧は当然でありますが、流域治水や防災アプリの制作など、ハード・ソフトの両面から災害に強い県づくりをさらに推進していきます。
  これらの三つの事業については、一定の成果が出てきていますが、それをもっと前に進めていく事業ですので、この進める「進化」の例として挙げさせていただきました。
  そして三つ目、新しくする「新化」でありますが、創造的復興の中核拠点、福島国際研究教育機構、いわゆるF-REI、これを核とした広域ネットワーク形成の促進や、国市町村等と連携した周辺環境整備に向けた取組など、F-REIはこれから生まれる新しいものであり、これまでありませんでした。正に新しい「新化」の一つの事例になると思います。
  二つ目は、水産業です。水産業に対して、生産から流通、消費に至る新しい支援策を総合的に展開して、福島型漁業の実現に向けた好循環サイクルを加速する。御承知のとおり、第一次産業の中でも、水産業や漁業が一番、復興が遅れています。今ようやく、ある程度漁に出る環境が整っていますが、震災前の水準に比べるとはるかに低い。ここからまた新たなスタートをして、本格的な水産業の復興に取り組んでいきます。
  そして三つ目は、地方移住への関心の高まりを捉えて、首都圏等のテレワーカーやテレワーク導入企業を呼び込む、「転職なき移住」を推進する。新型感染症で三年間、我々は苦しんできましたが、一方で、リモートワークやテレワークが当たり前にできる環境が整ってきました。これはコロナ前にはなかった環境であります。
  その中で、首都圏等の一部の企業は、転職しないで移住する、つまり、東京ではなく、福島を含め、どこに住んでもそのまま仕事ができることを積極的に認める企業が増えています。したがって、転職なき移住というものは正に新しいチャレンジということになりますので、こういった未来を切り開く新たな視点での「新化」、こういったものに取り組んでいきたいと思います。
  この三つの「シンカ」を進めていく中で、結果として、福島県の真の価値、「真価」そのものが高まるということになります。私はこの「真価」は、ふくしまプライド。と同義語だと思います。つまり、深める「深化」、進める「進化」、そして新しくする「新化」、これを予算の中で、取り組んでしっかり前に進めることで、福島県自身の「真価」、ふくしまプライド。をより一層輝かせることができると考えております。
  今回の令和5年度の予算、「福島の挑戦『シンカ』予算」として、様々な「シンカ」にしっかり挑戦していきたいと考えています。
 
【記者】
  財政状況についてお伺いします。
  今の話にもありましたが、新型コロナウイルス感染症、災害復旧など幅広い分野で財政需要が生じていて、予算規模が、ここ2年連続で前の年度を上回っています。
  県の財政状況に対する受け止めと、今後、財源確保も含めて、財政健全化に向けた知事の考えを伺います。

【知事】
  新年度予算においては、総合計画の2年目として、計画に掲げた将来の姿の実現に向け、今、御説明したように、一つ一つの取組をシンカさせて、福島県の力強い復興と、福島ならではの地方創生を更に加速させていく必要があります。
  加えて、原油価格・物価高騰の影響を踏まえながら、予断を許さない新型感染症への対応、度重なる自然災害からの復旧など、広範かつ多額の財政需要が見込まれました。
  このため、第2期復興・創生期間の財源フレームに基づく復興財源に加えて、国の緊急包括支援交付金や地方創生臨時交付金を始めとする感染症対策に取り組むための財源、さらに、安定的な財政運営に必要な一般財源総額をしっかり確保し、最大限に活用しました。
  また、国から確保した財源を積立てた復興関連基金を有効に活用し、根拠に基づく政策立案の考え方を踏まえて、徹底した事業の見直しに努めるなど、様々な方策を講じて財源を確保しました。
  その上で、なお生じる財源不足については、財政調整基金などの主要基金で対応したところであります。
  厳しい状況にはありますが、県庁一丸となって知恵と工夫を結集し、実効性のある予算を編成することができたと考えております。

【記者】
  財政状況についてですが、基金を300億円以上取り崩して残高が17億円ということで、今回、取り崩しの要因として災害が主な要因と伺っています。気候変動の状況を考えると、来年度以降も災害が起こる可能性もあると思いますが、この基金がかなり減ってきた部分についての評価と、またどのように対応しようと考えているのかについて伺います。

【知事】
  広範かつ膨大な財政需要が見込まれるというお話を、先ほど申し上げました。
  復興財源はもとより、感染症対策や物価高騰に取り組むための国の交付金を最大限に活用することが大事です。あわせて、一般財源総額を確保した上でも財源不足が生じてしまうことから、今回、600億円余りでありますが、財政調整基金などの主要基金で対応しました。
  安定的な財政基盤は、復興・地方創生に向けた取り組みや、新型感染症、物価高騰への対応、さらには、医療・福祉教育など、県民の皆さんに身近な施策を進めるに当たって不可欠なものであります。このため、今後も国に対して、復興財源を始め、新型感染症や物価高騰対策に必要な財源確保を強く求めていきます。
  また、自主財源の確保はもとより、事務事業の効率化にも努めながら、復興・地方創生の実現と新型感染症や物価高騰への対応、そして、健全な財政運営に取り組んでいく、これが重要だと思っております。
  大事なことは、政府に対して、復興財源あるいは感染症などの特殊な財源確保について、私自身が訴えて求めることです。
  また現在、全国知事会でも関連の役職をさせていただいておりますので、毎週のように(政府と)お話をする機会がありますが、その度ごとに自治体に対する財源の確保を幾度も要請しております。
  また、特に交付税等の一般財源総額が重要でありますので、総務省に対して、この点をしっかり対応していただくとともに、福島県独自の財源、いわゆる県税でありますが、近年、コロナ禍ではありましたが、比較的堅調に推移しております。
  こういった財源のかん養に努める、こういったことも併せて、全体として中期的に財政運営が安定していけるよう、知事が先頭に立って取り組みます。
  また、財政調整基金ですが、毎年この時期、当初予算の時期には一定程度使って施策を進めるということが重要でありますので、同程度の残高になっておりますが、年度全体の中で、この主要基金の回復というものにも力を入れていきたいと考えています。

 

2 令和5年度組織改正について

【記者】
  「ふくしまぐらし推進課」について、これのねらいや、それを作ることによって、今までできなかったどんなことができるようになるのか、伺います。

【知事】
  「ふくしまぐらし推進課」でありますが、コロナ禍をきっかけにして、新たな働き方として、テレワークが急速に普及しています。都市部で就業されている方が、仕事を変えることなく地方に移住する新たな(移住の)形が出てきたことから、これまでの施策に加えて、テレワーカーやテレワーク導入企業にもアプローチをするなど、転職なき移住をより一層推進することで、新たな人の流れを創出し、福島県への移住・定住を進めていく必要があります。
  このため、関係先や対応業務が従来より幅広くなること、また、(人口の)社会減対策は、福島県が最優先に取り組む重要施策であることから、移住・定住に特化した「ふくしまぐらし推進課」を新設することといたしました。

【記者】
  総務省の調査でも、(福島県は)人口の流出が全国でワースト3だったということで、先ほど知事からもお話があったように、やはり福島らしさとか、あと、全国の他の首都圏ではないところは全部が競争相手になると思うので、より福島らしさとか、福島に住みたいということが重要になると思いますが、福島らしさとは、端的に言えばどんなことでしょうか。

【知事】
  大切な御質問だと思います。
  今、47都道府県、もちろん大都市圏は別でありますが、特に地方部の各県において、本県のように、移住・定住を増やしたいということで、それぞれ知恵と工夫を凝らす、大事な競争相手、ライバルであります。
  (「福島らしさ」について、)一言であえて言いますと、「福島」という地名になります。
  漢字の「福島」も、ローマ字の「FUKUSHIMA」も、国内外で非常に有名な地名であります。
  それはなぜか。2011年の東日本大震災と原発事故、これに直接見舞われた県であり、今なお見舞われている県だからであります。
  現在、福島に移住していただければ、様々な形のライフスタイルを送ることができると思います。第一次産業、第二次産業、第三次産業、あるいは仕事を終えて(定年を迎えて)から、自分自身の生活を楽しむために移住される方もいますが、この福島の地で生活をする、あるいは働く、子育てをされるということが、結果として、福島県という、被災した県、被災の地の復興や地方創生に貢献していただける大切な仲間・同志になるということを意味します。
  私自身、浜通り、中通り、会津地方で、移住された方々にたくさんお会いしてきました。
  皆さん言われるのは、「福島に住むということで、福島県の復興や、地域の活性化に、是非、自分も微力であるけれど貢献したい」ということです。こうした点は、福島らしさの一番の本質かと思います。
  加えて申し上げますと、福島県は首都圏に非常に近い。新幹線で1時間半から1時間40分ほどで、中通りから首都圏に着くことができる。こうした地理的優位性もありますし、東北のエリアの中でも比較的温暖ないわき等のエリアもあります。浜通り、中通り、会津地域を足しますと、福島県全体の面積は、東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県を足したより広い。したがって、福島県での暮らしは選択肢が非常に豊富にありますので、都市部に住んでいただくこともできますし、あるいは、地方暮らしを満喫していただくこともできます。山が好きな方、海が好きな方、湖が好きな方、それぞれが自分の好きな地を選べる、こういった本県ならではの特色を、「ふくしまぐらし推進課」と一緒になって、多くの方に伝えていきたいと考えています。

【記者】
  新型コロナウイルス感染症対応について伺います。
  これまでの取り組みを踏まえて、「感染症対策課」を新設されるということですが、これまでのコロナ対応から見えてきた課題と、この新設される「感染症対策課」では、どんなことに取り組んでいくのか伺います。

【知事】
  まず、3年間、新型コロナウイルス感染症との戦いは、先が見えない、処方箋が明確ではない中での戦いでありました。
  一時期、特に急激に感染者が増えた時は「どうなってしまうのだろう」という不安を、医療関係者、あるいは市町村と抱えながら、まさに模索をしながら取り組みを進めてきました。
  ただ一方で、新型コロナウイルス、アルファ、ベータ、オミクロンと、株そのものは変わってきていますが、一定程度の対策というものが見えてきており、また、ワクチンの接種が進んでいる。特に福島県はある程度(接種が)進んでいるという環境にあります。
  そういう中で、感染症は、現在、第8波、まだまだ渦中ではありますが、一定程度の改善傾向が見られています。
  ただ、今後、例えば、2類から5類への見直し、あるいはオミクロンに続く次の変異株というものも想定されます。
  現在は、新型コロナウイルス感染症対策本部、この本部員会議を活用しながら全庁的な対応を行っておりますが、この感染症が、例えば3年経ったら終わるということがはっきり見えるものではありません。今後も恐らく、こうした感染症への対応、危機への対応というものは継続していくかと思います。
  したがって、その核となり、一番中心となって頑張っていただく「感染症対策課」にしっかりと課長を置いて、その上で指揮をとっていただくということが、今後、継続、安定的に感染症対策を行う上で極めて重要だと考えています。
  ただ一方で、仮定の話ではありますが、第9波、第10波、そういったものが起きた際には、感染症対策課だけで対応できるわけではありません。したがって、その際は当然、今と同じように、全庁的な対応も行いながら取り組むという、この2段構えの対策が必要と考えています。今回、あえてこのタイミングで「感染症対策課」を新設するのは、残念ながら、新型感染症との戦いはこれからもある程度継続する、そうした覚悟を示したものであります。

 

(終了)

【問合せ先】
○発表事項
1 令和5年度当初予算について
→総務部財政課 電話024-521-7027
(令和5年度組織改正について)
→総務部行政経営課 電話024-521-7093

○質問事項
1 令和5年度当初予算について
→総務部財政課 電話024-521-7027

2 令和5年度組織改正について
→総務部行政経営課 電話024-521-7093
(新型コロナウイルス感染症について)
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238