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知事記者会見 令和5年2月14日(火)

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年2月22日更新

【発表事項】

1 令和4年度4月補正予算の概要について

  令和4年度2月補正予算の概要を発表いたします。
  今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策を始め、原油価格・物価高騰等への対応や国の補正予算を活用した事業など、緊急に措置すべき経費について計上いたしました。
  その主な内容といたしましては、新型コロナウイルス感染症対策として、入院病床確保のための医療機関への補助、自宅療養者への支援、原油価格・物価高騰等への対応として、飼料価格高騰の影響を受けている生産者への支援、光熱費などが増加している社会福祉施設等への支援、木材加工流通施設等における安定供給体制の強化、そのほかとして、本県沖地震で被災した港湾などの早期復旧、今後の降雪に備えた除雪費の増額、除染に伴う仮置場の原状回復支援事業など、事務事業の年間所要見込額の確定に伴う補正についても、併せて計上いたしました。
  以上により、一般会計における補正予算の総額は、489億6千6百万円の減、本年度予算の累計額は、1兆3,325億5千9百万円となります。

【質問事項】

1 令和4年度2月補正予算の概要について

【記者】
  補正予算についてお聞きします。
  これまで(今年度は)8回補正されており、今回9回目となると思います。内容としては、これまで行ってこられたコロナ対応であったり、物価高騰対応を更に上乗せという形で手厚く支援するというのがあると思います。今回の補正の狙いであったり、知事の思いを伺います。
 
【知事】
  今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策を始め、原油価格、物価高騰などへの対応や、国の補正予算を活用した事業など、緊急に措置すべき経費について計上しました。
  まず、新型感染症対策として、第8波による感染拡大を踏まえ、入院病床の確保や自宅療養者への支援を継続するなど、感染の拡大防止や医療提供体制の整備にしっかり取り組むための経費を計上しました。
  また、物価高騰等への対応として、原油価格や飼料価格の高止まりなどの影響によって厳しい経営環境が続いている生産者や事業者の皆さんを支援するため、福島県独自の支援策に必要となる経費を計上しました。
  さらに、昨年末成立した国の補正予算を活用して、国産材需要の増加に対応するための木材加工流通施設における安定供給体制の強化や、福島県沖地震からの早期復旧を行うほか、今後の降雪に備えた除雪費を増額したところであります。
  今回の補正予算によって、喫緊の課題である新型感染症に対して、迅速、適切に対応するなど、県民の皆さんの安全・安心の確保にしっかりと取り組んでまいります。

2 新型コロナウイルス感染症について

【記者】
  卒業式のマスクの緩和について伺います。
  昨日、県の教育委員会が学校に通知しましたが、(新型コロナウイルス感染症の)第5類への引下げは5月からですが、マスクの緩和だけ先行して3月に行われることに関して、まず考えを伺います。
  また、その着脱については無理強いしないと書いてありましたけれども、現段階で何か懸念されることと、それにどう対応されていくかについて併せて伺います。
 
【知事】
  まず総論からお話します。
  今回、マスクの着用について、3月13日から個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本とすることが決定されました。
  しかしながら、この決定によって感染対策が不要になるわけではありません。県民の皆さんお一人お一人が、感染リスクや重症化リスクを正しく御理解いただいた上で、国が新たに示した指針に基づいて、マスク着用の必要性が高い場面では、しっかりと対策することが必要だと考えています。
  国においては、県民や事業者の皆さんが混乱することがないよう、適切な情報を提供していただきたいと思います。県としても、この政府の指針に基づき、マスク着用の効果的な場面、こういったものについて周知をしていきたいと考えています。
  また、卒業式のマスク着用の関係でありますが、文部科学省から基本的な考え方が示されました。卒業式の教育的な意義を考慮し、児童生徒、教職員は式典全体を通じてマスクを着用せずに出席することを基本とする。ただし、これとは別に個別具体的なケースが示されています。例えば、国歌、校歌等の斉唱、合唱等については、マスクを着用する。あるいは、来賓、保護者等にはマスクの着用を求める。また、参加者の皆さんに対しては、当日の健康観察を実施する。濃厚接触者に特定された場合及び当日、本人に発熱などの風邪の症状が見られた際には、参加を控えるよう徹底する。こういった感染対策を個別具体的に示した上で、卒業式の教育的な意義、また3年間のウィズコロナにより、今の児童生徒の皆さんが、学校生活(において)、様々な制限や制約があった中で、今回、式典全体では可能な範囲でマスクを着用しないで対応するという方向が、文部科学省から示されたものだと考えています。
  一方で、先ほど御指摘があったとおり、大切なことは、様々な事情によって、感染への不安を抱いてマスクの着用を希望される児童生徒の皆さんもいるということです。したがって、学校や教職員がマスクの着脱を無理強いすることがないようにすること。また、児童生徒の間でも、マスクの着用の有無による差別、偏見等がないよう適切に指導すること。こういったことも併せて通知されております。
  今回、卒業式について新たな方針が示されましたが、単純につける・つけないという問題ではなく、感染対策が必要な場面ではマスクの着用が具体的に示されていますので、学校現場、保護者、関係の皆さんに対して、国、県、自治体あるいは教育委員会等が、それぞれできるだけ具体的にお示しして、その上で卒業式が円滑に行われることが必要だと考えております。

【記者】
  もう一つ、東京都では認証店でのマスク着用について、(認証店の)基準から削除するような動きも出ていますが、卒業式以外、ほかの生活の分野で、何かマスクの緩和について動きを広げていくような考えがあれば伺います。

【知事】
  (マスクの着用について)政府において一定の方向性が示され、卒業式に関してはかなり具体的に細かく出ている一方で、それ以外の案件は、まだ方向性が示されていないと言ってもいいかと思います。
  そのため昨日、(全国知事会として)加藤厚生労働大臣、また後藤担当大臣ともそれぞれ個別にオンラインで会議を行いましたが、それに先立って47都道府県に対して、今回の政府の基本的な考え方に対する、正に現場を抱えている広域自治体である都道府県としての様々な意見を集約しました。その結果を、両大臣に対して具体的に提示をしたところであります。
  その中で、もう少し具体的に方向性を示していただきたいということをお話しし、両大臣から、3月の方向性の転換に向けて、こういった知事会の声であったり、医療関係者等の御意見を踏まえ、より詳細なものを示したいという回答がありました。
  知事会としては、かなり詳しい具体的な質問項目であったり、意見をぶつけておりますので、実務レベルも含めて、厚生労働省や内閣官房等と、今後、議論・協議を進めていきたいと思います。
  また、日本医師会等とも連携しておりますが、いろいろな御議論等もあろうと思いますので、今後、3月あるいは5月の感染症法上の分類の転換も含めて、極力円滑にスムーズに見直しが進むよう、詳細の制度設計について、しっかり協議を進めていきたいと思います。
  そして、先ほど質問いただいた点についても、そういった中での方向性を見ながら、県としての対応を考えていくということになると思います。

【記者】
  補正予算の関係で、新型コロナウイルス感染症についてですが、第8波について、県内では減少傾向に入ってきていると認識していたのですが、このタイミングでまだ(補正が)必要だというのは、どういった判断か伺います。

【知事】
  詳細については、この後、担当課からブリーフィングをさせていただきますが、これまでの執行状況等を見ますと、第8波、今回の感染状況は、非常に大きな拡大で、第7波を優に上回りました。
  感染者数そのものは御指摘があったとおり、おかげさまで減少傾向にあるのですが、病床の使用率、実は病床に入っていない方で、例えば高齢者施設等におられて、そこで実質的に病床的な対応をしていただいている場合もあります。これについてはどうしてもタイムラグがあり、まだ対応が残っている部分もあります。
  したがって、現状の、これまでの予算の執行状況等を見て、まだ増額が必要だという判断で、今回、2月の議会に計上させていただいているところであります。
  また、詳しい部分については、後ほど(担当課から)補足説明させていただきます。

 

3 福島県漁連の自主基準超過による水産物の出荷自粛について

【記者】
  先週、いわき市内で水揚げしたスズキから放射性セシウムが検出され、基準としてはかなり低いと聞いているのですが、県漁連が出荷を自粛することになりました。
  震災から12年経っても、こういうことがたまに起きてしまうことについての受け止めと、なかなか難しいと思いますが、分析、どうしてそうなるのかということのお考え、東電や国に対して何かリクエストしたことがあれば伺います。

【知事】
  今回、恐らく一定期間ぶりになるかと思いますが、魚からそういった一定の放射性物質が検出され、しっかり公表されているところです。
  御承知のとおり、国の基準は100ベクレルでありますが、漁協の方では50ベクレルと、より安全な対応をされていますので、今回はその50ベクレルから100ベクレルの間の放射性物質ということでしたが、こういったものをしっかり明確に公表していくことが、エビデンス、信頼性を高める観点からいっても重要な取組だと思います。
  全体としては、一年間で、そういったものがゼロという年もありますし、一方で、1件、2件、時に出る年もあります。人間が手をかけている農産物と違い、水産物、海の魚については、時にこういったものが出てくることが、2011年の苛酷な原発事故、これがまだ現在進行形であるということを示しているかと思います。
  分析はなかなか難しい部分があるのですが、私どもから東京電力に明確に要請しておりますのは、原発の敷地の港内にも魚がいるわけで、それが外に出て行かないような対処方針をしっかりしてほしいということ、これは漁連、漁協等からもお話がありますし、私どもも、遮へいしていただきたいという思いは伝えており、一定程度の措置は間違いなくとっているのですが、完璧なのかどうかというのは、なかなか難しい部分もあると思います。
  今回も100ベクレル以下ではありますが、12年経っても、現実にこういったものがあることを踏まえ、今後、どういった対応が可能かということは、政府、東京電力においても、検討を継続していただきたいという思いがあります。
  また、県は漁連等とも連携して、正確にしっかり分析をして、データを適時公表していくことによって、我々自身の情報の正確性を皆さんに理解していただく、その取組を継続していきたいと考えています。

【記者】
  遮へいについては、今回の件を受けてもう1回東電に伝えたという理解でいいですか。

【知事】
  担当部局に聞いていただければと思います。
  漁連からは、かねがねこの件はお話しされているかと思いますし、当然彼ら(東京電力)自身も意識を持ってやっていると思いますが、県が今回(の件を受け)要請しているかどうかというのは、私自身は聞いておりませんので、担当部局に取材していただければと思います。

 

4 国のエネルギー課政策について

【記者】
  政府の原子力政策についてお尋ねします。
  原子力規制委員会は、昨日、事実上の原発の運転期間の延長を可能にする案を了承したということですが、国の原子力政策を左右する重要な決定にもかかわらず、委員5人のうち、4人が賛成して、1人が反対、異例の多数決ということで決まっています。
  今ほど、12年が経過してもスズキから放射性セシウムが検出というようなことが、今でも続いているというお話がありましたが、知事自身の今回の受け止めと、原発立地県、被災地の知事としての受け止めをお願いします。

【知事】
  今回、原子力規制委員会において、原発の運転期間延長について、委員1名が反対される中で、多数決で決定されたという報道を拝見しております。
  原子力規制委員会については、福島第一原子力発電所事故の発生を受けて、二度とこのような事故を起こさないことを目的に設置されたものと承知しております。
  こうした規制の在り方も含め、原子力政策については、原発事故の現状と教訓を踏まえ、住民の皆さんの安全安心を最優先に、国が責任を持って対応すべきものと考えております。

【記者】
  重ねてになりますが、原発事故が発生して今も続いていて、そういう中で、被災地の知事としての受け止めをもう一度お願いします。

【知事】
  特に福島県民の皆さんでありますが、12年前の苛酷な原発事故、そして現在も続く困難、逆境を経験する中で、二度とこのような原発事故を繰り返してはいけないという強い思いを持っておられます。
  県民の皆さんのこうした強い思いを、福島県知事として、今後も、私自身が様々な機会を捉えて国内外に訴えてまいります。

 

5 原子力発電所事故に対する意識調査について

【記者】
  先週、東京大学の関谷准教授たちが、処理水の海外の受け止めについてインターネット調査をされたということを公表しました。
  知事が拝見されたか分かりませんが、その中では、様々なデータを示されていますけれども、やはり近隣の中国、韓国は、かなり厳しい結果だったのではないかと私自身は受け止めました。
  今後、海外にもしっかりと情報発信、処理水について発信していかなければならないと思いますが、今回の調査結果の受け止め、そして国、東京電力に対して、情報発信の在り方はどのようなことを求めていくかについて伺います。

【知事】
  震災と原発事故から間もなく12年を迎えます。
  輸入規制を続ける国、地域が12まで減少するとともに、県産品の輸出額が過去最高を更新するなど、福島県に対する理解が着実に広まっています。
  一方で、根強い風評はいまだに残っており、福島県に対するイメージのアップデート、更新を粘り強く進めていくことが重要だと考えています。
  また、ALPS処理水の取扱いについては、福島県だけではなく、日本全体の問題であります。このため、国においては、今回の調査結果などを踏まえながら、科学的知見に基づいた正確で分かりやすい情報発信にしっかり取り組んでいただきたいと考えています。
  県としては、引き続き国に対し、諸外国への丁寧な説明や情報発信の充実強化、更に万全な風評対策に、政府が一丸となって責任を持ち、取り組むよう訴えてまいります。

 

(終了)

【問合せ先】

○発表事項
1 令和4年度2月補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027

○質問事項
1 令和4年度2月補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027

2 新型コロナウイルス感染症について
→新型コロナウイルス感染症対策本部(保健福祉部地域医療課) 電話024-521-7238
(令和4年度卒業式におけるマスクの取扱について)
→教育庁高校教育課 電話024-521-7769

3  福島県漁連の自主基準超過による水産物の出荷自粛について
→農林水産部水産課 024-521-7375

4  国の原子力政策について
→企画調整部エネルギー課 024-521-7120

5  原子力発電所事故に対する意識調査について
→企画調整部風評・風化戦略室 024-521-1128